「2017年03月」の記事
名古屋港水族館でイベント
3月18日(土)9時30分~17時まで、名古屋港水族館のサンゴ水槽の上の小さなスペースで「Save the サンゴキャンペーン」のイベントをさせてもらいました。
今回はBlue Earth Projectメンバーの1年生、2年生19名だけで、それも、3月の学年末試験が終わった後の1週間で準備を行いました。
名古屋港水族館の来場者は親子連れが多いと聞いていたので、生徒たちの伝えたいメッセージを子どもにも分かりやすく、楽しく伝えるためにはどのようにしたらいいのか、いろいろ工夫をしていました。
エレベータで上がってきたところにあるスペースで、生徒たちはイベントを行いました。
そこはちょうどサンゴ水槽の上で、サンゴを眺めることができる場所です。
生徒たちは手づくりのチラシを配布しながら、
「サンゴキャンペーンをしています。どうぞお越しください。」
「私たちは名古屋です。環境問題に取り組んでいます。」
と明るい声で呼び込みを行っていました。
まず、サンゴの説明を聞き、サンゴの働きと白化の様子を紙芝居で見てもらった後、水槽の中にあるサンゴの前でヨシ紙やサンゴスティックにサンゴメッセージを書いてもらいました。
サンゴキャンペーンを実施してから1,600枚以上のメッセージカードが集まり、そのおかげで万座ビーチに40株以上のサンゴを植えることができました。
ブースの最後は、これまで学んできたことをどれだけ覚えているのかを試すサンゴクイズコーナーです。
4問の質問に答えて全問正解であれば、金メダルがもらえます。
生徒たちは表彰式の時に流れるBGMを口ずさみながら、子どもの首にメダルをかけてあげました。
金メダルを貰った瞬間、子どもたちの嬉しそうな表情。このメダルは、子どもたちの心をつかみました。さすが、生徒たちですね。
ここでサンゴについて学んだ子どもたちは、きっと自然を大切にする人へと成長していくでしょうね。
当日1万人程の人たちが来場したと聞き、多くの方々にサンゴの大切さを伝える機会が与えられて、生徒たちは達成感に満ちた表情をしていました。
最後に行なった分かち合いの中で、生徒たちは次のような感想を述べておりました。抜粋して紹介します。
・冬のBEPで頑張っていない人は誰もいなかった。一人ひとりの頑張りがあって今日のイベントが成功した。
・準備期間が短期間だったけれど、自分たちが伝えたいことを話し合い集中して準備ができた。
B紙に書く時も立体的に工夫して書いたり、前回よりもレベルが上がった作品になった。
・サンゴのことを勉強するまで何も知らなかったけれど、勉強するたびに「知る」ということの大切さをより実感することができた。
・自分たちが学んだことを、人々に「どのように伝えたらいいのか」を話し合ったおかげで、「伝える術」を身につけることができた。これは学校生活を行う上で貴重なことだと思う。
今年のBEPのメンバーは2期生。1期生の活動に惹かれて参加した生徒たちは、自分たちが1年間通して行ってきた活動は間違っていなかったという自信がついたように感じました。
今年は昨年よりもバージョンアップしたテーマで、すべてを自分たちの手で考えて行っていかなければなりませんでした。
サンゴについて勉強し、勉強したことの中から何を人々に伝えていくのか、いつも話し合いながら決めていました。
だから、伝える能力が育ってきたのでしょうね。
子どもたちには子どもたちが理解しやすい話し方をしている生徒たちを見ると、臨機応変に行動できる能力もしっかりと身につけることができたと実感させられたBEPの活動でした。
今年で6年目
3月11日(土)に合わせて栄で、東日本大震災の被災者のために募金活動を行いました。
10日まで学年末試験に取り組んでいた生徒たちは、11日の募金活動にたくさん参加してくれました。
私たちが募金活動を行うのは、今も被災地で苦しんでいる方々のために義援金を届けてあげたいという意味もありますが、募金を呼びかけることによって震災を忘れないでほしいという意味もありました。
栄三越付近3カ所に分かれ、10人以上の女子高校生が一列になって、
「今も苦しんでいる被災者の方々のために、ご協力お願いいたします。」
と、道行く人々に声をかけました。
彼女たちの熱心さに足を止めた方々が、ポスターに目をやり
「あぁ、今日は3月11日だったんだ。」
と思い出してくださり、募金をしてくださいました。
募金をしながら、
「頑張ってね!」「ありがとう」「寒いのに、ご苦労様」
と温かい声をかけてくださる方々によって、更に生徒たちの声は元気な声になっていきました。
2時間の街頭募金で、239,164円集まりました。
私たちの募金箱に入れてくださった方々の暖かい思いを、カリタスジャパンを通じて被災地に送ります。
ご協力ありがとうございました。
タラ号乗船
海洋探査船「タラ号」は、3月8日(水)14時に名古屋港に到着しました。
港で出迎えた人々は、報道陣の方々と本校のBlue Earth Project(BEP)のメンバー3年生6名(1年生、2年生は学年末テスト中)の少し寂しいお出迎えになりました。
タラ号から乗組員の方々が船から降りて私たちと挨拶を交わした後、名古屋港関係者の方々からの歓迎セレモニーを受けられました。
私たちはBEPと書いた大きなポスターと本校の旗を持って出迎えていたため、乗船していた方々が声をかけてくださいました。
実は、名古屋港に来る前は神戸港に立ち寄っていましたが、その時に神戸松蔭高校のBEPのメンバーから活動を聞いていたからでしょう、早速、乗組員の方々との記念写真。感激しました。
17時に船内を案内してもらう計画でしたが、人数が少なかったので、早い時間に乗船が許可されました。
先に報道陣の方々、次に私たちが船内に入りました。私たちに説明してくださった方は、グアムから乗船したという日本人のアーチストの方でした。
船内を案内しながら、タラ号の活動を分かりやすく説明してくださいました。その中で、マイクロプラスチックの問題を聞き、胸が痛くなりました。
タラ号は3種類のサンゴに絞って調査をしていますが、汚染されていないと思っていたポリネシアの海でもサンゴが白化している現実を知り驚きました。
また、水中カメラマンの方が撮影した映像を見せてもらいましたが、たくさんの生き物が平和(?)に生きている様子を見てあまりの美しさに感動し、目に涙を浮かべる生徒もいました。
水中カメラマンは、この美しい海を守ることの大切さを強調し、私たちが知らない海の中の自然を絶対に壊してはいけない、そのためには、「教育」が大切だと言われました。
そして、私たちが忘れてはならない自然との関わり方に、3つの方法、「①選択(例えば、物を買う時にエコバックを持っていく。
近所に行くときは車に乗らない等)、②教育(宇宙よりもサンゴや海のことを知らなさすぎ)、③選挙(自然を守ることは一人ではできない。政治家の助けも必要)」があると教えてくださいました。
タラ号と出会った生徒たちは、自分たちの知らない世界を知ることができて感動と刺激を受け、もっと英語やフランス語を学びたい気持ちになったようです。
もし将来タラ号に乗船したら、どんな役割を持って乗れるか将来の自分を想像しながら楽しそうに語り合っていました。
生徒たちばかりでなく、生徒たちの学びに興味を持った教職員がタラ号に乗船し説明を受けて帰ってきた時、職員室はタラ号の話で盛り上がっていました。
生徒たちが帰る時に、乗組員の方々が書いてくださった色紙をプレゼントしてくださいました。
これは、本校の宝物になりました。今後もタラ号と同じように、BEPの活動を通して自然環境保護を人々に伝えていきたいと思いました。
タラ号のHPもご覧ください。本校の生徒たちの写真が掲載されています。
「一人ではないよ」
3月2日(木)は、あいにくの小雨模様でしたが、会場は温かな雰囲気に包まれていました。
その中で本校の第52回卒業証書授与式が、ご来賓の方々、保護者の皆様方に見守られて無事行われました。
生徒一人ひとりは、校長先生から「おめでとう」の言葉と一緒に卒業証書を受け取り、晴れやかな表情を私たちに見せてくれました。
この卒業証書1枚の中に、3年間支払った教育費、各自が味わった困難や苦しみ、皆と過ごしたかけがえのない思い出の時間がいっぱい詰まっています。
それを手にした生徒たちの3年間の感謝の気持ちと成長した自分をしっかり認めた自信が、会場にいる私たちに伝わってきました。
卒業式に読まれる、在校生「送辞」と卒業生「答辞」の今年のキーワードは、「一人ではないよ!」という感じを受けました。
それぞれ別々に「送辞」、「答辞」を考えて書いているのですが、当日聞くと必ずキーワードが重なりますから不思議です。
そして、今年はPTA会長さんの祝辞の内容も重なりました。
この学校で過ごした時間は、仲間がいたからこそ思い出を作ることができ、同じ女子と過ごしたからこそ自分を成長させられたものになりました。
これは生徒たちだけでなく、PTAの委員の方々にも当てはまり、カピタニオ学校を通じて出会えた人たちと時間に感謝です。
卒業した生徒たちとご家族の未来が神様から祝福され、どんな時も「一人ではないよ!」の言葉に支えられて希望を持って歩んでいかれますようにお祈りしております。
また1歩成長
冬のBlue Earth Projectの活動が終了し、生徒たちは内面をみつめ、各自の成長した姿を発表してくれました。
それを、抜粋して分かち合いたいと思います。
・Blue Earth Projectは、環境問題について学べるだけでなく、人としてのマナーや常識を身につけることができる本当に素晴らしい組織だと思います。
おかげではじめは臆病だった自分の心に自信がつくようになりましたし、自分という人を育むことができました。
また、代表と言う責任ある職をもらったことによって、普段から自分さえよければよいという自己中心的な考えが、今ではメンバー全員をまとめなければいけないという責任感を持てるようになりました。(3年生)
・昔の自分なら面倒だし、人が何か一生懸命やっていることを恥ずかしく感じていたと思う。
だが今は、一生懸命やるからこそ伝わるものがあると、自信を持って言うことができる。そして何より、「この活動をやってよかった」と、そう思っている人たちと一緒にゴールを迎えられることに誇りを感じる。(3年生)
・私がBEPに参加した理由は、女子高生である今、新たな挑戦をしてみたいと思ったからです。
卒業するまでに、「高校生である今しかできないこと」をしてみたいとずっと3年間思っていました。
3年生になり、自由な時間が増えたのでこのプロジェクトに参加しようと決めました。
しかし参加してみると地味な作業が多かったのです。
参加する前に見えていたBEPの活動は、華々しいものだったので、そこで軽いショックを受けました。
最初は地味な仕事はあまり好きではなく、少し不満がありましたが、仕事が進んでいくにつれ、自分は周りが見えていなかったことに気づきました。
周りはもっとたくさんの仕事をこなしていたのです。
BEPに参加する前は自分のことしか見えていなかったのですが、BEPの仕事をこなすにつれて「周りを見る」ということができるようになりました。
私は大人数で一つの物事をすることが苦手でした。それは私の「周りをみない」という未熟さからきているものでした。
BEPに参加してから得た「周りを見る」ということは、これから社会に出たときに活用できると思います。(3年生)
・海から遠いところで生活をしている私たちにもサンゴがこんなにも関係しているとは思わず、「知らないことは罪」だと本当に実感することができました。
人間の手によってサンゴを危機的な状況にしてしまったので、人間が責任をとり、もう一度人間の手でこの問題を解決し、サンゴを救わなければいけないという思いが活動をしていくなかで強くなっていきました。(3年生)
・オアシスのイベントではチラシ配りやキャンドル作りに参加させていただいたのですが、チラシを配った方の多くがブースに来てくださり、キャンドル作り体験に来てくれた小さい子が「楽しかった」と言ってくれたりと、とても充実した活動になった一日でした。
イベントを通して、環境問題について私たちができることはたくさんあると知ったし、もっと多くのボランティアに参加しようという気持ちになりました。
2年のうちにBEPに参加できてよかったです。(2年生)
・私は今回のイベントで、「伝える」という言葉を意識してステージやブースに臨みました。
人の心に訴えかけるには、台本をただそのまま読むのではなく、感情を込めて話すスピードや抑揚のつけ方を工夫し、「自分がお客様の立場だったら、この言い方で伝わるだろうか」と考える必要があると思います。
BEPで、「人に伝える力」を養うことができました。(2年生)
・たくさんの先生に「あなたたちは、人の心を動かす力を持っているんだよ。変えたんだよ。」って言われたときは、やってきたことの全てのことが実った気がして本当に嬉しかったし、もっと広めたいという新たな決意に変わりました。
今回は、女子高生の力はすごいっていうのを体感できた素晴らしいイベントでした。そして何より楽しかったです。(2年生)
・私は最初BEPをやっている子を見て、なんでそんなに頑張るんだろうと思っていました。
ですが、谷口先生のレクチャを聞き、自分にできることがあるなら頑張ってみようと思いました。
実際に参加してみて一人一人がみんな頑張っていて、それを近くでみることができてすごく刺激になりました。
正直言って準備しているとき、自分は役に立っているのかな?と思っていました。
ですが、イベント当日にたくさんの方が来てくれたおかげで、たくさんの方にサンゴについて知ってもらうことができたので、少しは役に立つことができたので、本当に良かったです。(2年生)
・今回は1からやることや、どういうふうに展示するかなどをチームのみんなや先輩と一緒に考えたので、自分の意思をしっかりと示すことができるようになったなと思います。
また、中日ビルでの店舗アタックでは、自ら率先して店舗の方と話すことができるようになったりと、コミュニケーション能力も上がったなと思います。
オアシスのイベントでは、私はサンゴの説明を行ったのですが、うまくサンゴについての説明ができなかったり、会話の区切りをうまくつけることが出来なかったりしたので、名古屋港でのイベントでは、もっとうまく話がまとめられるようにしたいです。(2年生)
・周りの子たちがみんな前向きで、そして積極的でとても良い刺激を受けました。
遅くまで三つの濃い忙しい作業も楽しくやれたのは、活動の取り組み姿勢が良かったからだと思いました。
自分の心がこの数か月で前向きになれた気がするので成長したのかなと思います。
また、みんなが同じ気持ちで同じ方向に向かって活動して、達成したときは、とても嬉しくて、その気持ちを友達と共有できる喜びを味わうことができたのも良い経験になったと思いました。(2年生)
・自分が成長したと思うところは、コミュニケーションを取ろうと努力できるようになったところだと思います。
話したことのない人ばかりだったけれど、話してみると思っていたより明るい性格だったり、親しみやすい感じがしたり、話してみないとわからないことって多いんだなと気づきました。(1年生)
・私がこのイベントを通して自分が成長したと思うところは、とても小さいことですが、人に恥ずかしがることなく、質問ができるようになったことです。
今までは、自分では恥ずかしくて友達などに任せたりしていました。
しかし、今はむしろ自分から積極的に人に聞きにいったり、困っている友達の代わりに聞きに行けるようになりました。
また、それと同じように、イベントでも来てくださった方々に明るく話しかけられるようにもなったと思います。
ただ、話しかけた後に話を続けるのが苦手なので、話題などを作って話を続けられるといいなと思いました。
そして、前よりも物事に対して積極的に取り組めるようになりました。前回の秋の活動の時からさらに成長もしたなと思いました。
今回のイベントでは、ステージの劇に出させてもらったり、前回より会場の規模が大きくなって、よりたくさんの方と触れ合うことができたので、いろいろな刺激を受けました。
そして、もっともっといろいろな課題についてやってみたいなと思いました。(1年生)
「気づき」は体験によって生まれ、その気づきがその人を成長させてくれます。
人の中に眠っているエネルギーが外部の刺激を受けて引き出され、内面からその人を変えていくメカニズムは、本当に素晴らしいですね。
その成長を目の当たりにできる私は、本当に幸せです。元気をもらいますね。