2013年5月|聖カピタニオ女子高等学校|豊かな人間性を持つために

「2013年05月」の記事

生徒の想いは・・・。

創立50周年記念式典も無事終え、先週は中間テストが行われました。テスト期間中の私の仕事は、生徒たちの宗教のノートを読みコメントを書くことです。ノートに書かれている感想を読むと、初めて宗教という授業を受けた戸惑いや安心感を持った様子が伝わってきました。聖書を読み、お話をただひたすら聞く授業と思っていたのと違っていた、という思いでした。生徒たちの創立記念日に参加した感想をお伝えします。

 

入学間もない1年生は、式典で合唱するイタリア語の「ラ・カリタ」を覚えることから始まりました。約1か月で聖歌やミサ曲を歌いこまなければならず、音楽科の教員は時間を見つけて一生懸命に指導していました。その熱意が生徒たちに伝わり、疲れた様子を見せず一生懸命に練習している姿を見て、私は式典の当日、素晴らしい合唱が聴けると確信しました。生徒たちも当日の2年生、3年生、聖歌隊の美しい歌声を聴き、その歌声に合わせて今まで以上に歌いきった達成感で、これまでの練習の疲れが報われたと感想を述べていました。

 

また、感謝ミサに与かるのも初めての体験。ローマ教皇庁大司教様や名古屋教区の司教様の姿を見て圧倒されていました。会場の人たちが心を合わせて祈る素晴らしさ、会場が愛に包まれた瞬間だと感じたそうです。生徒にとってミサは外国の祈り方というイメージを持っていたらしく、会場には外国の方々の姿も見られたり、挨拶の仕方も外国式だったので、日本にいながら外国にいる感じを受けたそうです(笑)。本校に入学したから味わえた体験だと満足し、50周年の節目に入学できたことを感謝していました。

 

創立記念日を祝った後、中学校へお花を届けに生徒たちは出かけていきました。中学校の先生方に暖かく迎えていただき、生徒たちは高校の様子を話し感謝の気持ちをきちんと伝えることができました。中学時代の自分とお別れできた生徒もいれば中学時代に戻りたくなった生徒もいました。中学の先生方から「大人っぽくなったね。応援しているよ。」と言われ、愛情をかけてもらっている自分の存在と中学校のよさを再発見できた日になりました。

 

 

 

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時間を超えて生き続けるもの

 

5月14日、本校は創立50周年を迎えることができました。50周年のありのままの姿を見ていただきたく、施設が不十分なことを承知で式典並びに感謝ミサは、本校のカリタスホームで行うことにしました。この日を迎えることができましたのも、教職員と生徒たちのおかげです。そして、私たちの目に見えないところで私たちを支えてくださっている多くの方々のおかげです。この多くの方々のおかげで、私たちは50年間学校の日々の営みを続けることができたのです。この世に存在している生徒たち一人ひとりは、神様から使命をもらっています。生徒に寄り添いながら、生徒たちが自分の使命を見つけ社会に貢献できる女性になっていく事を手助けできる喜び—-。その喜びを感じられた瞬間でした。

 

1803年北イタリアのローベレで生を受けたバルトロメア・カピタニオは、自分が生まれてきたことの使命に忠実に生きていきました。その結果、全世界20か国で聖女の遺志が奉仕の形で脈々と受け継がれています。その種がイタリアを遠く離れた日本でも実を結んでいるとは、聖女自身考えもしなかったことでしょう。神様のなさることは、人間の考えをはるかに超えていますね(笑)。

 

創立記念日当日は、生徒たちのおもてなしの心が校内に溢れていました。式典のステージは、50本のユリで本校の歴史を表し、緞帳が上がるとそこには校舎が建設される前の青々とした高嶺山をイメージできるように緑を多く配しました。クラスの宗教委員の手によって捧げられた色とりどりの花は、生徒たちを表しています。校舎にいのちを与えるのは、生徒たち一人ひとりです。さまざまな花で飾られたステージに更にいのちを与えてくれたのは、生徒たちの歌声でした。歌声が一つになり会場の人たちを温かく包み込んでくれ、一人ひとりの心に神の愛が注がれたように感じました。まさにカリタスホームに大輪の愛の花が咲き誇り、カリタスホームの屋根や壁を吹き飛ばしそうな迫力を感じました(笑)。

 

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「一粒の麦」の生き方の模範を見せてくださった聖バルトロメア・カピタニオに倣い、私たちは聖女の遺志を継ぎながら学校に新たなページを作り続けていきます。時代は変化していきますが、その中でカピタニオ生たちは変わらない愛の奉仕を社会で生き続けていくことでしょう。

 

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花に囲まれた校舎

 

さわやかな5月になり、4月の温かな日のおかげで、校舎の周りのつつじや花壇の花が満開になりました。花々に囲まれた校舎で生活できるのは、定期的に花壇のお世話をして、私たちの心をなごませてくださる方のおかげです。

 

 

 


先日、卒業生が学校を訪れ、近況報告をしてくれました。その話の中で彼女は、次のように話してくれました。「書店の店頭に置いてあった本を、手にとって中を見たら心を打つお話だったので買いました。本の題名は『置かれた場所で咲きなさい』シスター渡辺和子さんの本でした。私がこの学校でシスターに出会っていたから、シスターに興味を持ったのでしょうね。」そして、「とってもいい本だったから、読んだらいいよ。」と一緒に来た級友にも勧めていました。

本の“はじめに”のところに書かれていた「咲くということは、仕方がないと諦めるのではなく、笑顔で生き、周囲の人々も幸せにすることなのです」(P.3)の1文が心に留まりました。校舎の周りに咲いている花たちは、こんな気持ちで咲いていると思うと愛おしくなりました。そして、この学び舎で過ごしている生徒たちも、この花たちのように周囲を幸せにできる生き方を学んでいってほしいと願っています。

 

 

 

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