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お互いを尊敬し合ういのちの学習
1年生の「いのちの学習」は、6月に行われました。
1年生ということもあり、生理について、LGBT、避妊など基本的な内容でした。
生徒たちの感想を読むと、LGBTの話に興味を持っている生徒が多くいました。
やはり、今ニュースで話題になっている「同性婚」や、身近に心と体の不一致で悩む友人がいたり、自分自身のことで悩んだりしているからでしょうか。
生徒達の感想を抜粋し紹介します。
*LGBTについて中学の時より、詳しいことを知りました。お話を聞きながら、多様性を大切にしなければいけないと改めて感じました。・・・生と性は同じようで違うので、その違いについても理解して大人になっていきたいです。
*小学生、中学生の頃も、命の学習のようなものがあったので、なんとなく知っていたが、自分の体は自分で守るということを改めて実感した。・・・海外では性の多様性が広まっていて、日本が遅れていることは知っていたが、海外との差がそんなにあると思っていなかったので、驚いた。生と性についてしっかりと理解し、すべての人を平等に認め合って生きていきたいと思った。
*性のことは家族や友人に話すことができず、つい一人で抱え込んでしまうことが多いので、今回伊藤先生が私たちのために性や月経薬のことなど寄り添ってお話していただいて、本当に救われました。・・・性教育をしっかりすることで、性被害などを防ぐ予防になると思うので、学校で改善していくべきだなと感じました。
*自分の性のことを自分から進んで調べようとしたことはなかったし、調べようとも思わなかったので、知らなかったこともたくさんありました。「女性だから」という理由で弱い立場にされることが多いけれど、自分自身のことを自分できちんと理解して弱い立場に置かれないようにしなければならないと思いました。
*相手と自分を守るためにも、理解しておくことが大事ということが分かった。誤った情報が出回っていて危険なので、情報が正しいか判断できるようになりたい。将来、自分が悩むことがあるかもしれないし、相談されるかもしれないので、正しい知識を知ることは大切だと思った。
*日本では性についてのことは、何故かタブーなイメージがあるから、あまり公に教えられる機会はないけれど、今日お話を聞いて、自分が間違って認識していた知識や知らなかったことがたくさんあって、知らないまま大人になっていたら怖いと感じた。正しい知識を学んだ今日から、自分の体は自分が責任をもって守り、正しい判断をしなければならないと感じた。
この授業はLHRを利用して行われる関係で、1年生学年会のほとんどの教員が、伊藤先生のお話を聞いています。
最近、ある生徒と話していた時に、「このような授業を男子にもしないのですか?」と聞かれたことがあったことを思い出し、参加した男性教員に感想を伺いました。
「先生のお話を聞かなければ、男性に求められたら女性がNOと言えないことや、生理中のイライラ状態も知らなかったので、聞かせてもらってよかったです。生徒たちの様子を理解することができました。また、将来出会うパートナーとの付き合い方も教えてもらった感じで、このような時間を男性も聞いた方がいいと思いました。」
昔から女子だけが受ける性教育について、私は疑問に思っていました。男性も女性の体の仕組みや心理状態を学び、女性も男性の体の仕組みや心理状態を知ったうえでお付き合いをすれば、もっとお互いを尊敬し合う関係になるのではないかと思いました。
みんなが生きていく中で知ってほしい事
今年はコロナ禍の中で心配したのですが、1年生も「いのちの学習」の授業を受けることができました。
ココカラウィメンズクリニックの伊藤加奈子先生にお話をしていただきました。1年生は「性の学習の総論」と言う形で、月経について、男女の関わり方、デートDV等についてお話をして頂きました。
この講演を始める前に先生は生徒たちに、「性教育は学問。科学的なことだから恥ずかしい事、いやらしい事でもない。」と前置きしてから始めてくださいました。これまでとは違う雰囲気で生徒たちは聞けたのではないかと思います。
*「性」に関するお話を聞く機会は中学でもありましたが、高校生としての視点からのお話として初めてなので改めてためになるお話でした。お話の中にあった「月経を遅らせるためのピル」ですが、私自身中学の時に泊りがけの行事に参加した時に、月経の特にしんどい日とかぶりそうだったので産婦人科で弱めのピルをもらって快適に過ごした身なので、ピルの使用についてあまり浸透していないことに少し驚きました。また、子宮頸がんワクチンについても、正しい知識を付けることは本当に大切なんだと思いました。私の場合、母は理解がある人でしたが、自分の体は自分で守るためにも、「なんだか話しづらい話題だから」と遠ざけずに、自分の方からも積極的に情報を集めていけるようにしたいです。
*「性教育」のイメージが変わりました。海外ではすでに性教育が小さなころから行われており、“学問”として扱われていることを知って、進んでいると思いました。性教育は恥ずかしい事ではないのですね。むしろ、よりよく生きていくための大切なことだと気づきました。
*“女性の在り方”とは、一体何だろう?一人の女性として気を付けなければならないことは何だろう?私は今まで男女の行為が恥ずかしいものだと思っていました。しかし、お話を聞いて恥ずかしい事ではないということに気づけました。私はお母さんに、いつも感謝しています。苦しく痛い時間を乗り越え、私の事を産んでくれたと思うと、やっぱりすごいとよく思います。
*私たちの生きている時代では、もはや性別は男と女では収まらないところに来ているんだなと改めて思いました。LGBTという名称や自分の性別がわからない人、同性愛者が増えていることなどは知識程度で知っていましたが、そのことが原因で学校や社会へ出るのが辛くなったりしている人も増えている現実も知り、その様な人たちが安心して生活できるためにも、まず身近な私たちの態度をしっかりさせていかないといけないと思いました。
*一番印象に残ったのは、「デートDV」についてのお話でした。まず、デートDVとは、結婚していないけれど親密な相手からの暴力だと知りました。デートDVのチェックリストを見て、「相手の携帯を見る」という行為もデートDVに当たると知り、相手の気持ちを尊重しない行為はすべてデートDVになるのではないかと考えました。特に、「束縛の中の尊重はない。」という言葉が心に残りました。
これまで生徒たちが受けてきた「性教育」と違う雰囲気で聞くことができたのは、伊藤先生がおっしゃった「性教育は、学問」という言葉によって、聞く姿勢が変えられたからではないでしょうか。
それと、本校の教育「自分を大切にする。好きになる。」ことを4月から耳にしてきたこともあり、自分の心身をどのように大切にしていけばいいのか、各自、自分なりの答えを見つけたいと思う気持ちからかもしれませんね。
色々な角度から新しい知識を得、「自分を大切にする生き方」を学んでほしいと願っています。
3年生いのちの学習
高校3年生、最後の「いのちの学習」を行いました。講師は、ココカラウィメンズクリニック院長伊藤加奈子先生です。先生は「これから皆さんが生きていくなかで知ってほしい事を、中心に話します。高校を卒業したら、このような性の学習は聞かなくなるので、大事なお話をしますね。」と、講義を始める前にお話をしてくださいました。
「女性のライフスタイルの変化と女性の病気です。昔と違い平均寿命も延び、生理によっていろいろな病気が増加してきています。だから、自分は病気になるかもしれないと思うことが大事です。」と、生理時のホルモンの関係によって生じる病気や閉経時の病気を、パワーポイントを使いながら具体的に話してくださいました。
生徒の感想を抜粋いたします。
*伊藤医師が話してくださる前に、「最後の性教育」という話があったが、そこで日本の性教育について考えさせられた。性教育の大切さを、3年生になって改めて感じた。1年に1回しかないけれど、貴重な機会となった。女子高なので、女性特有の話もたくさん聞くことができた。
*今、ダイエット中で少し体重が変わると一喜一憂してしまって、どんどん減らしたいと思ってしまうけれど、やせすぎても人を心配させてしまったり、体に良くないからほどほどにして、満足がいくまで健康的にやせられたらいいなと思いました。ピルを飲むことには、すごく抵抗があって今後妊娠しづらくなるのかな?と不安だったけれど、そんなことないと知って、辛い時に薬に頼ってもいいんだとわかりました。
*自分を大切にすることは、相手、周囲の人を大切にすることにつながる。“NO”と言える勇気を持って自分の意志を伝えられる女性になりたい。きちんと自分の意見を言える女性が増えれば、強制的にする男性は減ると思った。自分の身は、自分で守らなければならない。
*親の言うことやインターネットの情報を信じてしまいがちだけれど、しっかりと正しい知識をもって、デメリットばかりではなく、メリットにも目を向け、自分の意志をしっかり持つことが大切だと思いました。
*妊娠適齢期の限界は、35歳ぐらいだと知りました。私は結婚しても働きたいけれど、きちんと妊娠適齢期のことも考えて、人生設計をしないといけないなと思いました。
*話を聞くと普段は当たり前に感じているけれど、女性の体は凄く繊細で、自分が一番理解しておく必要があることが分かりました。人によって、その時の状態によって、また精神状態のバランスは違ってくるので、体の変化に慌てずに、正しい判断が取れるようにしたいです。
*なかなか「性」の話については話題にしづらいし、恥ずかしいと感じてしまいます。でも、「性」について考えることは、命について考えることにつながると聞いて、しっかりと向き合っていかなければいけないと改めて思いました。また、少子化の原因が自分は産まないと決めているからではなく、誤った知識で産まない家庭や産まれない家庭があるとしたら、とても残念なことです。3年間「いのちの学習」を通して、正しい知識を身につけられたと感じています。社会に出て、正しい判断、決断ができるように、学んだ知識を忘れないようにします。
伊藤先生は3年生にライフスタイル(仕事・結婚・子育て)をしっかり考えることと、何か自分の体に変化があれば、躊躇せずに婦人科を受診することを強調していらっしゃいました。そのおかげで、お話を聞いた生徒たちの心に安心感が生まれたように感じました。「自分の生き方は人それぞれ、だからと言って自由に何をしてもいいというのではなく、自分の人生に責任を持って生きていってください。」という伊藤先生の思いが、今日のお話から伝わってきました。
いのちの学習(1年生)
6月から平常授業が始まり、急に学校生活リズムに合わせなければならなくなった生徒たちの表情は、疲れ気味でした。しかし、徐々に学校生活にも慣れ友人もでき、本来の学校生活を過ごしている様子に、こちらも安心しました。
3密を避ける意味で、行事関係も見直さなければならないこの時期、1年生対象の「いのちの学習」を7月2日に実施することができました。今年の講演者は、ココカラウィメンズクリニック医師伊藤加奈子先生にお願いいたしました。1年生対象なので一般的な体のことについてポイントをつかみ、自分の体は自分で守ることをわかりやすくユーモアをもって話してくださいました。
その様子を、生徒の感想文から抜粋して紹介します。
・今日の講演会を聞いて、性はずっといやらしい事って思っていたけれど、「性」って漢字が心と生って聞いた時から、自分の中で性についての考え方が変わりました。・・・今の日本は、世界よりも遅れているから、より多くの人が性の正しい知識について、もっと知るべきだと思いました。
・日本はあまりこういった内容の事、今日みたいに詳しく教えることをあまりやりません。でも、こういうことはもっと早く知っておくべきだと思いました。そうすれば、高校生の予期しない妊娠などを防げたり、プラス面でもっとたくさんのことが良くなると思います。私は、そういう行動や言動に責任の持てる人になりたいと思いました。
・講演会で性の多様性やLGBT、ピルの話、妊娠、避妊、生理の話を聞いて、自分の性に対する知識の足りなさを痛感しました。また、困ったときは誰かに相談することの大切さを、改めて学びました。
・小学校や中学校では、男女別に分かれて、生理の授業を受けたり、保健所の方が性感染症について教えてくれたりしたけれど、下品なものというイメージが強く、現実のことだと思えないまま授業を受けていたけれど、今日の講演で、専門の先生のお話を聞くことで、身近に感じることができました。
・先生の話を聞いて、10代で妊娠する人が結構いることに驚きました。ですが、逆に考えると自分も妊娠する確率が十分にあるということなので、性行為など容易にしないように気を付けていこうと思いました。
・授業や道徳の時間に“命”や“性”について学ぶこともあったけど、実際に婦人科の先生に話を聞くことはなかったし、貴重な時間だったなあと思いました。きちんとした知識を持つことで自分も周りも助けられるかもと聞いて、これからも正しい知識を持ち続けていきたいと思いました。そして、私は少しLGBTに偏見があったのですが、決して悪い事ではないし、人間すべて同じなんて無理があるなぁと、この機会に少し理解が深まった気がしてよかったと思いました。
新型コロナウイルス感染拡大で、休校が余儀なくされ生徒たちは自宅に留まらなければならない時期が3か月もありました。その間、メディアで10代に妊娠が増加していることが報道されていることを知りました。
生徒の感想の中にあったように、男女とも正しい性の知識を持っていると悲しい結果に終わらなかったのかと思い、私自身教育者としての責任を感じました。性に対する正しい知識を持っていたら、自分の性とどのように向き合って生きていくのかをしっかりと考える姿勢が身についていくと思います。また、困ったときに相談できる大人の存在も必要だと思います。
本校の「いのちの学習」は、そのような思いをもって実施しています。
「いのちの学習」から
3年生が在学中、毎年聴いていた咲江先生からの「いのちの学習」のお話も今回が最後になりました。
咲江先生のお話の内容は、3年生に話すのもこれが最後だと意識なさったようで、生徒たちが社会に出て困らないようにという親心を感じました。
また、聞く生徒たちも真剣に先生の思いをしっかりと受け止めていました。
毎年行っている講演会だからこそ、1年生より2年生、2年生より3年生と、生徒たちの意識も向上し「いのちの学習」のねらいが伝わっていくように感じました。
生徒の感想を抜粋します。感想からどのようなお話がなされたか感じ取っていただければ幸いです。
*今日の講演を聞いて、私は避妊や中絶についてもっと深く知る必要があると感じました。
将来、自分にもしものことがあれば、しっかり避妊して自分の心に準備ができたら子供がほしいです。
それまでは男性に任せるのではなく、子供を産むのは女性なので、女性である私が自分の行動に責任を取っていきたいです。
3年間の「いのちの学習」を通して「性」の問題について考え、知識を身につけることができてよかったです。
*・・・また、産婦人科というと、どうしても“余程のことがないといかない所”というイメージがあり、ハードルが高い(?)感じがあったけれど、月経前症候群やピルのことなど、これからは女性として気がかりなことや不安なことがあれば気軽に頼ってみてもいいかなと思えた。
*望まない妊娠をしてしまうと、一生忘れることができない傷をかかえてしまうことになると思うので、今日聞いた話はずっと忘れないようにしたいと思いました。
これくらいなら大丈夫だろうという一瞬の間違った判断が一生に響いてしまわないように気を付けたいです。
でも自分だけが気を付けていればいいという話ではないので、相手の人ともしっかりとコミュニケーションをとることも大切だとわかりました。
*10代での妊娠はとてもリスクが大きく、もし妊娠してしまったときでも責任を負うのは「女性」と改めて知り、自分の命は自分で守るためにもきちんとした知識を持ちたいと思いました。
また、望まない妊娠ではなく、ある程度大人になって子供がほしいと思ったときの妊娠ができるように、正しい使い方で避妊用具を扱いたいと思いました。
*卵子と精子が出会う映像を見ることはなかなかないから、勉強になった。
セックスに対して相手がどれだけ考えているのか知るべきだと思った。将来、自分がするときになった時は知識を知っていないと、自分の体がボロボロになってしまうと思った。
自分の体は自分で守らないと、何が起こるかわからないと思った。相手の方が「大丈夫だから」と安易な考え方をしている時点で、その人は気を付けないとと思った。
*今回の講演会から妊娠と命の尊さを学びました。女性なら誰もが経験するかもしれない妊娠についての意識すべきことが多くありました。
また、お腹の赤ちゃんがお腹の中ですでに表情がでていることを初めて知りました。
これを知ることで命の尊さを感じました。
小さな命にも大きな意味があって、母として責任を果たすことの責任感を知りました。
*わかりやすい面白い講演でした。女性が「No」をハッキリ言うことの大切さを学び、これからの人生に役立てたいと思いました。
コンドームのメリットとデメリット、低用量ピルのこと、緊急避妊薬、人工中絶のリスクや女性にかかる身体的、精神的負担は大きいということを、男女ともにきちんと理解することが性被害の減少につながっていくのだろうと思いました。
他人に流されず、正しい情報をもって先の人生を歩んでいきたいと思える講演会でした。
生徒の感想にもありましたが、このような「いのちの学習」は、男性にも大いに学んでもらいたいと思いました。
「性は生」と言われるように、その人の生き方と大いに関わってきます。
男性も性の大切さを知ってもらえれば、お互いを尊重し合える関係つくりができると思います。
本校の生徒たちが3年間で学んだことを、将来出会うパートナーに話してもらえることを願っています。
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