多田のサッカー教室-2009年6月号|聖カピタニオ女子高等学校

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多田のサッカー教室-2009年6月号

ついに高校総体、3年連続4回目の優勝を果たした。部員達は1つ1つの目の前の目標を次々とクリアしていく。現時点では申し分のない活躍である。 では決勝戦を振り返る。6月13日(土)16時45分、天候は曇り、湿度はかなり高い。ピッチは愛知東邦大学の人工芝。東名高速から見えるグラウンドである。 ゲーム開始からいいリズムで左右からの攻撃を仕掛ける。両サイドからいいボールが入るもののフィニッシュが決まらない。旭丘ディフェンス陣の身体をはった守りとゴールキーパーの頑張り、ファインセーブになかなか得点を奪えない。それでも前半30分、右サイドの愛子からの絶妙なセンタリングをふみかがヘッドで決め、均衡を破る。 このまま前半終了と思われた矢先に、左サイドバックのとも子がチャージを受け、負傷退場(右ひじ脱臼骨折)となった。 様子から救急車の要請も考えたが、本人を優勝の瞬間に立ち会わせたいと思い、ベンチに座らせた。 ハーフタイムでは修正すべき点を指示したが、とも子の分も頑張ろうという気持ちがチームの結束力をなお一層高めた。 ただ旭丘も決して諦めない。後半5分過ぎに最大のピンチが訪れる。不用意なバックパスを旭丘13番が奪い、ディフェンスを個人技でかわす。 キーパーと1対1になり、同点を覚悟した刹那、あんいのスーパーセーブが飛び出す。このプレーが流れを変えた。 そして後半10分にゆりがついに伝家の宝刀を抜いた。左足から放たれたシュートはきれいな放物線を描き、ゴールに突き刺さる。その1分後にも再現プレーを見てるかのようなゆりのシュートが突き刺さる。後半23分にはゆりのアシストからはなが決め、4対0。後半25分にはよしみがフリーキックを直接決めて5対0。その直後のキックオフでキーパーの集中力の欠いたプレーで失点したものの、ゆりが終了間際にハットトリックとなるシュートを今度は右足で豪快に決めた。 3年生を全員ピッチに送り出し(とも子を除く)、試合終了の笛を聞いた。点差以上に厳しい戦いとなったが、これがサッカーだろう。 保護者、教員、シスター、OG、指導者、サッカー関係者などたくさんの人が高校女子サッカーに興味を持ち、観戦してくれた。 以前に比べ、レベルアップした試合を見せることができたのではないかと思う。次は東海大会(愛知県開催)。 対戦相手は岐阜県代表の富田高校。最近創部された新進気鋭のチームで、岐阜県の予選は29対0で圧勝している。そのチームが愛知の決勝の観戦に訪れていた。本校の情報は十分に持っている相手に対して我々にはあまり情報がない。ただ、本校にはここまで培ってきた様々な経験がある。一昨年の東海大会の3位決定戦での雨中の戦いも忘れていない。昨年の東海大会の悔しさも忘れていない。それらを経験した3年生がいる。 今年こその熱い思いをすべてぶつける。 応援してくれるすべての人達のためにも。また、夢を追いかける事ができるこの状況に感謝しながら・・・。

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