「2013年10月」の記事
公開講座「母として女性として生きるために」第2回
10月18日(金)13時30分?15時、第2回の公開講座を開きました。今回のテーマは、「女性史?女子力を見習おう?」でした。今回は町内の回覧板を見て参加してくださった方々もあり、学びの輪が徐々に広がっていることを感じました。年齢も70歳代から30歳代とバライティーに富み、お互いに学び合いの場になりました。
参加者の年齢がバラエティに富んでいたので、60歳代、50歳代、40歳代、30歳代に分かれ、各時代に受けた女子教育「結婚はいつまで、女子は○○であるべき等」について話し合ってもらいました。受けた教育の背景には、社会の情勢も反映されていることに気づかされました。 次に、明治から昭和にかけて活躍した女性たち6人について学びました。どの女性も自分が体験した苦しみや辛さから学んだ事を、同じ苦しみを味わっている女性たちの為に社会の仕組みを変えた生き方をなさり、現代の私たちの生き方に影響を与えていることを再確認しました。 参加した人たちの感想を抜粋します。
- 若い人たちの意見、違いが聞けて、考えがよくわかりました。(60歳代)
- 多くに気づきをもらい、とても良い時間でした。(60歳代) ・知識が広がって、勉強になりました。もしかしたら、こんな自分でも社会を変えれることができるかも・・・・という可能性を秘めた人間だ!!かも??と感じました。(40歳代)
- 色々な年代の方の話が聞けて、楽しかったです。本当の意味で“男女平等”な世界になるといいかなあと思いました。(40歳代)
- 私自身結婚して以来、夫のこと、子どものこと、家のことを中心に過ごしてきました。自分のことは、いつも後回し・・・。当たり前のようにしてきましたが、女性の役割、女性の立場はいろいろあるのだと改めて考えました。順応性のある女性ならではの生き方を見つけ、これからも女性であることを楽しみたいです。(40歳代)
- 女性の意識の移り変わりは、年代別に分かれると、とても具体的に変化していることがわかり、面白かったです。(40歳代)
- 今の「当たり前」が先人の方々の努力によって成されたという事を痛感しました。大きな事は出来なくても、まずは家庭から差別のない生き方をしてゆけたらと思いました。(40歳代)
前半の世代別意見交換も楽しかったですし、活躍した日本人女性の紹介も勉強になりました。小学校のボランティアで、今日聞いた女性の話をしたいと思います。(40歳代) ・いつもあまり考えていなかった女性の立場について考える機会になりました。・・・これからの子どもたちに伝えたいことがたくさんあり、とても勉強になりました。“男女平等”っていいことも、そうでないこともたくさんあると思います。立場によってものの見方は変わるので、難しいなと思うこともよくあります。(40歳代)
- 女性とは、国、時代、政治、経済状況によって生き方が翻弄されるものだと思いました。60歳の方のお話を聞いて、私たち40歳代は、まだ選択肢があり幸せなのかなと思いました。でも逆に、30歳代の方は経済状況の変化で、結婚=安定ではなく資格獲得や自立の意識が高いので、違う意味で強いと思いました。(40歳代)
- 改めてジェンダーについて考えさせられました。ちょうど子供も生まれ、自分の子にも知らず知らずのうちに自分の持つ女性観を伝えることになるので、深く考えてみる必要があると感じた。(30歳代)
- 私たち女性は、柔軟な力を持っている気がします。色々な時代の問題はありますが、私は女として生きることがとても楽しいです。特に、子どもを産んでから。人生楽しみます。(30歳代)
今回、前半を話し合いの時間にしました。その時代時代の女子教育のやり方は、国の方針も反映されていたり、バブル崩壊後の女性たちの就職難もあり、女性も資格を取って社会で働かなければならない状況だったりしたことが話されて、生の声を聴く良い機会になりました。次回も、このような話し合いの場を設定したいと思いました。 時代は一人ひとりの生き方が作っていることを自覚し、過去の女性の生き方の流れの中で、今私たちが生きて未来の女性の生き方に続く流れの中で各自の生が営まれていると考えると、各自の人生観も変わってくるのではないでしょうか。
誰かの為に・・・
本校創立50周年学園祭生徒会企画の講師として、北京オリンピックのシンクロに出場された石黒由美子さんをお迎えしました。石黒さんは小学2年生の時交通事故に遭われ、顔の表面を500針以上、口の中を200針以上縫う大変な怪我をなさいました。その石黒さんが北京オリンピック出場に至るまでの、現実をしっかり受け止めてこられた過程を、笑顔でユーモアを交えながら私たちに話してくださいました。あれだけの事故に遭いながら常に前向きで生きてこられた一つの大きな要因は、お母様の存在の大きさだと思いました。娘の可能性を信じ、娘と共に歩む生き方のお話を伺いながら、私自身が日頃関わっている生徒たちの関わり方を考えさせられました。無償の愛が由美子さんに注がれているから自分を大切にし、「誰かのために頑張る」ことができ、目の前にいる人を大切にする生き方が出来ることを教えていただきました。生徒たちも石黒さんからたくさんのメッセージをもらいました。以下、生徒たちの感想を抜粋します。
石黒さんが今まで経験したことに比べたら、今私達が悩んでいることは本当に小さいことなんだなと思いました。少し考え方や捉え方を変えるだけで気持ちも楽になるし、ポジティブになれることがわかりました。また、どんなに辛くても諦めないことがどれだけ大切な事かも思い知らされました。(1年生)
- 由美子さんが前向きに夢を追いかけ、由美子さんのお母さんが全力でサポートしている姿を見て、由美子さんの弟妹は自分たちも誰かの為になることをしようと思ったのだと思います。石黒さんのご家庭は、本当に幸せな家庭だと思います。お金がなくてもそれぞれ一人ひとりが家族のために頑張っていて、これこそ理想の家庭だと思いました。私も由美子さんのお母さんのような立派な母になり、素敵な家庭を築きたいと思います。(1年生)
- 自分の可能性を信じて生きていきたいと思いました。病気というものに振り回されずに、自分のやりたい、叶えたいことをしていくという生き方があるんだと思いました。私も周りにいる私を支えてくださる方々、関わった全ての人々に感謝し、一人でいきているんじゃないという事を忘れないようにしたいと思いました。(1年生)
- 石黒さんは大変な事故に遭われたのに、あんなに明るく生き生きとして凄いなと思いました。その明るさは、お母さんのお陰もあると思います。「楽しい家族です」と言っていらっしゃいましたが、今日の石黒さんを見て本当に楽しく過ごしているんだなあと改めて感じました。・・・自分の夢の為にできなかった勉強を頑張って夢を実現することができた石黒さんを尊敬します。(2年生)
- 石黒由美子さんのお話を聞いて、今まで辛いことや大変なことがあったけれど、その中で努力して掴んだ幸せがあることを知りました。・・・・私が今悩んでいること、困っていることは石黒由美子さんに比べればどうってことなく、むしろ見方や、やり方を変えていけば解決できることを学びました。そして、その解決できることをいつも支えてくれているのは、親(家族)だという事を忘れないことも大切だという事も学びました。(2年生)
- 石黒由美子さんの前向きな考え方は、素敵だなと思いました。誰もが辛いと思ってしまうことでも、明るさで幸せに楽しく変えられるなんて驚きました。あそこまで人生を楽しめる人はそういないのではないかと思います。夢をあきらめないで、大学に進学したり、オリンピックに出たりするのは、不可能ではないのだと思い、やる気というか勇気が出た気がします。(2年生)
- 私は一つ嫌なことがあると、全て悪い方向に考えてしまう事があります。どんなに小さなことでも、とにかく気にしすぎてしまって、その日一日中嫌な気持ちで過ごす・・・という事がほとんどです。石黒さんがおっしゃった「人生は明るく過ごさないと損だ」という言葉が心に残りました。私はどんな些細な事でも悪い方向に考えてしまうのが癖になっているのだと思いました。・・・・一日を楽しくするのは、全て明るく考え、石黒さんのように自分の意志と夢を持ち続けていく事だと思いました。(3年生)
- 石黒さんのお話で何度も出てきた「夢ノート」とても素敵なものだなと感じました。「ありがとうございます」という感謝の気持ちを込めて赤線を引いていく、凄いなぁ、私にもできるかなぁと思って早速作ってみました。また、石黒さんのお母さんのお話、家族って本当に大きいなと感じました。温かい家庭は、ものすごく安心できます。私にももちろんあります。とっても大好きな家族です。(3年生)
- 石黒さんはどうしてあんなに笑顔でいられるのでしょう。それは、石黒さんのおっしゃっていた通り、周りの人たちの支えがあったからだと思います。それを聞いて、やっぱり人間は一人では生きていけないと改めて気づかされました。私も家族や友達にすごく助けられているし、私もその人たちの支えになれたらいいなと思いました。石黒さんは奇跡をたくさん積み重ねてきました。一生懸命な気持ちがあれば、その人が頑張っていれば、私も奇跡って起こすことができるんじゃないかと感じました。また、石黒さんは辛い経験をしたからこそ他人の痛みがわかるとおっしゃっていました。まさにそうだと思います。私も自分の味わってきた苦しみを忘れず、他人の痛みに寄り添えるような優しい人間になりたいと思いました。(3年生)
今回の講演会で、石黒さんと出会いお話を聞くことによって、幸せになるヒントをたくさんいただきました。「心を変えると世界が変わる」というメッセージ、5年先の自分、10年先の自分をイメージしながら今何をしなければならないか自主的に生きる「夢ノート」を多くの生徒たちが作ってくれることを願いました。