2012年1月|聖カピタニオ女子高等学校|豊かな人間性を持つために

「2012年01月」の記事

ウマニタスが教えてくれたこと

2o12年が皆さん一人ひとりの心に「希望」をもたらし、新たな一歩を踏み始められたことでしょう。

私がブログを始めて2か月になります。慣れない私がブログを始めたのは、学校が行なっている教育を具体的に皆さんにお伝えすることと卒業生の皆さんに本校で受けた教育を思い出し、各自に与えられている人生の道をまっすぐに歩く助けにもなればと思ったからです。今年もよろしくお願いいたします。

本校独自の教科に、ウマニタス(総合学習+女性学)と宗教の授業があります。今回はウマニタスの授業について、紹介したいと思います。

ウマニタスとは、もともと人間性や人間らしさという意味のラテン語です。この教科は、マナー、ジェンダー、性の学習、女性史を4つの柱としています。入学してすぐの授業では、挨拶やお辞儀の仕方を学びますが、生徒たちにとって”当たり前”のことをわざわざ学ぶことに首をかしげています。しかし、3年間を通じて女性として、人間としての生き方を考え学び合うことによって、生徒たち一人ひとりは自分に自信をもって卒業の日を迎えています。

今回は、生徒たちの感想を抜粋して紹介したいと思います。

*高校3年間という大切な時期に、ウマニタスを学ぶことができてよかったと思います。お辞儀には三種類あって、それぞれの状況に応じて使い分けなくてはならないことやマナー実践(玄関の上がり方・靴の揃え方)を毎年学ぶことによって自信が持てるようになりました。

*3年間ウマニタスを学んで一番私が思い出に残るのは、マナーの授業です。挨拶、敬語の使い方、お辞儀の角度など最初は面倒だと思っていたことも、これから社会に出るにあたって一番役に立つことを教えてもらいました。人と話し合ったりすることが苦手だった私が、今では普通にみんなの輪に入れるのも、この授業のおかげかなと思っています。

*2年生の時に仲間と一緒に調べ学習をし、みんなの前で発表をし、学年で一番良い成績をおさめることができました。他のグループの意見や考えを聞き、「そんな考え方があるんだ!」と新しい知識を得ると、また別の「新しい考え方を知る」ということができます。みんな丁寧にまとめあげたものを発表するので、とても楽しかったです。

*新聞発表のために記事を探したけれど、自分が発表しない時も新聞を読んで、女性に関係する記事が目に入るようになった。

*“ジェンダーとは何か”“性同一性障害”“女性の生き方”とか“性”に関することをたくさん学んで、女性らしさや女性に生まれたことの素晴らしさ知ったとともに、今昔の女性ゆえの立場や制度に悩まされて生きていく難しさも知った。だけど、授業や新聞発表を通じて感じたことは女性がパワフルであること、楽しんで今を生きている人がたくさんいるということ。これから先、「女性だから?」とか性が原因で問題にぶつかることもあるかもしれない。その時は、ウマニタスで学んだ女性の生き方を思い出して前向きに進んでいきたいと思う。

*女性について学んだことは、イコール自分のことであり、生きていくうえで嫌でも意識しなくてはならない部分である。ウマニタスでは様々なことを通して、一つのカテゴリーとしての自分を客観的に見つめる機会があってよかったと思う。

*この授業を通じて、自分を客観的に見つめなおしたことで、自分の善いところ悪いところに気づくことができました。自分の性格をよく理解できたことが、友人や他人を理解し、受け入れるということにつながりました。高校3年生になった今、他人と自分との違いを感じても、違和感を感じることなく受け入れられるし、十人十色という言葉があるように人それぞれ違う方が味があってよいのだとひしひしと感じられるようになりました。

*女性学を学んで世の中には女性という「性」の問題で苦しんだ人もいれば、女性という「性」を生かし生き生きと輝かしい人生を送っていらっしゃる方もいることを知って、「性」って何だろうと考えるきっかけになりました。今では、女性差別は少なくなったけれど、まだまだ「性」に関する問題は世の中にたくさんあると思っています。だから、私はこれからの人生を歩んでいくうえで、自分の考えだけにこだわったりするのではなく、広い視野を持って判断できる女性になりたいと思いました。

*将来がある私たちには、過去を学ぶ義務があります。自分自身のこと、自分の国のこと、世界のことについて視野を広げて、全体の中から客観的にものを見ることも時には大切です。それを踏まえて、自分がどうあるべきかということを考えて自分で自分の人生を作り出すことができるからです。自分の意見を表すことによって他者からの理解や意見をもらい、自分の姿が作り出されると思います。

次回は、宗教の授業について紹介いたします。

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