2013年12月|聖カピタニオ女子高等学校|豊かな人間性を持つために

「2013年12月」の記事

神の祝福が皆様に!

1年の締めくくりの紅白歌合戦とまではいきませんが、12月19日本校の音楽会が行われました。今年の歌声を聴いていると、歌詞に共通の言葉は、「道」と「希望」のように感じました。各クラスの前向きな生き方が、歌詞に表わされていたように思いました。お互いの声を聴き合いながら、自分の声を調節して一つのハーモニーを創り出していく合唱は、一人ひとりの心を一つにしてくれますね。

行事が盛りだくさんある2学期の締めくくりは、クリスマスミサです。今年も刈谷カトリック教会主任司祭フィリップ神父様に、ミサの司式をしていただきました。ステージは、モミの木とオーナメントを使用したオブジェでシンプルにそして上品に飾り付けました(笑)。ステージの準備は、教員が協力しながら飾りつけをします。まさに生徒たちへのプレゼントですね。

フィリップ神父様からユーモアたっぷりのお話の中で、今年は次のようなクリスマスメッセージをいただきました。

「・・・・人を愛した経験や、平和になった経験がある人は、人を愛することができるし平和を作ることができる。そして、今自分が選んで歩いている道は、好きだから今の生き方をしているのであって、どうしようもなかったから、これしかなかったからと生きているのではない。愛することは『信じること』『与えること』『許すこと』である。私たちに叶えられない夢はない。人間には何もできないことはない。それをイエスが私たちに教えてくださった。強い人とは、どんなことにも耐えられる人、自分に自信を持っている人であることをイエスは私たちに教えてくれたし、そのような生き方ができるように力を与えてくれた。」神父様は例えを使って次のように話してくださいました。「一人の絵描きが世界で一番綺麗なものを描きたくて考えていた。世界で一番綺麗なものは『希望』と思ったけれど、それをどのように表現すればいいか考えながら歩いていた。すると娘に出会った。娘は、世界で一番綺麗なものは『愛』と答えた。次に出会ったのは兵士だった。兵士は、世界で一番綺麗なものは『平和』と答えた。絵描きは全ての答えが抽象的なので、どのように描けばいいのか困り果てて帰路についた。玄関を開けると、可愛い孫が飛びついてきた。そして家族そろって夕食を食べている時に、絵描きは世界で一番綺麗なものは『家族』であることに気づいた。家族の中で私たちは『愛』『平和』『希望』を体験している。私たちにとって生きるために大切な場所は『家族』である。」とお話をしてくださいました。

ミサの終わりに歌う恒例の「ハレルヤコーラス」は、各学年の声が1つになり3部合唱の美しい響きとなって私たちにクリスマスの喜びを伝えてくれました。

今年は創立50周年の記念すべき年でした。各行事で合唱している曲は、シスターカテリーナ(イタリア人)が生徒たちに教えてくださったものです。その曲を歌うことが本校の伝統になっています。シスターカテリーナ(享年92歳)は、長い闘病生活の末11月にイタリアで帰天なさいました。私たちの歌声はきっと天国のシスターのところに届いたと思います。

マリア像前に作られる馬小屋(イエス・キリスト誕生場面)は、イタリア風の家に作り上げられました。毎年、社会で必要としている人々のためにと、お米や下着類など心温まる品物が、馬小屋のクリスマスボックスに入れてあります。その中に毎年のように文房具類を入れてくださる方があり、1年間準備してくださっている様子が伝わってきます。この文房具類は児童養護施設に、その他の品物はホームレスを支援している所に、それぞれ贈らせていただいてクリスマスの喜びを分かちあっております。

今年も本校は、たくさんの方々に協力、支援をいただきました。心より感謝申し上げます。新しい年、皆様の上に神様の祝福が豊かにありますように、お祈り申し上げます。

ページの先頭へ戻る

奉仕活動で得た宝物

今年初めて奉仕活動をさせていただいた1年生の感想を抜粋して、分かち合いたいと思います。

【保育園・幼稚園】

・2日間活動をさせていただいた私は、子どもたちからたくさんの事を学びました。私は小さい子が好きでお世話好きだし、“してあげる”と始めは思うこともありましたが、活動をしていくうちに子どもからとても良い時間をもらう事ができました。無邪気で笑顔で一緒に遊んでくれて「楽しい?」と言ってくれた時、本当に素直に心から「すっごく楽しいよ!!」と笑顔で答えることができました。・・・・人のために何かをすることがこんなにも楽しくやりがいがあって、本当に良い経験をさせていただきました。

・・・・倉庫の整理をしていた時、こんなにたくさんの思い出が倉庫に眠っていたんだなぁと思ったら、なんだかワクワクするような気持ちになりました。子どもたちとの触れ合いは、すっごく楽しいものだと思っていたけれど、子どもたちが元気すぎて怖かったです。自分も保育園でこんな感じで迷惑をかけていたんだと思い、なんだか恥ずかしくなりました。2日目に屋根の落ち葉を払い落とす作業をした時、学校の落ち葉を毎朝掃いているおじさんに感謝したいと思いました。私はこの2日間で、身の回りにいろんな形の愛があることを知りました。私もその人たちみたいに、愛を返していきたいと思いました。

【病院】

・・・・私たちは簡単な仕事だけをさせていただいて楽だったけれど、患者さんの全てをしてあげる看護師さんやヘルパーさんは、トイレにいく事やお茶を飲む暇もなく忙しそうだったので、仕事をすることって、こんなに大変でえらいことなんだと実感できました。・・・・看護師さんやヘルパーさんが患者さんと触れ合っている時、病気で痛かったり苦しかったりしているだろうに、お互いが自然と笑顔になっているのが印象的でした。こういう事が起こるのは、看護師やヘルパーと患者との間に大きな絆があって、その絆の中で「Love’s ?Power」愛の能力が生まれるんじゃないかと考えました。

・・・・私は車椅子がなくても歩けるし、誰かに手伝ってもらわなくてもお風呂に入れるし、点滴もいらないし、リハビリもなく叫びたくなるくらい辛いこともありません。でも、それは当たり前じゃないんだと思いました。人は支え合っていかないと生きていけないんだなぁと思いました。・・・・これからも、当たり前にできることを当たり前にできると思わずに過ごしていきたいと思いました。

【施設関係】

・私は障がい者施設に行きました。最初はどうしていいかわからず、戸惑ってしまいただ立っているだけでした。しかし、利用者さんが話しかけてくださり、そのお陰で自分から話しかけることができるようになりました。話をしている時、利用者さんはとてもキラキラした笑顔で話していたので、私も自然と心が落ち着いて、最初の戸惑っていた時間がなんだったのだろう?と思えてきました。今回の体験を通して、私がとても心に残ったことは、自分たちは本当に心から笑っているのかなと利用者さんと話していて気づかされました。

・最初は「どんな人たちが居るのかな?」とか、「うまく意思が通じなかったらどうしよう」などと不安な気持ちでいっぱいでした。・・・・作業中、私は肩が痛くなって肩をほぐしていたら、○○さんが「無理しんくても大丈夫!」と一言声をかけてくれて、私は「障がいを持っている人が、こんなにも優しい気持ちがあるんだなぁ」って改めて気づくことができました。2日間決して楽しいことばかりでなく、時には目をそらしたくなるなることもありましたが、自分の心の弱さを教えられました。もっと人の気持ちを考えて、すばやく行動に移すことができる強い女性になりたいと思いました。その思いに気づかせてくれた施設の方々全ての人たちに感謝の気持ちでいっぱいです。

【校内作業】

・私はどこに行っても自分から動くという事が大切だなぁと改めて感じました。一つの作業が終わったら、自分から何かやることがないのかを聞いたり、作業が進んでいないところを探したり、自分から動くことをしないといけないと思いました。・・・・自分から動くという事は困っている人に気づくことができ、そして行動することなので、奉仕活動をした時だけでなく、普段からよく周囲を見て困っている人がいたら助けてあげられるようになりたいと思います。

・・・・自分は友達の為だとか家族の為なら頑張れるとは思っていたけれど、他人の為にも頑張れるんだと気づくことができました。自分の事が前よりももっと知れて嬉しいです。作業中、このエプロンを使ってくれる人の事を考えながら作業ができたと思います。・・・・普段食べている物や使っている物だって、誰かによって作られていると考えたら、自分はたくさんの人に支えられていることに気づくことができました。

・・・・自分が行ったことに対して、目に見える見返りはないけれど、きっとこれで誰かが少しでも幸せになると信じて、一生懸命に活動することに意味があるのだという事に気づきました。

 

2日間行なわせていただいた奉仕活動の感想文を読むと、ある哲学者の言葉、「人間は白紙の状態で生まれる」という言葉が思い出されました。人は経験によっていろいろ学んでいきます。奉仕活動を通して、生徒たちは出会った人との関わりのお陰で、「本当の喜び」を体験したことでしょう。「本当の喜び」は、人との関わりによってしか得ることができませんね。

 

ページの先頭へ戻る

「させていただく心」

12月25日は、主のご降誕をお祝いします。主のご降誕を祝うために、「待降節」という4週間行なう心の準備期間があります。この期間に、本校は毎年奉仕活動を行っています。今年は12月5日と6日に保育園、病院、障がい者の施設、老人ホーム、教会など、日ごろお世話になっている地域の施設、校内作業(馬小屋、エプロン作り、イルミネーション、クリスマスカード、花壇整備)に取り組みました。3年生の一部は、1日目募金活動に参加し、2日目は校内清掃に取り組みました。

校舎の中で日頃掃除をしない場所を、生徒たちは一生懸命に掃除していました。雑巾が真っ黒になるまで拭き掃除をし、「真っ黒になった!」と歓声を上げていました。校庭に落ちている落ち葉を黙々と掃いている生徒たち、イルミネーションの図案を考えている生徒たち、エプロン作りを分担で行っている生徒たち、クリスマスカードを受け取る子どもたちのことを考えてカードを作っている生徒たち、馬小屋を仕上げようと必死になって絵の具を塗っている生徒たち、どの生徒たちの顔も充実した表情をしていました。「自分のためにすると疲れるが、他者の幸せのためにすると喜びが込み上げてくる」とおっしゃった石黒由美子さん(学園祭の講演者)の言葉が思い出されました。

施設に出かけていった生徒たちも、同じように感じたことでしょう。私たちが何か人の為にすると、「してあげた」という気持ちになり、相手の出方で喜んだり怒れたりします。しかし、「させていただく心」を持って何かすると、相手の出方に自分の心が左右されず、自分自身の心の奥から喜びがジワっと込みあげてくる体験をします。この2日間生徒たちが味わったことを、神様が人々の幸せのために使ってくださり、クリスマスの日人々の心に平和と喜びが与えられるようにお祈りします。

本校の奉仕活動にご協力いただいた皆様方に、感謝申し上げます。

 

 

 

 

 

ページの先頭へ戻る