「2016年10月」の記事
「ありがとう」
10月27日(木)の朝の全校朝礼で、聖カピタニオ女子高等学校に関わってくださった方々のご冥福をお祈りいたしました。
ここ数年、理事長先生から読み上げられる方々の名前は変わりませんでしたが、今年は難病と闘いながら入学した1年生の名前が付けくわえられました。名前が読み上げられることによって、この学校で出会った方々に私たちは感謝の言葉を述べることができました。
今年の司式は昨年に引き続き、瀬戸カトリック教会主任司祭エンマヌエル・ビン神父様でした。
神父様のお話のキーワードは、「ありがとう」です。そのお話を要約すると、
「皆さん、今ここにどのような心で集まっているでしょうか。亡くなった方々に『ありがとう』の心を持ってきているでしょうか。
『ありがとう』は、あなたに伝えたい何より大切な言葉がある・・・。互いの心と心がつながり合う感謝の言葉。」
さらに「あらたな目標やりそうに向かってがんばっている人にとどけたいうれしいくらいの感謝の気持ち。『ありがとう』の字を組み合わせると『夢』、『喜』、『愛』になります。
『ありがとう』の反対の言葉は、『あたりまえ』です。愛には、憎しみも恨みもありません。『ありがう』の気持ちを持って、毎日を過ごしていきましょう。」
とお話してくださいました。
「いのち」は、その人に与えられた神様からの贈り物です。だから、その人しかその「いのち」を使うことができません。この世で私たちは限られた「いのち」を生きています。
「おくりびと」(p.170~172引用)の本の中で、平田が火葬場の火葬炉で言った言葉、
「死ぬということは終わりじゃない。そこをくぐりぬけて次に向かう。まさに門です。」
「わたしは門番として、ここでたくさんの人をおくってきた。いってらっしゃい、また会おうねって言いながら。」
友人のツヤ子の棺の点火ボタンを押すシーンで語っていた言葉です。
私たちに必ず訪れる「死」を考えることは、今をどのように生きていくかを考えるきっかけになりますね。そして、「ありがとう」の言葉を忘れず、この世を去った人たちとまた再開できる希望をもって生きていきましょう。
秋のBlue Earth Project
第43回瀬戸市「みんなの生活展」が、10月8日(土)、瀬戸蔵で行われました。そのイベントの中に、本校の名古屋Blue Earth Projectも参加させていただきました。
今回のメンバーは、1年生、2年生の有志44名でした。テーマは、昨年の冬バージョンと同じく「MOTTAINAIマルシェ」です。Eチーム(エネルギー)、Fチーム(規格外野菜)、Cチーム(衣類)に分かれ、調べ学習で調べたことをB紙にまとめ、ブースに展示してお越しいただいた方々に説明をしていました。
また、各チーム寸劇を通して、私たちが日常何気なく生活している現実を知らせていました。
生徒たちの発表を見て、
「いろいろ参考になったわ。」
「来てよかったわ。知らない事ばかりで・・・」
と感想を述べて帰られた方が大勢いらっしゃいました。
生徒たちが伝えたいことが伝わり、生徒たちもやりがいがあったと思います。
今回は前回と違い、夏休みから活動を始めましたが、この2週間集中してやり遂げていました。
毎日、放課後になると部活動や補習を終えて活動場所に来る生徒、放課後になったと同時に活動場所に来てせっせと自分たちのやるべきことをしている生徒と、自分の時間を有効に使いながらグループ内で助け合っていました。
無事今回のイベントを成功させた生徒たちが感じたり、学んだことの感想を抜粋します。この活動にどのように取り組んでいたのかを、分かち合いたいと思います。
*夏休みのミーティングで、神戸から来てくださった先生方にお話を聞いて、日本がどれだけエネルギーを使っているのか、どれだけゴミを出しているのかなど現状を知り、何とかしなければいけないという気持ちが高まりました。
Eチームに入り、エネルギーのことを詳しく知っている中で、自分がどれほど無駄使いをしていたかが分かりました。
“イベントに来てくださる方々のために環境のことを改めて考えていただけるように”という気持ちは、もちろん持っていたけれど、自分自身でも学ぶことがこんなにもあるとは思ってもみなかったので、とても貴重な経験になりました。(2年生)
*・・・作業の日もなかなか行けなかったのに、被服室に入ると「お疲れ様!!」と声をかけてくれるBEPメンバーがいて、その環境が凄く居心地が良かったです。
みんなが“良いものをつくろう”と同じ思いで、イベントに向かって突っ走っている姿がかっこよかったし、自分もそのメンバーの一員として関われたので、すごく嬉しかったです。
Fチームは一つひとつ細かいところまで目が行く子が多くて、その分作業は単純で楽なものではなかったけれど、完成した時の出来は凄かったし、その細かな作業が劇やブースの完成度の高さに繋がったと思います。(2年生)
*・・・今、考えてみると、約2週間で完成できて成功することができたのは、本当にすごいことだと思いました。
また、広報としてFacebookに投稿して、たくさんの人に知ってもらうこと、みんなの頑張っている姿を写真に収めること、それを通してたくさんの人と関われたこと、同学年の子たちとBEPを通して仲良くなれて嬉しいです。
当日、司会者として進行をしたり、劇をやったり、人前にたくさん出る場面がありました。きっと今までの自分はそんなことができなかったのに、こうやってできたのは、皆と一緒に活動していく中で、成功させたいという気持ちが強くなってきたからだと思います。(2年生)
*・・・Eチームのチーフになって、自分の思ったように指示が出せなかったり、焦ったりしたことも何回もあったけれど、皆が優しく声をかけてくれたり、自分から行動してくれたりしたのでやり遂げることができました。
イベントでは、自分から説明係になったり、来客に声をかけて見たりしました。
クイズにも真剣に答えてくださり、「来た甲斐があった」とか「ありがとう」と言って頂けて本当に嬉しかったし、やってきてきて良かったと思いました。(2年生)
*自分は年上の人とかに話しかけるのが苦手で、集まりの時も何をすればいいのかおどおどしていたけれど、自分を成長させるために先輩に何をすればいいか聞けるようになりました。
先輩のひらめきや行動力がすごくて、そんな姿を見て自分も成長できたのかなと思いました。(1年生)
*・・・最初のBEPで環境問題の現状を知って、今の地球のことをもっと知りたいと思うようになりました。
一番驚いたのは、コンビニのおにぎりが一年間に18億個捨てられているということで、友達や家族に教えてあげないと!と思いました。
このBEPを通して自分自身成長することができ、環境問題について知識を増やすことができました。(1年生)
*私がこの活動に参加したのは、ニュースなどで環境破壊が進んでいるということをよく耳にするけれど、焦るばかりで何をすればいいのかわからなかったのでいい機会だと思ったからです。
また、せっかく女子高生(JK)になったのに、まったくJKらしいことをしていなくて、このままだと一瞬で3年間終わっちゃう!と思って、今だからできる取り組みに参加することにしました。
部活との両立は思った以上に大変で、予定表を見るたびに、「今日もBEPを休まななきゃ」とか、焦ってばかりで泣きそうでした。
でも、チーフの先輩やCチームのメンバーの方々が、いつも優しく、いつも一生懸命で自分も頑張ろうと思うことができました。
神戸松陰の先生のお話を聞いて、現状をたくさん知れて、「もっと食、衣、エネルギーを大切にしよう。」と思えました。
瀬戸蔵のイベントでは、自分の知識全てを来場した方々に伝えることができて、少しは地球に役立てたかな?って思います。(1年生)
*毎日、最終下校まで準備があって、すごく大変でしたが、先輩方のサポートがあって最後までやりきることができました。
自分自身も意見をしっかり伝えることができたと思います。お客さんに、ゼリーキャンドルの成分を聞かれた時、調べていなかったので答えられませんでした。
小さな子供を持っている人ならば気にするのは当然なので、それをしなかったことを反省しています。(1年生)
まだまだたくさんありますが、今回のBlue Earth Projectに参加して、同じ目的をもった仲間たちと過ごした日々が彼女たちの宝物になったことは間違いありません。
そして、知ることによって自分の生き方が変えられ、成長している自分に喜びを感じていた様子が伝わりました。瀬戸蔵で出会った方々も「地球を大切にしよう!」と思っていただけたと思います。
大地を踏みしめて
9月30日、本校の体育祭はお天気に恵まれ、競技をしている人も観戦している人も心を一つにして楽しむことができました。
クラスの全員が何らかの種目に出場しますから、一人ひとりが主役なので、必ずクラスの声援が代表選手に向けられます。ですから、日頃見られない表情に出会い、生徒たちの知らない一面を見ることができ嬉しいですね。
本校の伝統種目は何と言っても、最後に行なわれる3年生の「プロムナード」。
曲に合わせて行進をする団体演技ですが、これは本校が開校した時から行われている伝統のある演技です。
今年は連日の雨模様で全体練習ができないまま本番を迎えようとしていましたが、体育祭前日の午後雨が上がり全体練習ができました。
グラウンドのあちこちに水溜りがあったので、全体練習のためにとサッカー部は昼食時に、教職員はその後、グランドに出て各自スポンジで水を吸い取る作業をしました。
そして、本番を迎えました。3年間共に過ごした仲間たちがいたからこそ、日々の生活を送ることができた、その日々がグランド内で隊形として表現されました。
友人との距離の取り方、気まずい思いをしたこと、共に喜び合ったこと、慰められたこと、赦し合ったことなど、この仲間がいたから経験できたことを行進しながら各自振り返っている様子が、涙をぬぐう動作や誇らしげな表情から感じられました。
来年からは、各自の道を歩んでいきます。その未来を見据えて行進した一人ひとりの顔は輝き、大人の顔になっていました。
午後から雲行きが怪しくなり、雨が落ちないように祈っていましたが祈りが聞き入れられたようで、夕方まで雨が降りませんでした。
教員、体育委員が中心になって空とにらめっこしながら片づけていたのを見て、1年生の2人はテント片づけを積極的に手伝ってくれました。
皆が帰った後、重いテントを教員と運ぶ、日頃見られない姿を見て頼もしく、これこそカピタニオの体育祭だと“ほっこり”しました。今日もいい一日でした。神に感謝!