2014年9月|聖カピタニオ女子高等学校|豊かな人間性を持つために

「2014年09月」の記事

今を生きる!

今年の学園祭は、秋空のもとで行うことができ感謝しています。今年のテーマは、「Carita?未来へつなぐ3.11?」でした。初日の講演は、中学3年生の卒業式に被災なさった阿部春香さんからお話を伺うことができました。阿部さんは、現在京都にある大学の1年生です。本校の生徒がオーストラリアに留学していた時に出会った方で、今回の講演会を快く引き受けてくださいました。当時の様子をパワーポイントを使いながら、報道されていないことを話してくださり、時々涙声になりながらも、必死に私たちに語りくださって下さいました。

阿部さんが被災なさったのは、中学校の卒業式が終わった午後。クラスで写した当日の集合写真(もちろん顔はブロックされていました)を見ると、希望に満ち溢れ、まさか人生を揺るがす事態が起きるとは誰も予測していなかったでしょう。阿部さん自身、3日前にも地震があり当日の地震は、その余波じゃないかと思ったそうですが、言葉にできない状態だったそうです。地震から30分後に津波が押し寄せてきたことを知り、すぐ防災袋を抱えて小学校に避難し、そこで耳にしたこと、目にしたことを話してくださいました。

避難所になっている小学校から見た、津波が押し寄せている写真、震災翌日に食パンを1枚配給されたそうですが、1枚は4等分にされた大きさだったこと。阿部さんは防災袋を抱えて避難なさったので、ペットボトルの水は高齢者や薬を飲む人に配って回ったことを話し、「食料がなくてもしばらく我慢できるけれど、水がなければ脱水症になり動けなくなります。」と水の大切さを強調していらっしゃいました。避難所での生活で自主的に動き出したのは、阿部さんたち中学生高校生で、トイレの掃除も進んで行ったと聞きました。非常事態でも周囲の人たちのことを考え行動をとっておられた阿部さんたち。私たちに人間の素晴らしさも教えてくださいました。各学年の感想を抜粋して紹介します。

 

  • 実際に震災を体験した人の話を聞くのは、凄く生々しかったです。ニュースとかで見たり、聞いたりするのとでは、凄い違いだと思いました。阿部さんが防災袋が必要だと言っていたので、絶対に必要なんだと思いました。そして、お話を聞いて、人と人との「絆」が大切だと気づきました。知らない人でも、隣に人がいれば助かる、同じ空間にいれば助け合うという精神を大切にしたいと思いました。(1年生)
  • 今回のお話を聞いて、改めて地震の怖さを感じました。たった1秒でも一瞬の迷いが命取りになってしまう、そんなことを強く感じたし、「自分の身は、自分で守る」このことも大切だと思いました。学園祭テーマである「未来につなぐ3,11」は、東日本大震災を忘れず、そこで学んだことを次に活かさなければダメだと思わせてくれるものだと思います。どれだけ地震の様子をテレビや新聞で見て怖いと思う事があっても、体験しなければわからないものはたくさんあると思います。それを阿部春香さんのお話から少しでも知れてよかったです。「この一日は、誰かが生きたかった一日。」この言葉の重みを忘れてはいけないと思いました。(2年生)
  • 春香さんの口から発せられる言葉一つ一つ、噛みしめながら、涙をぬぐいながら話している姿に強く胸が打たれ、私も自然に泣いてしまいました。卒業式の日、思い出に浸っていたかった時間を何の前触れもなく壊されてしまう。「茶色になった雑巾を、茶色の水で洗い、便器を掃除することや、友達のおばあちゃんの死、食パンを4等分にし、1日にそれだけで過ごした。」など、想像するだけで、今の私の生活がいかに恵まれていて、大切な必要なものが目の前にあるかという事を思い知らされました。春香さんが「震災が起きて1年後、留学先で話した時、初めて涙が出た。」と言う言葉に、最初は何で?と思ったけれど、「生きるために精一杯だった」と言う言葉を聞いて、辛い気持ちになった。(3年生)

 

最近のテレビ番組を見ていると、地震についての番組をよく見かけます。先日も南海トラフの地震が起きてもおかしくない状態であることを聞き、私自身も備えの必要性を強く感じました。まず、服用している薬をどこに置いておこうか?外に出てもすぐ取りに戻れる場所にしようか?など真剣に考えるようになりました。阿部さんが家族そろって食事ができたのは、震災後8か月だったと話しておられました。何気なく過ごす毎日、生かされていることに感謝しながら過ごしたいと思いました。

 

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