2018年3月|聖カピタニオ女子高等学校|豊かな人間性を持つために

「2018年03月」の記事

かけがえのない時間、かけがえのない仲間

 2月17日(土)は青空が広がり、晴天になりましたが、風はやはり冷たい一日になりました。

今年もオアシス21で、私たちが学んできた環境問題について発表する機会を頂きました。

今年で3回目になるBlue Earth Projectに1回目から参加していた3年生を中心に、ステージとブースに分かれ

「海の生物多様性を次世代に残そう~聞こえていますか?海の声~」

を伝えました。

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 ステージでは、司会者が

「陸の上で暮らしている私たちは、海の中の世界について無関心になりがちですが、今、海では大変な問題が起こっているのですよ。」

とアナウンスをした後、海の中の様子を色々な生き物を登場させて、海水温度が上昇すると生き物たちがどのような状態になるのかを見ている私たちにわかりやすく紹介してくれました。

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 ブースでは、ステージで紹介したことを展示や実験で訪れた方々に分かりやすく説明していました。

今回実験コーナーを設置し、海水の気温が上昇すると水は酸性化、サンゴが壊されていく様子を、本物のサンゴ(沖縄の海辺にあったものを拾って届けてくださった方のお陰)にレモン汁を数滴かけてみると、ジュジュジューとサンゴが溶けていく様子が分かります。

海中で大変なことが起こっていることを、実験を通して実感してもらう事ができました。

MY行動宣言にもたくさんの方々が協力してくださり、大漁旗にも環境を思いやる言葉をたくさんいただきました。

この大漁旗は、アクアトト岐阜、鳥羽水族館、名古屋港水族館に送りしばらく飾っていただくことになりました。

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今回の活動に参加した生徒たちの感想を抜粋いたします。

 

*私がBEPに参加したきっかけは、カリタスホームで先輩方が発表しているのを見て、すごくかっこいいと思ったのと同時に自分もやりたいと思ったことでした。

実際活動を始めると、先輩たちのアイディアや提案に圧倒されました。

DSC_1269最初は意見を言えませんでしたが、途中から自分の意見をしっかり言えるようになりました。

自分の提案したことが採用された時は、本当に嬉しかったです。正直、活動が想像していたよりもハードで辛いこともたくさんありましたが、自分たちが暮らしている地球を自分たちで守らなければならないと思い頑張ることができました。(1年生)

 

*私は自分にしかできない「何か」を探すことを目標として、BEPの活動を行ってきました。

DSC_1280本来の目的である「何か」を見つけることはできなかったのですが、ヒントとなるようなものを見つけました。

それは、「コミュニケーション」です。

活動を進めていく上でも必要だし、活動報告や記事を書く際にも自分の言葉で伝えていくというのはとても大切だということがよく分かりました。(1年生)

 

DSC_1367*イベントでは限られた時間の中で、私たちの活動をよく知らない多くの人たちに伝えていかなければならないので、どのような言い方だったら手短に伝わるのかという言葉の選択にも悩みました。

でも、話し合いの回数を重ねるごとにコツがわかり、自分なりにできるようになりました。私がこのBEPの活動を通して一人でも多くの人たちに環境について知らせ、地球の手助けになればいいなと思いました。(2年生)

 

*学生の今しかできないことだし、何よりも“女子高生が社会を変える”というキャッチフレーズがかっこよくて強く惹かれました。

制作までの過程が想像以上に大変で、なかでも一番自分を成長させてくれたのが店舗アタックでした。

DSC_1387正直言ってしまうと、女子高生だから多分だいたいの店舗の方々はOKしてくれるでしょう・・・と思っていました(笑)。

でも現実はそんなに甘くなくて、私たちの班は3カ所電話して1カ所だけ訪問させていただいたという感じでした。

その1カ所も最終的にうまくいかず、後日断られてしまいました。あの時に、もっとうまくわかりやすく説明ができたらOKをもらえたんじゃないかと、後から後から自分に対する不満や悔しさが出てきました。(2年生)

 

*BEPで3年間活動を行ってきた中で、日々成長させてもらったと感じています。

DSC_1376人前で話すこと、物を作ること、自ら進んで行動すること、学ぼうとすることなど自分にとって苦手だったものが、BEPの活動を通してできるようになり、また苦手意識がなくなりました。

この活動をやってきて、学年を問わず、いろいろな考えや刺激がもらえました。多くの仲間に出会えて本当に良かったです。(3年生)

 

DSC_1377*今回参加して、周りの友人が自由登校を楽しんでいる中、社会のために自分が動かなければいけないという事実を実感し、仲間と共に活動をした時間は本当に素晴らしい時間になりました。

イベントでは、お客さんと面と向かって話し、うんうんと聞いてくださる皆さんの姿に感動をしました。

相手が笑顔だと自分自身に自信がつき、話すのが楽しくなりました。(3年生)

 

DSC_1421*私はBEPに入って、知ることの大切さ、伝えることの大変さ、仲間の大切さを学びました。

BEPに入っていなかったら会えていない友だち、後輩、一緒に頑張れたのは皆がいたからだと思います。

そして環境問題という大きな事について考えられたのは、BEPだったからです。

活動を終えた後でも、ニュースを見て気になったり、普段の生活を改めることができるようになったのもこの活動のおかげだと実感しています。

やりたいと思った人たちが集まった団体。

そんな強い気持ちの集まりだったからこそ、今しかない高校生活をBEPに捧げて良かったと思い達成感と満足感を味わっています。(3年生)

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Blue Earth Projectに1期生として参加した1年生の生徒たちが、今年卒業していきました。

その中の4人は、使命感のようなものを感じたのか、ずっとBEP活動を続けていきました。

最初に参加するきっかけになったのは、先生からの呼び出し状でした。募集をかけましたが、踏み出す勇気がない様子だったので、背中を押してみました。

その出会いが、彼女たちを大きく成長させる活動になりました。

そのような生徒たちを見ると、教員はきっかけ作りだけをしてあげればいいことに気づかされました。

今回も私たち教員はいろいろプランを立てていましたが、生徒たちの方からプランが出されたものは、私たち以上に考えられたプランでした(汗)。

そして何より感心させられたのは、次世代を育てることを意識したプランでした。

 
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 教員も一緒に活動をし学んだBEPでしたが、生徒たちの秘められたパワーに驚かされました。

生徒たちが主体的に学び、行動し、分かったことを伝達するこの一連の活動が、現在よく耳にするアクティブラーニングだと思いました。

そして何よりこの活動を通して、生徒たちの生活スタイルが変わってきたことです。

地球を思いやる心が、自分と、他者と、自然との関係をよくすることになります。それこそが、神の似姿に創造された人間らしい生き方だと思います。

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爽やかな笑顔、笑顔!

DSC_1252-001 2月の下旬から卒業式に向けて、3年生たちは心の準備をしていきます。

その一環として行われるのが、布池カトリック教会で行われた卒業感謝ミサです。

3年生と参加希望の保護者と共に、3年間の学校生活で目に見えるもの、見えないもの、それぞれが頂いた数多くのものを心に留めながら神様に感謝を捧げました。

感謝ミサを司式してくださったフィリップ神父様のお話を抜粋いたします。

 

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「教育は自分を幸せに、人を幸せに、世界を幸せにします。教育で得た知識は、人のために使うようにと自分の心の奥から聞こえる声が教えてくれます。

その声に従って、人を愛してください。愛するとは、与えること、、赦すこと、繋がりを持つことです。

恐れがあってもそれを乗り越えて、人を信じてください。隣の人と繋がり、そこに喜びを感じます。

DSC_1278-001人と関わることで、喜びを感じるために、教育でその事について学ぶのです。

『一粒の麦』の生き方をこの学校で学んだ皆さんは、麦の穂のように一人で生きているのではなく、人と繋がって生きています。

他者と繋がっている自分の存在を認め、また相手も受け入れ、お互いに存在しているだけで幸せを感じられるのは、教育の力です。」

 

神父様から3年間学んできた生き方のまとめのお話を聞き、3月2日の卒業式を迎えました。

 

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当日は肌寒く感じられましたが、晴天で澄んだ青空が卒業する生徒たちの心を表しているかのようでした。

IMGP4171-001担任の先生から一人ひとりの名前が呼ばれ、「ハイ」と答えて卒業証書を校長先生から受け取っている生徒の様子を見ながら、18年間こうして多くの人たちから自分の名前を呼んでもらい、自分から出て歩んできた道。

この道は、「自分になる道」。

思春期の多感な時期、本校での生活を通して「自分というかけがえのない存在」に気づくと同時に、自分は他者との繋がりで支えられてきたことにも気づかされ、感謝の気持ちが一人ひとりの心から湧き上がってきたような卒業式でした。

 

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式後、それぞれの先生の所に行き、自分がどれだけ迷惑をかけたか、どれだけ忍耐を持って関わってもらっていたのかを自分の言葉で先生方に感謝の言葉を述べている光景を見ていると、彼女たちの高校生活は、充実した日々であったことを物語っているようでした。

だから、爽やかな笑顔だったのですね。この爽やかな笑顔を見させてもらえる教育現場に身を置ける私も、彼女たちに感謝です!

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「恋」と「愛」のどっちが好き?

 ailis3年生のウマニタスの時間、「恋」と「愛」の違いについて考えました。

女子高校生にとって、この2つの言葉は大変興味のある言葉ですから、その違いについて真面目に考えてもらいました。

この授業を行う前に、同じような内容の記事が中日新聞にも載っておりました。

この記事は、人生経験の豊かな方々の意見が掲載されていましたが、本校生徒の意見も聞いてみました。

 

「恋」派の意見

chuurippu*たとえ誰かに恋をして、その人が遠い存在で叶わない相手だったときに、それが恋の感情であれば諦めるのも大変じゃないし、他の人を好きになれるかもしれないけれど、それが愛の感情だったら、諦めなければいけないのが辛すぎるし、他の人のことも考えられないから。恋の方が楽しいことは、多いかなと思う。

 

*好きな言葉は「恋」だと思うけれど、なりたい自分というか最終目的は「愛」ではないだろうか。私たちは他人に対して条件を求め、自分にとって価値あるものを見出そうとしてしまう。別に「恋」が悪いわけではないが、いつまでも自分勝手でいるとはかなく散ってしまう。だから私は「恋」を経験して、「愛」はどんなものか、これからも探していきたいと思うし、自分も他人を愛することができるようになりたい。

 

*今はまだ「恋」のことを考えて、楽しい気持ちでいたい。

 

*「愛」を語り合ったり感じたりするのは、まだ早い気がする。異性に限ったことだけれど、恋の方が気楽な感じがする。

 

*恋に対しては、キラキラしていて10代のうちは恋に近い気もするが、一過性でいつなくなってしまうかわからないという不安がどこかにある。

 

*恋はその人が持つ良い部分に惹かれることで、悪いことではないと思います。そして、その人がいいなって思えたら、悪い部分も受け入れ愛に変えていけると思いました。

 

 

「愛」派の意見

sumire*自分の命が宿った瞬間から家族からたっぷり愛情を注がれ、関わってきたたくさんの人からもたくさんの愛を与えられてきたことを自分自身で実感しているから。愛を感じるほど、幸せなことはないと思う。与えられた分、誰かに与えたいとこれほど強く思うのは、愛だからこそ!

 

*愛は友情や家族愛を表す言葉でもあり、自分の大切な人を表す言葉だと思う。だから、愛があれば優しくしたり大切に思うことができる。生まれる前から死んだ後までずっと愛と人間はセットで、一人の人間がこの世に存在する限り、切っても切れないものだと思うし、いつまでも人を愛する気持ちを決して忘れてはいけないと思うから。

 

*愛は「愛する」という言葉だけでなく、「愛しい」と言う言葉にも「愛」という漢字が使われており、周りの人に対して自分の気持ちを伝えられる。

 

*家族はどんな自分でも、どんな時でも私を思ってくれていて、これが“愛”だと思った。恋をすることで得られることよりも、愛を受けたことで得られるものの方がずっと大きいと感じた。

 

*愛は相手のために自分を犠牲にできる覚悟や信頼、責任がともなう言葉であると感じます。私たちは生きていく中で、もし恋がなかったとしても生きることに対する支障をきたすことはありません。けれど愛がなければ、自分らしく、人間的な生き方をすることは決してできないと思います。

 

*愛のある人生は、それだけでとっても幸せそうだと思った。誰かを自分より大事だって思えたら、それはすごい。誰にも思われず、誰にも愛されず死んでいくのは悲しすぎる。

 

*自分を犠牲にしてでも守りたいとか、自分よりも大切に思えるとか、絶対的な信頼関係がないとできないことだし、そういう風に自分が恋ではなく愛だと思える相手に出会えることで、愛は自分も成長できるし、心を落ち着かせることのできる相手に出会える言葉だと思った。

 

*どんな時にも心にあるのは愛だし、お互いに与えあって育んでいく「愛」は人間にとって、何よりも大切なものだと思ったから。「愛」は深くて信頼も生まれるし、何よりも大きなもの。愛は人の心を包み込んでくれるような温かくて、優しいもの。

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 授業で取り上げる前までの生徒たちは、「恋」と「愛」について真剣に考える機会がなかった分、卒業を間近にし本校でよく耳にした「愛」を考えることに意味があると思いました。

中日新聞5月13日付け新聞の記事を読むと、

「恋は相手の人柄を見ることができることから、いろいろ経験して自分も成長し相手を本当に愛しむことができる人間になっていく。」

というような内容が多く見られました。

 

 
アネモネ 花言葉 愛・3月の花 人を好きになり愛おしく思える気持ちを持てることは、人生にとって素敵なことですね。

私自身も振り返ると、胸がキューンとなっていた時期があったことを思いだし懐かしくなりますね(笑)。

あの頃は周りが見えず、自分と相手の人しか存在していないと思っていました(若かった!)。

色々な人とお付き合いをして、自分を知るいい機会になっていたことは確かです。

だから、今の生徒たちが、「この人」と決めつけて付き合っている様子を見ると、他にもいい出会いがあるかも・・・と思ってしまい、余計なことを言ってしまいます(今、言っても無理とわかりつつも)。

「恋」は、自分にとって価値があるものを相手の中に見出している時は、上手くいきます。つまり、条件付きですね。

それに反して、「愛」は自分の好みではなく、相手の嫌な所もすべて受け入れ、相手を愛おしく思い自分を顧みない無償の心です。

その愛の存在を具体的に生きて教えてくださった方が、イエス・キリストです。

 

人を好きになることとはどういうことなのか、恋をいっぱいして、人を愛することができる人へと成長して欲しいと願っています。

 

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