「2020年11月」の記事
居場所
毎年行われている、全校生徒が集まって行う「慰霊の集い」は、コロナ禍に合わせて少し予定を変更して行いました。司式は春日井教会主任 北向修一神父様です。私たちにしてくださったお話を、抜粋して紹介します。
「この聖カピタニオ女子高等学校が今も存続して私たちの学び舎になっているのは、先輩たち、教職員の方々のおかげです。
『私はあなた方のために場所を用意する』(ヨハネ福音書14章2節)
と、イエスは言っています。これは、人間が寿命を全うしても、その魂は天国で安らかに憩うことができるということを示しています。だから、私たちはこの人生を意味のあるものとして、大切に時間を使おうとします。そして、私たちも限られた時間の中で様々な居場所を作ります。家族は私たちの居場所ですが、家庭以外でもそれぞれの場所が必要になります。皆さんにとっては、この聖カピタニオ女子高等学校ですね。
初期の生徒たちは学業に励みながら、グランドを整備する奉仕をしたと聞いています。先生方は大村はまさんの言葉通り
『子どもたちはその日を2度と迎えないのだし、その時間も迎えない。教育者たる自分はいつでも最高の自分でなければならない。』
という想いをもって教壇に立っています。今の私たちも準備された場所を守り、未来の後輩のためにこの場所で精一杯に活動をしています。この学び舎でたくさんの人が私たちのように働き、学び、いつかは過ぎ去る時の中で、文字通り聖カピタニオ女子高等学校という場所を守り愛した人々がたくさんいるのです。
『何事も愛する方法は、それをいつか失うかもしれないと認識することである』
ギルバート・チェスタートン(1874~1936イギリス人)
今日の福音書のように、場所を誰であろうあなた方のために用意した人々こそ、この言葉は相応しく輝いています。私たちが慰霊する人たちは、そんな素敵な人たちなのです。どうか皆さんが、この先輩の方々に絆・繋がりを少しでも感じてくださるなら、それが一番の慰霊の儀式になるでしょう。」
こうして今年も全校生徒と教職員が一堂に会して、学校関係者の方々のために祈ることができたことに感謝したいと思います。神父様のお話にあったように、本校がこうして創立当初から教育活動を続けてこられたのは、たくさんの方々の生きた証があり、種を蒔かれたおかげです。その種が芽を出し、成長し、今では大きな木になってきました。この大木を成長させるために、後輩たちの居場所になれるように私たちの愛を注いでいきたいものです。
地球にやさしい活動
10月31日(土)「’20秋の藤前干潟クリーン大作戦!!」に、生徒18名と参加して来ました。当日は、穏やかな秋晴れで、柔らかな太陽の光に包まれながら、1時間半、藤前干潟のごみ拾いをしました。
当日の藤前会場は事前の申し込みで総勢300名参加し、数組の団体の人たち、家族、夫婦、そして私たちといろいろな人たちと関わりながら清掃活動に取り組みました。
参加した生徒の感想を抜粋します。
*以前、校内のお昼の放送で、2030~2050年には、海中のプラスティックごみの量が魚量を上回ると予想されることを聞きました。私にはその時実感がわきませんでしたが、今回この活動をし、直接ゴミの量の多さを目にして実感できました。(2年生)
*参加した人たちと一緒に、ゴミ拾いをしている連帯感を味わうことができました。それは、岩場の間に落ちていたバケツを友人と2人で取ろうと頑張っていたのですが、岩が重く持ち上げられなくて、近くにいた男性に声をかけ手伝ってもらい、バケツを取ることができました。声をかけるのに、勇気はいりましたが・・・。(2年生)
*今回の活動に参加して、いかにポイ捨てが多いかということを知りました。岩の間に挟まったペットボトルを懸命に拾おうとする友人を見て、助けに行きました。誰かが無意識で捨てるごみは、誰かのおかげで処理されている、すなわちボランティアがいなければ、永遠に残るゴミになっていたことを、人々は知るべきだと感じました。地球のために、少しでも役立つことができて満足です。(2年生)
*藤前干潟が世界中の鳥が集まるオアシスであることを知り、ゴミで溢れていることや気軽にポイ捨てされている現状にとても不安になりました。このような活動に参加して、ポイ捨てをしない意識が高まると思いました。(1年生)
*今回拾ったごみの中で多かったものは、プラスチック破片でした。これを食べ物と間違えて食べる魚や海洋生物のことを思い出しました。そのことを考えると、とても危険で危ない事だとすぐ分かりました。(2年生)
*この活動に参加し、私より小さい子供たちやお年寄りの方々まで参加しているのに感動し、人々の温かさを感じられました。足場が不安定で大変でしたが、実際自分たちが集めたゴミを見て、達成感を味わうことができました。また、作業中でも運営の方々や先輩、一緒に活動していた仲間に気遣いの言葉をかけていただき、とても嬉しくなったし、心が温かくなりました。環境や鳥を保全するための活動をして、人々との関りや交流もできて自分自身とても成長できました。(1年生)
*私はボランティアに参加して世の中の人の役に立ち、少しでも地球がきれいになってほしいと思い活動に参加しました。ごみを捨てたら、その分誰かがゴミを拾わないと汚くなってしまうと改めて思いました。誰かが落としたごみは、誰かが拾ってくれているから、この地球がきれいなんだと感じました。自分の知らないところで、このように掃除をしてくださったり、いろいろな活動に参加して、少しでも地球がきれいになるように頑張ってくれている人がいることを知ってすごいと思ったし、自分もそういう人になりたいと思いました。(1年生)
*ごみの中で私が多く見たものは、ビニール袋とタバコでした。ビニール袋やストローが海の生き物たちにとって危険になるという動画を見たことがあったので、この活動に関心をもっていました。短時間の活動でしたが、友人と一緒にたくさんのごみを拾い、ビン、缶を分別するときに、他のボランティアの方々とお話をができて、とても有意義な時間を過ごすことができました。(1年生)
生徒の感想の中にあった
「ごみを捨てる人がいれば、それを拾う人もいる」
という言葉にハッとさせられました。各自が責任を持って行動していれば、ゴミの問題がこんなに大きな社会問題にまで発展することがなかったでしょう。ごみは人間が生み出すもの、だったら人間が片付けないといけないことを参加した生徒たちは気づいたようです。活動の終わりに環境省の方と話していた時、
「一生の中でゴミ拾いに参加した人は、ごみを捨てない人になります。」
とおっしゃった言葉が心に残りました。小さな子供たちを連れて参加した家族は、家庭の中でごみ問題に関することが話題になっているのかと思うと、心が温かくなりました。地球にやさしくできる人は、隣人にも優しくできる人になれるでしょうね。
活動の終わりに、渡り鳥たちが一斉に水辺に飛来している光景を見ることができ、生徒たちが行った活動に鳥たちも安心して食べ物を取っている様子に感動しました。まるで、私たちの活動に感謝するために来たような感じを受けました。