「2020年05月」の記事
学校再開
緊急事態宣言が解除され、学校の再開が検討され始めました。2年生、3年生にとって約3か月ぶりの登校、1年生は入学式以来の登校。
本校は5月18日から分散登校を、始めました。クラスも奇数グループと偶数グループに分け、学校滞在時間は最高3時間としました。
初日の18日、19日は1年生のみの登校。通路や校舎内の要所、要所に教員が立ち生徒たちを迎えました。生徒たちの表情はマスクでよく見えませんでしたが、やはり緊張している様子が伝わってきました。
職員室に居ても、生徒たちの話し声は聞かれず、学校が再開したという感じがしませんでした。
20日、21日は、2年生と3年生がグループに分かれて登校してきました。久しぶりに出会った友人や先生たちとの再会を喜びをもって表現していました。このような状態で、ソーシャルディスタンスを保ちなさいというのは無理ですね(笑)。
生徒たちを迎え、生徒たちの生き生きとしたエネルギーが学校を生き返らせ、本来の学校の使命がやっと始められた感を味うことができました。
コロナウイルスと闘うのではなく、共存していく生活スタイルが叫ばれ始め、これからの学校生活の過ごし方、生徒たちと私たちが自分の命と他者の命をどのように守っていくのか、一人ひとりの生き方に責任が与えられているように感じます。
この生き方によって、他者を思いやることができる社会へと成長していけるように生徒たちと共に考えていけたら、日本が「大人社会」へと変革する助けになることでしょう。
5月17日のごミサ
新型コロナウイルス感染防止の措置として、諸宗教は大勢が集まって祈る機会を減らす努力をしています。カトリック教会も同様、教会に集まり日曜日のミサや毎日のミサは、執り行われなくなりました。
名古屋教区長松浦悟郎司教様は、信者たちのためにミサのライブ配信をして、信者の霊的指導をしておられます。今回、私たちの修道院チャペルで、日曜日のごミサを挙げてくださいました。その様子を分かち合いたいと思い、アドレスを掲載いたしました。司教様のお話を皆様に聞いていただければ、キリスト教が広まった理由もお分かりいただけると思います。また、皆さんのご存じのシスター方も見られますよ。
https://youtu.be/6G5z5dsk3Jc?t=459
愛に生きる
爽やかな5月になりました。この時期は、創立記念日を迎える準備の歌声が聞こえてくる毎日ですが、今年は新型コロナウイルス感染拡大予防の休校措置のために、歌声は聞こえてきません。
新型コロナウイルスが世界中に拡大し、報道番組では「中止したことはこれまでなかったこと・・・」という表現をよく耳にします。「ラ・カリタ」の歌声が校舎に響かない創立記念日は、初めてであり二度とこのようなことが起きないように祈りたいですね。
本修道会(幼き聖マリア修道会)が創立されたのは、1832年イタリアの北部ローベレという小さな町です。聖バルトロメア・カピタニオと聖ヴィンチェンツァ・ジェローザが、「あがない主の娘」として十字架上のイエスのように人々の救いのために「血を流すほどに愛する」生き方をする特徴の修道会を始めました。
現在、全世界の人々は新型コロナウイルス感染拡大で苦しんでいます。私たちの修道会の歴史を振り返ってみても、同様なことが起きていたことを、理事長Sr.フランチェスカからお話を伺いました。
修道会が創立された4年後の1836年、ローベレにコレラが大流行しました。聖バルトロメア・カピタニオが他界した後、聖ヴィンッチェンツァ・ジェローザと6人の若いシスターたちが、聖バルトロメア・カピタニオの遺志を引き継いで修道生活を始めていた時でした。
この時は、ローベレで小さな小学校を始めておりました。子どもたちの一部は寮生活をしていましたが、聖ヴィンチェンツァは子どもたちを自宅に帰らせ、空いたスペースを貧しくて病院へ行けない人々を収容し世話をしていました。コレラ患者の世話をする時に、世話をするシスターたちにも感染するリスクが高かったので、院長の聖ヴィンチェンツァは、
『私はこれから患者さんの世話をしに行きますが、感染の恐れがあるので皆さんは自由にしてください。』
と呼びかけました。が、6名のシスターたちは感染者の世話をし続けました。コレラが終息を迎えた時には、誰一人感染していませんでした。彼女たちの行動を揺るがないものにしたのは、イエスのみ言葉
「わたしの兄弟である最も小さい者の一人にしたことは、私にしてくれたことなのである。」(マタイ福音書25章40節)
でした。その生き方が多くの実を結び、今も私たちの心に受け継がれています。
今も感染者のそばで自分を顧みず献身的にお世話をしてくださっている医療従事者の方々のことを、思い起こしながら祈りましょう。そして、自分の命、他者の命の大切さをしっかり考え、今私たちが感染を拡大させないことを考えて行動できるようにいたしましょう。