「2014年06月」の記事
心の目が開かれた3日間
入学して2か月が過ぎた1年生は、6月11日?13日「つま恋」で修養会を行いました。生徒たちにとって想像もできない行事。期待と不安な面持ちでバスに乗り込み、修養会が始まりました。「目に見えないものを見ることができるのは、人間だけ」とお話しなさった止揚学園の福井先生や西神父様。スクールカウンセラーの平田先生から「怒りのコントロール」のワークを受け、気持ちを静める方法を学び生徒たちは早速実践していました。生徒たちの感想を抜粋します。
- 今までテストの順位を上げたいなど、勝つことを目標にしていたが、勉強は“自分が人間になるため。人の見えない部分が見えるようになるため”という事を教えていただき感動した。
- 私は「自分を認める」という言葉を聞いて、私はいつも「自分は○○だから」など否定的な事を言っています。なので、自分を認めて、「これが今の自分なんだ」と気づくことがとても大切だと思いました。お祈りをすることで「感謝する心」を持つことができ、みんなと団結できてよかったし、何よりも家族に感謝したいと思う事ができました。また、いつも私はお母さんを怒らせてしまい「うっとーしい」とか「うるさい」と思っていましたが、怒りのコントロールの話を聞いて、凄く悪いことをしたと思いました。
- 「思いやりを身につけるとき、人間は人間になる」と福井先生はおっしゃっていましたが、先生は毎日のように周りの人たちから勉強しているのだと思いました。西神父様と福井先生の話に共通して出てきた言葉は、「目に見えないもの」でした。「目に見えるものよりも、目に見えないものを大切にしなさい。」とおっしゃいました。それはおそらくお金や価値あるものより、人と人との間、人の愛を大切にしなさい・・・と言っているのだと思いました。
- 西神父様のお話から、親の大切さを学びました。交換条件なしで人間関係の最初が親ということを日常生活で考えたことがなかったので、いつも親がご飯を作ってくれて当たり前、親が物を買ってくれるのは当たり前だと思っていました。でも、お話を聞いて「当たり前ではない」きちんと感謝しなければならないことなんだと気づきました。
「見えないものが見える人、見えるものしか見えない人」。私は目の前の事だけでいっぱいで「見えないものを見よう」とすることはありませんでした。でも今の私の中では、少し違います。見えないものを見える人に、人を悲しませないように、愛を受けた人に愛をかえし、いつも毒ばかりを吐いていた私を育ててくれた父、母にも感謝です。自分の心が少しずつ開き、光が入るようになりました。
- 私は『ゆっくり歩いて、人のことを思いやる優しい心を持つ』という言葉に心が打たれました。この言葉を聞いて、いつも忙しくしていてはダメだなと思いました。心が落ち着いているから自分の事だけではなく、人のことまで気を配れるんだと思いました。私はたまにイライラして人のことまで気を配れない時があります。なので、その時は深呼吸をして落ち着いいて周りを見て動きたいと思いました。
- 2日目のワークショップでは、自分のことについて考えることができました。小さい頃の自分を思い返す機会などがあまりないので、すごくいい時間でした。怒りについてのワークでは怒りを人にぶつけないことを学びました。今までなるべく怒らないように自分の気持ちを抑えつけてしまう事がありましたが、ワークを受けて「怒ることは悪いことではないし自分の感情なので、しょうがないこと。でも、それを人にぶつけてはいけない」という事を学んで、気持ちが少し楽になりました。
生徒の感想文を読むと、「携帯が使えない、テレビは見ちゃダメ、お菓子は持っていってはいけない」と今ときの高校生にとって辛い条件が出され、行きたくないと思っていたことが伝わってきました。しかし、3日間を友人たちと過ごし、顔と顔を合わせて話すことがどんなに楽しいことなのか心から感じたようです。また、人間は目に見えないものを見る力を持っている優しい心があることに気づき、自分自身を違う角度から見れるようになり、自分を大切にすることを学んだようです。たったの3日間でしたが、各自の心の中に人として生きるための宝物がしっかりと入ったようです。これからの学校生活を通じて、折れそうになったり、辛い時、心の中にある宝物の存在に気づいていって欲しいと思いました。
平成26年度 第1回公開講座を開きました。
今年度は、「関わり方」についてワークを通して、各自気づく内容で実施することにしました。第1回目は、「きく」ワークを行ないました。語り手、聞き手、観察者の役割で、3人一組になり決められたテーマにそって話し合いました。グループは、見知らぬ人と年齢も違う人とグループを作る条件で作ってもらいましたが、「私、見知らぬ人と話せないわ」「緊張しちゃう」と各自の緊張度を、言葉にして発していらっしゃいました。ほほえましいひと時でした。
いざ、各グループでワークが始まると、和気あいあいと旧知の友のように語り始めて、先程の緊張感はどこへ行ったかという感じでした(笑)。ワークを通じて、それぞれが気づいたものは大きかったようです。その気づきを抜粋いたします。
- 会話をしていて、お話してくださる方の質問、話題を展開しないで、一つのテーマで確認、まとめをするということが、実は難しいんだなぁと驚きました。
- 普段忙しさの中、子どもたちの話をしっかり最後まで聞いてあげることができない中、今日のように初対面のメンバーの方とお話をしっかり聞くことで、もっと自分も話したい、相手のことを知りたいと思う時間を過ごせました。人が生きていく上で、人とのコミュニケーションの大切さや、関わり方が大切だと気づく時間でもありました。
- 初対面の方とお話しすることは、緊張してしっかり自分の話が伝えられたか不安でしたが、人の話を聞くことで、自分の考えていることを見つめ直すことができると感じました。
- 話をするのが苦手なので、どんなふうに話をすると相手に聞いてもらえるか、どんなふうに聞くと話してもらえるのか、参考になりました。さっそく明日から、心がけていきたいと思います。
- 声が低いと聞き取れないことを自覚しました。聞き手がもっと上手に聞いてあげることに、気をつけたいです。
- コミュニケーションっていうのは、本当に難しいことだと思った。まず、聞く!事が大事なんだと改めて実感。肯定すること、ほめることが大事!!子どもとの会話に役立てていこうと思いました。聞き手になりきることに、頑張りたいと思います。
- 話し手、聞き手を観察することで、普段気づけないことに気づけた。観察するのは難しい。
- 年齢差はあっても、相手の話を聞くこと、第3者の視点で見ること、奥深かった。コミュニケーションの基本が身についた気がします。
- 自分では常日頃解らなかった、話の調子、表情など良かったと言って頂いた事喜んでいます。
- 自分では気づいていないことを、ほめていただいて嬉しかった。相手とコミュニケーションをとるには、きちんと相手を見て話すことが大切だと思った。聞き手の時に話し手の話した内容を確認するという作業がうまくできなかったことが反省である。
- 声の調子やジェスチャーには、その人の人柄が出て、面白かった。聞き手は、話を遮らないで、相手の話を肯定する。話し手は聞き手に分かりやすく情報を伝えるという事が大切とわかった。「傾聴」と言う言葉を聞いたことがありますが、今日の講座で少し学べた気がします。
- 相手の目を見て、明るい声と笑顔で穏やかな口調で話すことができれば、初対面の人同士でも早い段階で心を開くことができると思いました。
- 聞くことの大切さを、実感しました。外では、他人に対して少しはできていると思っていましたが、家族に対しては全くできていない自分に気づきました。忙しい毎日の中でも、耳を傾けることは、相手との関係の第1歩なんですね。今日帰ったら、今日から頑張ろうと思います。できるだけ・・・。
参加した方々の多くは、「きくこと」の難しさを実感していらっしゃいました。きく側にあるのに、いつのまにか自分が話をしていて、相手に話をさせていないことや相手の話をきいているつもりだが、まったくきいていない自分に気づいていました。コミュニケーションは、会話を通してお互いの存在を認め合う事ですから、一方通行ではなく、お互いに行き来し合える話し方は大切ですね。そのために、相手の話をじっくりきく、なるべく肯定的な言葉を使う、相手の話をもう一度言ってあげる事に心掛ければ、いい人間関係が作れるでしょうね。まず、家族の中で心がけていけば、もっとお互いを理解し合えるでしょう!と言っている私も、肝に銘じていきたいと思いました。