「2016年04月」の記事
イタリア旅行パートⅢ
学校が始まり、3週目を迎えました。1年生は移動教室が分からず、教科書をかかえて右往左往状態でしたが、3週目に入り全学年落着き始めてきました。私たち教員も同じです。(笑)
今回は、イタリア研修の大きな目的であるローベレと、幼き聖マリア修道会の本部を訪問したことについてお話いたします。
聖バルトロメア・カピタニオと聖ヴィンチェンツァ・ジェローザの故郷、ローベレ(ベルガモ県)を訪れました。ミラノから山間を走りながら、バスで約1時間30分の所にローベレの街があります。
イタリアでも指折りの湖、イゼオ湖の湖畔にある小さな街です。2聖人たちが生きておられた時代は、貿易の要の街で栄えていたと聞いています。
バスを降りた私たちが最初に行ったところは、オアジと呼ばれている祈りの家でした。その建物は昔病院として使用されており、ボジオ神父様が聖バルトロメア・カピタニオにその病院の運営を任せた所です。
そこで働いているシスターは、私たちのために飲み物とお菓子を準備し大歓迎をしてくださいました。生徒たちはイゼオ湖の心地良い風に吹かれながらお菓子を食べ、ホッとしたひと時になりました。
ローベレの狭い石畳の道を歩いて、2聖人たちがお祈りに通っていたサンジョルジョ教会を訪問しました。
ここで祈っていたお二人は、日本から生徒たちが訪れて祈ってくれるとは思ってもいなかったでしょう。生徒たちにとっても、この片田舎で生きた2聖人と、このように出会っている不思議さを感じていたと思います。
教会を出た後、2聖人たちの生家へ行く予定だったのですが、私自身2年前の道を思い出しながら行きましたが結局道に迷ってしまいました。
一人の女性が私たちの様子を見て近づき、「どこへ行きたいの?私も教員をしていたからみんなが困っている様子が分かったわ!」と案内をしてくださいました。
色々歩いたおかげで、ローベレの方々と言葉を交わしたり、お店の様子も分かり、予定外の散策で生徒たちにとって自由時間を過ごすために、計画を立てるいい時間になったのではないかと思いました(笑)。
翌日の午後、幼き聖マリア修道会の本部(Casa Madre)を訪問しました。国籍が違う多くのシスターたちが、私たちを温かく迎えてくださいました。
中庭に面したところにテーブルとイスが準備されており、テーブルには日本で味わえないお菓子とジュースが載っていました。それを見た生徒たちは、実家に戻ってきた様子でホッとしていました。
おやつを頂いた後、今回の研修の分かち合いをしました。ほとんどの生徒たちはイタリアを訪れ、カトリックの精神に肌で触れたことで、イエス・キリストが本当に実在したということや人々の信仰心(絵画や建築物で表現されているものも含めて)の深さなどキリスト教に興味をもったということを分かち合ってくれました。
また、ミラノやローベレに行き、聖バルトロメア・カピタニオの偉大さを再認識し、本校の生徒であることに誇りを持ったようです。また、シスターたちの温かさに触れ、「イタリアにいたらシスターになってもいいな。」と言った生徒もいました。
イタリアをローマからミラノまで駆け抜けた旅行でしたが、イタリア人の陽気さに生徒たちの心も開かれていきました。
特に、フランシスコ教皇との謁見はとても印象に残ったようです。世界中の人たちから愛されている有名な教皇様を、世界から来ている人々と一緒に直に見ることができたことに興奮していました(私も含め、笑)。
目に見えるものから目に見えないものを見ることの大切さと、イエスのために自分の生涯を捧げたアッシジの聖フランシスコと聖クララ、聖バルトロメア・カピタニオと聖ヴィンチェンツァ・ジェローザ達の生き方から、人生を生きていく上で何を大切にして生きるべきか、また 自分にも与えられている使命に忠実に生きることが自分を活かすことにつながること、等に気づいた旅行になったと思います。
イタリア旅行記パートⅡ
修道院の朝は、シスターたち全員で朝の祈りとミサ、そして個人的な祈りをします。
その静かな時間に鶯のさえずりを聞くと、私たちと共に神様を賛美しているように聞こえ、幸せな時間を過ごすことができ、「今日一日頑張ろう!」という気持ちになります。
4月、新しい生活が始まりました。皆さんにとって緊張の毎日かも知れませんが、登校や出勤の途中でもいいから自然の声に耳を傾けると(スマホではなく)、自然から元気を頂け心にゆとりがもてると思いますよ。
さて、私たちのイタリア旅行について続きをお話いたしましょう。
アッシジを後にした私たちは、水の都ヴェネツィアへ行きました。アッシジからヴェネツィアまでバスで行きましたが、やはり遠いですね。
運転手さんは夕食の時間に間に合うようにバスを走らせ、レストランに直行してくれましたが、夕食は2時間遅れの午後8時になってしまいました。
レストランへ行くとお店の人たちはユーモアを持って私たちを歓迎してくださいましたが、デザートはアイスクリームだったのに他のものになっており、その理由を聞くと「到着する時間が遅れたから、アイスクリームが溶けちゃったよ!」と冗談(?)。さすがイタリア人!
ヴェネツィアも天候に恵まれ、美しい景色が私たちを迎えてくれました。
地元の日本人ガイドさんと添乗員の倉橋さんが時間を無駄にしないようにと、観光客が少ない所から案内してくださったおかげで待ち時間もそんなになく、デュカーレ宮殿、サンマルコ寺院をスムースに見て回ることができました。
当時のヴェネツィアの繁栄ぶりが、伝わってきました。私自身は、共和国時代の総監の住居を見学し政治の仕組みの説明が今回特に印象に残りました。これこそが民主政治だと思いましたよ(笑)。
昼食は、イカ墨パスタを食べ、お歯黒状態(笑)。コッレール博物館、サルーテ教会を訪れた後、ゴンドラ乗船。
生徒たちと私が乗ったとたん、生徒が「カンツォーネ、ペルファボーレ(歌を唄ってください。お願いします)」と言ったのには驚きました。そのように言われて、彼は「分かった!」と言いながらなかなか唄いだしてくれませんでした。
その内に催促すると、他のゴンドラがいなくなったのを見計らって小さな声で歌ってくれました。きっと、歌うことに自信がなかったのでしょうね(笑)。
ヴェネツィアの街を見学したり買い物をしたりして、生徒達たちにとってイタリア旅行を十分満喫した一日でした。
翌日は、ミラノに向かって出発。ミラノ万博のお陰で、市外地が発展していたのに驚きました。
その驚きの一つに、ホテルに湯沸かし器と色々なお茶が準備されていました。日本の宿と同じ「おもてなし」が感じられ、これも万博の影響なのでしょうね。ビックリポンでした。
昼食後、聖マリア・デリ・グラツィエ教会にある「最後の晩餐」の絵画を見に行きましたが、予約時間に間に合わないとチケットが無駄になってしまうので、昼食は味わうどころか急いで食べたという感じでした。
レストランに到着する時間が遅れた理由は、ミラノマラソンが行われていたために迂回路で交通渋滞だったからでした。何回もイタリアに来ていますが、これも初めての経験でした。
バスに乗っている添乗員の倉橋さんと私は時計とにらめっこ状態!二人とも心中穏やかでなかったことは、分かっていただけますよね(笑)。そんな私たちの様子を生徒たちは察してくれて、本当に良く協力してくれました。
スカラ座を外から眺め、ドゥオーモに向かうガレリアと言われる高級店やレストラン、カフェ等が立ち並ぶアーケードを、ミラノ市民になった感じで歩いていくと、ゴシック様式のドゥオーモが目の前に現れました。
あまりの大きさにびっくり。エレベーターでドゥオーモの屋上に上り、尖塔の上に聖人たちのご像が立っている中に聖カピタニオのご像を見つけた生徒たちの喜びはひとしおでした。
ミラノに来て聖カピタニオが身近に感じられ、瀬戸市にある小さな学校が大きな存在であることに気づき、自分たちに誇りを持ち始めている様子が伝わってきました。
イタリア旅行記パートⅠ
冷たい風が吹く中、飛行機が飛び立つまでセントレアの展望デッキで私たちの無事を祈ってくださった校長先生はじめ保護者の方々に見送られ、3月15日?24日まで、25名の生徒たちとイタリア研修に行ってまいりました。
ローマでの初日、フランシスコ教皇の謁見に参加しました。朝から雨模様の天気でしたが、教皇様の謁見が近づいてくると雨も上がり青空になりました。
サンピエトロ寺院の広場は、大勢の人たちでいっぱい。10時の謁見のために私たちは朝8時に修道院を出たのですが(目の前が広場なので、5分で行けると思っていました。)、早いと思って広場に来ると、たくさんの人々で通路近くに座ることができず、とても残念でした(間近に見ることはできませんでしたが、モニターでしっかり見ることができました)。
この広場に来ている人々の名前を、各言語圏で紹介してくださいました。私たち日本は英語圏のグループの中で呼ばれたのですが、日本からのグループは唯一、私たちのグループだけでした。
イタリア各地を歩いていると、日本人の方々を見かけるのですが・・・。次回は、国旗を持って行こうという話になりました(笑)。
ローマで3泊した後、アッシジの聖フランシスコ大聖堂を訪れ、ジョットの描いた聖フランシスコの生涯の絵を見ました。
案内をしてくださった方は、瀬戸教会のビン神父様と同じ修道会の李神父様でした。日本語がとても堪能で、ご自分の信仰体験に根差したお話を私たちの立場に立って具体的にしてくださり、神様に従って生きた聖フランシス
コが身近に感じられました。
今も中世の面影が残る街並みを歩きながら、ローマとは違ったのどかな雰囲気の中でひと時を過ごしました。
今回のイタリア研修を始めるに当たり、ローマの修道院のホテルの聖堂で話したことは、「人はどこから来て、どこへ行くのか。そして、私は何のために今こうして生きているのか?」ということです。
サンピエトロ寺院の壮大で優雅な建築、有名画家たちの描いた宗教画の意味など「何のためなのか?」と自問してほしいと思いながら、案内をしていました。
そして、聖フランシスコや聖クララの生き方に接し、この世の富より素晴らしい宝のために自分の生涯を選んだ二人から、私たちが何を大切にして生きていけばいいのかのヒントを頂きました。
聖バルトロメア・カピタニオが幼い時学んでいたローベレの聖クララ修道院のシスターから、聖クララの精神を生き続け、当時と同じ生活しているお話を伺いました。シスターは、「私たちは祈りを中
心にした、とてもシンプルな生活をしています。神様に結ばれているので年齢の違う姉妹たちと本当の兄弟愛で生活することができ、とても幸せです。」と言われました。その言葉が、とても印象的でした。
まさしく、神への愛と兄弟愛を生きている人のお言葉ですね。見習いたいものです(笑)。
次回も、イタリア研修旅行の報告をさせていただきます。お楽しみに!