2014年4月|聖カピタニオ女子高等学校|豊かな人間性を持つために

「2014年04月」の記事

イタリアの聖なるパワー

第7回イタリア研修旅行を、3月21日?30日に実施しました。今回は24名の生徒が参加し、井上先生と共に実りのある旅行をすることができました。この旅行の大きな目的は、本校の設置母体である幼き聖マリア修道会を創立した聖バルトロメア・カピタニオと聖ヴィンチェンツァ・ジェローザの生誕地ローベレを訪れ、本校の精神を深めることとイタリアの世界遺産やキリスト教文化に触れることです。10日間の印象的な出来事をピックアップして紹介します。

 

3月21日(金)の朝11時55分中部国際空港を出発し、ヘルシンキで乗り換え、ローマに到着したのは同日の20時半ごろ。ヘルシンキからの乗客の中にイタリア人の乗客の姿が見え、ローマのダヴィンチ空港に無事着陸した時には機内に拍手が起こりました。さすがイタリア人の思いやりと温かさ!と感動しました。

22日(土)小雨がパラつく中、バチカン博物館を訪れ、システィーナ礼拝堂の「最後の審判」の絵を見て私たちは感動しました。絵の中央に描いてある2人の天使が手に持っているノートのどちら(天国か地獄か)に自分の名前が書かれているのか、しばし自分の生き方を考えさせられる時間を持つことができました。午後は、ローマの街の観光。コロッセオ、フォロ・ロマーノを訪れていた時は晴れていましたが、トレビの泉に向かった頃には小雨模様。肌寒く震えながらもジェラートはしっかり食べていました(笑)。大勢の人だかりの中、生徒たちは再びローマを訪れるようにコインを泉に投げ込んでいました。

23日(日)今日もローマは雨。でも私たちが宿泊している修道院から出発すると雨も止んでくれました。9時に行なわれるサン・ピエトロ寺院のごミサに参加した生徒たちは各国の人たちの祈る姿を見て、「本物のミサに参加して感動!」と興奮状態。一旦修道院に戻り、今度は12時の教皇様のお告げの祈りのお話を聞くために再びサン・ピエトロ寺院広場に出かけていきました。広場には横断幕をもった人たちやおそろいのスカーフを持った人々が教皇様からひと目で見えるようにと工夫を凝らして続々と集まってきました。フランチェスコ教皇様の人気ぶりが肌で感じられました。私たちは人々の隙間をぬいながら、空間を見つけ陣取りました(この場所は神様が私達のために準備してくださっていたことは後でわかりました)。雨も上がり日差しが差し始めた12時。教皇様が窓から姿を見せられた時の大歓声!教皇様のお話が終わり、巡礼団の名前を読み上げられ3番目に、私たちの学校の名前を聞いた時の私たちの大興奮。その小さな群れである私たちの様子が、まさかTVで映し出されているとは思いませんでした。目立つ物を何も持たない私たちの存在が日本からの集団であることがどうしてカメラマンに分かったのか、今も不思議です。生徒たちも言っていましたが、まさに神様からの贈り物でしたね。日本の小さな学校が、この時は世界のカピタニオ女子高校になった瞬間でした。

24日(月)フィレンツェに立ち寄り、ヴェネツィアの宿へ。翌日1日ヴェネツィアの街を歩きました。水の都ヴェネツィアは生徒たちにとって大好きな街になりました。

 

26日(水)は最後の訪問地ミラノに向かいました。ミラノのドゥオモの尖塔にあるカピタニオ像を見て、今更ながらカピタニオの偉大さに畏敬の念をもったようです。27日(木)カピタニオの故郷、ローベレを訪れました。シスターたちの温かいおもてなしに、家に帰ってきたような表情をしていました。カピタニオがいつも祈っていた教会で、校歌を全員で歌った時の感動。カピタニオ自身、遠い日本から生徒たちが訪ねに来てくれるとは思ってもみなかったでしょう。まさしく神様の御業であることに、本校の存在の原点と意義を再発見しました。カピタニオ達も歩いた石畳を歩きながら、生徒たちにとってカピタニオの存在がさらに近くなったようです。生徒たちはローベレの街を自由に歩きながら、街の人たちと交流を深めていました。

28日(金)午前は、本校の姉妹校モンツァの学校を訪問。午後は、幼き聖マリア修道会の本部の敷地内にあるマリアバンビーナの記念聖堂で、家族、学校のためにお祈りを捧げました。本部でもシスターたちが私たちのためにおやつを準備してくださり、イタリアのお菓子を頂きました。その後、イタリア研修で気づいたことを分かち合いました。

 

  • イタリアを訪れ、祈りの大切さを学んだ。自分がたくさんの人たちに支えられていることを、色々なところで感じ感謝できる人になりたいと思った。
  • キリストが十字架にかけられた時の釘やキリストの遺体を包んでいた布の話を聞いて、キリストは本当に存在していたことがわかった。
  • イタリア人はイタリアの国に対して誇りを持っているのを見て、自分は日本の国について誇りを持っているか考えさせられた。だから、外国を学ぶ前に、自国のことを学びたいと思った。
  • 私はすぐ「疲れた!」と口に出していた。シスターから「自分に強くなってください」と言われ、自分のことで精一杯だったけれど、周りを見るようになり、周りの人のことを祈ることができるようになってきて、自分が強くなれた。
  • 学校で祈っていた朝、夕の祈りでは自分の事ばかり考えて祈っていた弱い自分に気づけた。これからは周りの人たちのために祈りたいと思ったし、自分を律することの大切さを学んだ。
  • カトリックの学校に来て、キリストの存在に触れてキリストに対して距離が近くなった。自分を受け入れてくれる大きな存在に気づかされた。ローベレでパワーをもらった。
  • 自分のことを大切にしたいと思えた。その出発点がお祈りであることに気づけた。家族、添乗員さん、先生たちのお陰でこうして旅行ができる事に感謝の気持ちが心から湧いてきた。
  • カピタニオ高校に入って本当に良かった。凄い学校に入学したと思えた。キリスト教に対する見方が変わったし、キリストを身近に感じられるようになった。
  • カピタニオの存在が身近に感じられたし、ジェローザの遺体を見て、とても身近に感じられた。ジェローザがカピタニオの遺志を継いでくれなければ、私はここにいなかったと思うと、不思議な気持ちになった。カピタニオのように人の役に立ちたいと思った。
  • イタリアに来たのは何か意味があった。偶然ではなく、何か私の中で変わったように感じる。特に自分の信仰が変わった。この体験を無駄にせずに生きていきたい。
  • 貴重な体験をした。1つは人々が教会へ行って祈ることは、日本ではアウェイ。イタリアは逆だった。2つ目は、シスターたちの祈りの姿勢に感動した。私の祈りは神様任せだったけれど、自分自身も何をすべきかという事に気づいた。3つ目は、医療はカトリックと関わりがあるので、将来看護師の道を歩む私にとって、看護師の在り方を考えることができた。

 

まだほかにたくさんの気づきがありましたが、ほとんどの生徒たちが、両親がイタリア研修に参加させてくれたことへの感謝と祈りの大切さに気づいていました。お金では買えない目に見えない、生きる力をもらった10日間の短い期間でしたが、生徒たちが日に日に成長していく姿を見て、イタリアの国のパワーを感じました。やはり神様は私たち一人ひとりの事を考え導いてくださっていることを確信し、生徒たちが本当の幸せを見つけるきっかけになってほしいと願わずにはおれませんでした。生徒たちと一緒にいると、いつもながらイタリアの人たちから生徒たちの行儀のよさ、品格のよさを褒めてもらいます。ホテルでも生徒たちに快く飲み物をサービスしてくださり、私自身鼻高々な気分になりました(親ばかですね。笑)。生徒たちと共に過ごせた10日間に感謝いたします。私にとっても意味深い旅行になりました。

 

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