「2020年07月」の記事
いのちの学習(1年生)
6月から平常授業が始まり、急に学校生活リズムに合わせなければならなくなった生徒たちの表情は、疲れ気味でした。しかし、徐々に学校生活にも慣れ友人もでき、本来の学校生活を過ごしている様子に、こちらも安心しました。
3密を避ける意味で、行事関係も見直さなければならないこの時期、1年生対象の「いのちの学習」を7月2日に実施することができました。今年の講演者は、ココカラウィメンズクリニック医師伊藤加奈子先生にお願いいたしました。1年生対象なので一般的な体のことについてポイントをつかみ、自分の体は自分で守ることをわかりやすくユーモアをもって話してくださいました。
その様子を、生徒の感想文から抜粋して紹介します。
・今日の講演会を聞いて、性はずっといやらしい事って思っていたけれど、「性」って漢字が心と生って聞いた時から、自分の中で性についての考え方が変わりました。・・・今の日本は、世界よりも遅れているから、より多くの人が性の正しい知識について、もっと知るべきだと思いました。
・日本はあまりこういった内容の事、今日みたいに詳しく教えることをあまりやりません。でも、こういうことはもっと早く知っておくべきだと思いました。そうすれば、高校生の予期しない妊娠などを防げたり、プラス面でもっとたくさんのことが良くなると思います。私は、そういう行動や言動に責任の持てる人になりたいと思いました。
・講演会で性の多様性やLGBT、ピルの話、妊娠、避妊、生理の話を聞いて、自分の性に対する知識の足りなさを痛感しました。また、困ったときは誰かに相談することの大切さを、改めて学びました。
・小学校や中学校では、男女別に分かれて、生理の授業を受けたり、保健所の方が性感染症について教えてくれたりしたけれど、下品なものというイメージが強く、現実のことだと思えないまま授業を受けていたけれど、今日の講演で、専門の先生のお話を聞くことで、身近に感じることができました。
・先生の話を聞いて、10代で妊娠する人が結構いることに驚きました。ですが、逆に考えると自分も妊娠する確率が十分にあるということなので、性行為など容易にしないように気を付けていこうと思いました。
・授業や道徳の時間に“命”や“性”について学ぶこともあったけど、実際に婦人科の先生に話を聞くことはなかったし、貴重な時間だったなあと思いました。きちんとした知識を持つことで自分も周りも助けられるかもと聞いて、これからも正しい知識を持ち続けていきたいと思いました。そして、私は少しLGBTに偏見があったのですが、決して悪い事ではないし、人間すべて同じなんて無理があるなぁと、この機会に少し理解が深まった気がしてよかったと思いました。
新型コロナウイルス感染拡大で、休校が余儀なくされ生徒たちは自宅に留まらなければならない時期が3か月もありました。その間、メディアで10代に妊娠が増加していることが報道されていることを知りました。
生徒の感想の中にあったように、男女とも正しい性の知識を持っていると悲しい結果に終わらなかったのかと思い、私自身教育者としての責任を感じました。性に対する正しい知識を持っていたら、自分の性とどのように向き合って生きていくのかをしっかりと考える姿勢が身についていくと思います。また、困ったときに相談できる大人の存在も必要だと思います。
本校の「いのちの学習」は、そのような思いをもって実施しています。