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イタリア旅行パートⅢ
学校が始まり、3週目を迎えました。1年生は移動教室が分からず、教科書をかかえて右往左往状態でしたが、3週目に入り全学年落着き始めてきました。私たち教員も同じです。(笑)
今回は、イタリア研修の大きな目的であるローベレと、幼き聖マリア修道会の本部を訪問したことについてお話いたします。
聖バルトロメア・カピタニオと聖ヴィンチェンツァ・ジェローザの故郷、ローベレ(ベルガモ県)を訪れました。ミラノから山間を走りながら、バスで約1時間30分の所にローベレの街があります。
イタリアでも指折りの湖、イゼオ湖の湖畔にある小さな街です。2聖人たちが生きておられた時代は、貿易の要の街で栄えていたと聞いています。
バスを降りた私たちが最初に行ったところは、オアジと呼ばれている祈りの家でした。その建物は昔病院として使用されており、ボジオ神父様が聖バルトロメア・カピタニオにその病院の運営を任せた所です。
そこで働いているシスターは、私たちのために飲み物とお菓子を準備し大歓迎をしてくださいました。生徒たちはイゼオ湖の心地良い風に吹かれながらお菓子を食べ、ホッとしたひと時になりました。
ローベレの狭い石畳の道を歩いて、2聖人たちがお祈りに通っていたサンジョルジョ教会を訪問しました。
ここで祈っていたお二人は、日本から生徒たちが訪れて祈ってくれるとは思ってもいなかったでしょう。生徒たちにとっても、この片田舎で生きた2聖人と、このように出会っている不思議さを感じていたと思います。
教会を出た後、2聖人たちの生家へ行く予定だったのですが、私自身2年前の道を思い出しながら行きましたが結局道に迷ってしまいました。
一人の女性が私たちの様子を見て近づき、「どこへ行きたいの?私も教員をしていたからみんなが困っている様子が分かったわ!」と案内をしてくださいました。
色々歩いたおかげで、ローベレの方々と言葉を交わしたり、お店の様子も分かり、予定外の散策で生徒たちにとって自由時間を過ごすために、計画を立てるいい時間になったのではないかと思いました(笑)。
翌日の午後、幼き聖マリア修道会の本部(Casa Madre)を訪問しました。国籍が違う多くのシスターたちが、私たちを温かく迎えてくださいました。
中庭に面したところにテーブルとイスが準備されており、テーブルには日本で味わえないお菓子とジュースが載っていました。それを見た生徒たちは、実家に戻ってきた様子でホッとしていました。
おやつを頂いた後、今回の研修の分かち合いをしました。ほとんどの生徒たちはイタリアを訪れ、カトリックの精神に肌で触れたことで、イエス・キリストが本当に実在したということや人々の信仰心(絵画や建築物で表現されているものも含めて)の深さなどキリスト教に興味をもったということを分かち合ってくれました。
また、ミラノやローベレに行き、聖バルトロメア・カピタニオの偉大さを再認識し、本校の生徒であることに誇りを持ったようです。また、シスターたちの温かさに触れ、「イタリアにいたらシスターになってもいいな。」と言った生徒もいました。
イタリアをローマからミラノまで駆け抜けた旅行でしたが、イタリア人の陽気さに生徒たちの心も開かれていきました。
特に、フランシスコ教皇との謁見はとても印象に残ったようです。世界中の人たちから愛されている有名な教皇様を、世界から来ている人々と一緒に直に見ることができたことに興奮していました(私も含め、笑)。
目に見えるものから目に見えないものを見ることの大切さと、イエスのために自分の生涯を捧げたアッシジの聖フランシスコと聖クララ、聖バルトロメア・カピタニオと聖ヴィンチェンツァ・ジェローザ達の生き方から、人生を生きていく上で何を大切にして生きるべきか、また 自分にも与えられている使命に忠実に生きることが自分を活かすことにつながること、等に気づいた旅行になったと思います。
イタリア旅行記パートⅡ
修道院の朝は、シスターたち全員で朝の祈りとミサ、そして個人的な祈りをします。
その静かな時間に鶯のさえずりを聞くと、私たちと共に神様を賛美しているように聞こえ、幸せな時間を過ごすことができ、「今日一日頑張ろう!」という気持ちになります。
4月、新しい生活が始まりました。皆さんにとって緊張の毎日かも知れませんが、登校や出勤の途中でもいいから自然の声に耳を傾けると(スマホではなく)、自然から元気を頂け心にゆとりがもてると思いますよ。
さて、私たちのイタリア旅行について続きをお話いたしましょう。
アッシジを後にした私たちは、水の都ヴェネツィアへ行きました。アッシジからヴェネツィアまでバスで行きましたが、やはり遠いですね。
運転手さんは夕食の時間に間に合うようにバスを走らせ、レストランに直行してくれましたが、夕食は2時間遅れの午後8時になってしまいました。
レストランへ行くとお店の人たちはユーモアを持って私たちを歓迎してくださいましたが、デザートはアイスクリームだったのに他のものになっており、その理由を聞くと「到着する時間が遅れたから、アイスクリームが溶けちゃったよ!」と冗談(?)。さすがイタリア人!
ヴェネツィアも天候に恵まれ、美しい景色が私たちを迎えてくれました。
地元の日本人ガイドさんと添乗員の倉橋さんが時間を無駄にしないようにと、観光客が少ない所から案内してくださったおかげで待ち時間もそんなになく、デュカーレ宮殿、サンマルコ寺院をスムースに見て回ることができました。
当時のヴェネツィアの繁栄ぶりが、伝わってきました。私自身は、共和国時代の総監の住居を見学し政治の仕組みの説明が今回特に印象に残りました。これこそが民主政治だと思いましたよ(笑)。
昼食は、イカ墨パスタを食べ、お歯黒状態(笑)。コッレール博物館、サルーテ教会を訪れた後、ゴンドラ乗船。
生徒たちと私が乗ったとたん、生徒が「カンツォーネ、ペルファボーレ(歌を唄ってください。お願いします)」と言ったのには驚きました。そのように言われて、彼は「分かった!」と言いながらなかなか唄いだしてくれませんでした。
その内に催促すると、他のゴンドラがいなくなったのを見計らって小さな声で歌ってくれました。きっと、歌うことに自信がなかったのでしょうね(笑)。
ヴェネツィアの街を見学したり買い物をしたりして、生徒達たちにとってイタリア旅行を十分満喫した一日でした。
翌日は、ミラノに向かって出発。ミラノ万博のお陰で、市外地が発展していたのに驚きました。
その驚きの一つに、ホテルに湯沸かし器と色々なお茶が準備されていました。日本の宿と同じ「おもてなし」が感じられ、これも万博の影響なのでしょうね。ビックリポンでした。
昼食後、聖マリア・デリ・グラツィエ教会にある「最後の晩餐」の絵画を見に行きましたが、予約時間に間に合わないとチケットが無駄になってしまうので、昼食は味わうどころか急いで食べたという感じでした。
レストランに到着する時間が遅れた理由は、ミラノマラソンが行われていたために迂回路で交通渋滞だったからでした。何回もイタリアに来ていますが、これも初めての経験でした。
バスに乗っている添乗員の倉橋さんと私は時計とにらめっこ状態!二人とも心中穏やかでなかったことは、分かっていただけますよね(笑)。そんな私たちの様子を生徒たちは察してくれて、本当に良く協力してくれました。
スカラ座を外から眺め、ドゥオーモに向かうガレリアと言われる高級店やレストラン、カフェ等が立ち並ぶアーケードを、ミラノ市民になった感じで歩いていくと、ゴシック様式のドゥオーモが目の前に現れました。
あまりの大きさにびっくり。エレベーターでドゥオーモの屋上に上り、尖塔の上に聖人たちのご像が立っている中に聖カピタニオのご像を見つけた生徒たちの喜びはひとしおでした。
ミラノに来て聖カピタニオが身近に感じられ、瀬戸市にある小さな学校が大きな存在であることに気づき、自分たちに誇りを持ち始めている様子が伝わってきました。
イタリア旅行記パートⅠ
冷たい風が吹く中、飛行機が飛び立つまでセントレアの展望デッキで私たちの無事を祈ってくださった校長先生はじめ保護者の方々に見送られ、3月15日?24日まで、25名の生徒たちとイタリア研修に行ってまいりました。
ローマでの初日、フランシスコ教皇の謁見に参加しました。朝から雨模様の天気でしたが、教皇様の謁見が近づいてくると雨も上がり青空になりました。
サンピエトロ寺院の広場は、大勢の人たちでいっぱい。10時の謁見のために私たちは朝8時に修道院を出たのですが(目の前が広場なので、5分で行けると思っていました。)、早いと思って広場に来ると、たくさんの人々で通路近くに座ることができず、とても残念でした(間近に見ることはできませんでしたが、モニターでしっかり見ることができました)。
この広場に来ている人々の名前を、各言語圏で紹介してくださいました。私たち日本は英語圏のグループの中で呼ばれたのですが、日本からのグループは唯一、私たちのグループだけでした。
イタリア各地を歩いていると、日本人の方々を見かけるのですが・・・。次回は、国旗を持って行こうという話になりました(笑)。
ローマで3泊した後、アッシジの聖フランシスコ大聖堂を訪れ、ジョットの描いた聖フランシスコの生涯の絵を見ました。
案内をしてくださった方は、瀬戸教会のビン神父様と同じ修道会の李神父様でした。日本語がとても堪能で、ご自分の信仰体験に根差したお話を私たちの立場に立って具体的にしてくださり、神様に従って生きた聖フランシス
コが身近に感じられました。
今も中世の面影が残る街並みを歩きながら、ローマとは違ったのどかな雰囲気の中でひと時を過ごしました。
今回のイタリア研修を始めるに当たり、ローマの修道院のホテルの聖堂で話したことは、「人はどこから来て、どこへ行くのか。そして、私は何のために今こうして生きているのか?」ということです。
サンピエトロ寺院の壮大で優雅な建築、有名画家たちの描いた宗教画の意味など「何のためなのか?」と自問してほしいと思いながら、案内をしていました。
そして、聖フランシスコや聖クララの生き方に接し、この世の富より素晴らしい宝のために自分の生涯を選んだ二人から、私たちが何を大切にして生きていけばいいのかのヒントを頂きました。
聖バルトロメア・カピタニオが幼い時学んでいたローベレの聖クララ修道院のシスターから、聖クララの精神を生き続け、当時と同じ生活しているお話を伺いました。シスターは、「私たちは祈りを中
心にした、とてもシンプルな生活をしています。神様に結ばれているので年齢の違う姉妹たちと本当の兄弟愛で生活することができ、とても幸せです。」と言われました。その言葉が、とても印象的でした。
まさしく、神への愛と兄弟愛を生きている人のお言葉ですね。見習いたいものです(笑)。
次回も、イタリア研修旅行の報告をさせていただきます。お楽しみに!
イタリアの聖なるパワー
第7回イタリア研修旅行を、3月21日?30日に実施しました。今回は24名の生徒が参加し、井上先生と共に実りのある旅行をすることができました。この旅行の大きな目的は、本校の設置母体である幼き聖マリア修道会を創立した聖バルトロメア・カピタニオと聖ヴィンチェンツァ・ジェローザの生誕地ローベレを訪れ、本校の精神を深めることとイタリアの世界遺産やキリスト教文化に触れることです。10日間の印象的な出来事をピックアップして紹介します。
3月21日(金)の朝11時55分中部国際空港を出発し、ヘルシンキで乗り換え、ローマに到着したのは同日の20時半ごろ。ヘルシンキからの乗客の中にイタリア人の乗客の姿が見え、ローマのダヴィンチ空港に無事着陸した時には機内に拍手が起こりました。さすがイタリア人の思いやりと温かさ!と感動しました。
22日(土)小雨がパラつく中、バチカン博物館を訪れ、システィーナ礼拝堂の「最後の審判」の絵を見て私たちは感動しました。絵の中央に描いてある2人の天使が手に持っているノートのどちら(天国か地獄か)に自分の名前が書かれているのか、しばし自分の生き方を考えさせられる時間を持つことができました。午後は、ローマの街の観光。コロッセオ、フォロ・ロマーノを訪れていた時は晴れていましたが、トレビの泉に向かった頃には小雨模様。肌寒く震えながらもジェラートはしっかり食べていました(笑)。大勢の人だかりの中、生徒たちは再びローマを訪れるようにコインを泉に投げ込んでいました。
23日(日)今日もローマは雨。でも私たちが宿泊している修道院から出発すると雨も止んでくれました。9時に行なわれるサン・ピエトロ寺院のごミサに参加した生徒たちは各国の人たちの祈る姿を見て、「本物のミサに参加して感動!」と興奮状態。一旦修道院に戻り、今度は12時の教皇様のお告げの祈りのお話を聞くために再びサン・ピエトロ寺院広場に出かけていきました。広場には横断幕をもった人たちやおそろいのスカーフを持った人々が教皇様からひと目で見えるようにと工夫を凝らして続々と集まってきました。フランチェスコ教皇様の人気ぶりが肌で感じられました。私たちは人々の隙間をぬいながら、空間を見つけ陣取りました(この場所は神様が私達のために準備してくださっていたことは後でわかりました)。雨も上がり日差しが差し始めた12時。教皇様が窓から姿を見せられた時の大歓声!教皇様のお話が終わり、巡礼団の名前を読み上げられ3番目に、私たちの学校の名前を聞いた時の私たちの大興奮。その小さな群れである私たちの様子が、まさかTVで映し出されているとは思いませんでした。目立つ物を何も持たない私たちの存在が日本からの集団であることがどうしてカメラマンに分かったのか、今も不思議です。生徒たちも言っていましたが、まさに神様からの贈り物でしたね。日本の小さな学校が、この時は世界のカピタニオ女子高校になった瞬間でした。
24日(月)フィレンツェに立ち寄り、ヴェネツィアの宿へ。翌日1日ヴェネツィアの街を歩きました。水の都ヴェネツィアは生徒たちにとって大好きな街になりました。
26日(水)は最後の訪問地ミラノに向かいました。ミラノのドゥオモの尖塔にあるカピタニオ像を見て、今更ながらカピタニオの偉大さに畏敬の念をもったようです。27日(木)カピタニオの故郷、ローベレを訪れました。シスターたちの温かいおもてなしに、家に帰ってきたような表情をしていました。カピタニオがいつも祈っていた教会で、校歌を全員で歌った時の感動。カピタニオ自身、遠い日本から生徒たちが訪ねに来てくれるとは思ってもみなかったでしょう。まさしく神様の御業であることに、本校の存在の原点と意義を再発見しました。カピタニオ達も歩いた石畳を歩きながら、生徒たちにとってカピタニオの存在がさらに近くなったようです。生徒たちはローベレの街を自由に歩きながら、街の人たちと交流を深めていました。
28日(金)午前は、本校の姉妹校モンツァの学校を訪問。午後は、幼き聖マリア修道会の本部の敷地内にあるマリアバンビーナの記念聖堂で、家族、学校のためにお祈りを捧げました。本部でもシスターたちが私たちのためにおやつを準備してくださり、イタリアのお菓子を頂きました。その後、イタリア研修で気づいたことを分かち合いました。
- イタリアを訪れ、祈りの大切さを学んだ。自分がたくさんの人たちに支えられていることを、色々なところで感じ感謝できる人になりたいと思った。
- キリストが十字架にかけられた時の釘やキリストの遺体を包んでいた布の話を聞いて、キリストは本当に存在していたことがわかった。
- イタリア人はイタリアの国に対して誇りを持っているのを見て、自分は日本の国について誇りを持っているか考えさせられた。だから、外国を学ぶ前に、自国のことを学びたいと思った。
- 私はすぐ「疲れた!」と口に出していた。シスターから「自分に強くなってください」と言われ、自分のことで精一杯だったけれど、周りを見るようになり、周りの人のことを祈ることができるようになってきて、自分が強くなれた。
- 学校で祈っていた朝、夕の祈りでは自分の事ばかり考えて祈っていた弱い自分に気づけた。これからは周りの人たちのために祈りたいと思ったし、自分を律することの大切さを学んだ。
- カトリックの学校に来て、キリストの存在に触れてキリストに対して距離が近くなった。自分を受け入れてくれる大きな存在に気づかされた。ローベレでパワーをもらった。
- 自分のことを大切にしたいと思えた。その出発点がお祈りであることに気づけた。家族、添乗員さん、先生たちのお陰でこうして旅行ができる事に感謝の気持ちが心から湧いてきた。
- カピタニオ高校に入って本当に良かった。凄い学校に入学したと思えた。キリスト教に対する見方が変わったし、キリストを身近に感じられるようになった。
- カピタニオの存在が身近に感じられたし、ジェローザの遺体を見て、とても身近に感じられた。ジェローザがカピタニオの遺志を継いでくれなければ、私はここにいなかったと思うと、不思議な気持ちになった。カピタニオのように人の役に立ちたいと思った。
- イタリアに来たのは何か意味があった。偶然ではなく、何か私の中で変わったように感じる。特に自分の信仰が変わった。この体験を無駄にせずに生きていきたい。
- 貴重な体験をした。1つは人々が教会へ行って祈ることは、日本ではアウェイ。イタリアは逆だった。2つ目は、シスターたちの祈りの姿勢に感動した。私の祈りは神様任せだったけれど、自分自身も何をすべきかという事に気づいた。3つ目は、医療はカトリックと関わりがあるので、将来看護師の道を歩む私にとって、看護師の在り方を考えることができた。
まだほかにたくさんの気づきがありましたが、ほとんどの生徒たちが、両親がイタリア研修に参加させてくれたことへの感謝と祈りの大切さに気づいていました。お金では買えない目に見えない、生きる力をもらった10日間の短い期間でしたが、生徒たちが日に日に成長していく姿を見て、イタリアの国のパワーを感じました。やはり神様は私たち一人ひとりの事を考え導いてくださっていることを確信し、生徒たちが本当の幸せを見つけるきっかけになってほしいと願わずにはおれませんでした。生徒たちと一緒にいると、いつもながらイタリアの人たちから生徒たちの行儀のよさ、品格のよさを褒めてもらいます。ホテルでも生徒たちに快く飲み物をサービスしてくださり、私自身鼻高々な気分になりました(親ばかですね。笑)。生徒たちと共に過ごせた10日間に感謝いたします。私にとっても意味深い旅行になりました。
イタリア研修旅行記
2年ごとに実施される創立者聖バルトロメア・カピタニオの足跡を訪ねるイタリア研修旅行は今年で6回目。今年は3月23日?4月1日実施され24名の生徒が参加しました。最初に訪れたローマの暖かさはわかっていたのですが、今年のイタリアは予想外の暑さで、北の方へ行く度に気温が上がり26℃もありました。お天気の方は、トレビの泉とスペイン広場を訪れた時に雨が降った以外は晴天でした。
フィンランド航空で中部空港?ヘルシンキ?ローマと約13時間の旅。ローマで3泊、フィレンツェを訪れ、一路ヴェネツアへ行き2泊、ミラノで3泊の10日間の研修旅行でした。24名の生徒たちは、クラス、学年も違い緊張気味でしたが、食事の座席は日替わりチェンジ、ホテルの宿泊メンバーも替ったりと、日が経つにつれ団結が見え、規律ある生活ができ、おかげで健康にも恵まれました。
毎回生徒たちを引率していきますが、生徒たちは時間を守り、マナーもよく、食事の後のテーブルごとの片づけにホテルの方はべた褒め。イタリア人から褒められ感心されます。また、今回ローマからミラノまでの貸し切りバスの運転手パウロさんは片言の日本語が話せ、「ニホンジン ダイスキ」「ミンナ スバラシイ!」「ワタシ チョーハゲ」の連発。おかげで生徒たちと交流ができ大いに盛り上がり、約600kmのバスの長旅は、とても楽しく過ごすことができました。
ミラノ郊外モンツァにある本校の姉妹校ビャンコーニを訪れた時、制服をきちんと着た生徒たちを見て、高校生の女子生徒たちは「素敵ね!」と言って、私たちの行くところについて来ながら褒めてくれました。幼稚園部では折り紙で飛行機を作り、さっそく廊下にでて飛ばしていました。小学校部、中学校部へと順番に訪れるにつれて、2年前に私たちが訪れた際に折り紙を教えてもらったことを思い出す子供たちに会いました。高等部の生徒たちの大半は、語学研修に出かけていて不在でしたが、最高学年のクラス(18歳?19歳)に入ろうとしたとき大人びたイタリア人の生徒たちの姿を見て、本校の生徒たちは入り口で躊躇してしまい戸惑っていました。イタリア人の生徒から「900年から1900年までの日本の歴史を簡単に教えてほしい」という質問に、日本史の得意な生徒は堂々と答えていました。その後、少林寺拳法部の生徒たちは恥ずかしながらも、少林寺拳法を披露してくれました。
イタリア研修の最終日、ミラノにある本部(Casa Madre)では、私たちのためにおやつが準備されており、生徒たちは大喜び。イタリアの飲み物やビスケット、イースターの時に頂くコロンバというケーキをいただいた後、10日間のイタリア研修で感じたことを分かち合いました。その内容をまとめたものを抜粋して紹介いたします。
- この研修に参加したのは、自分が視野が狭いと言われたので、視野が広がると思ったから。イタリアに来てカピタニオの凄さがわかり、本校の生徒であることに自信が持てた。一人では何もできない私だったが、言葉は通じなくてもこちらが一生懸命に話せばなんとか通じることがわかった。この研修を通じて自分から積極的に動くことができるようになったと思う。最初は緊張していたが先輩がやさしく声をかけたりしてくれたので、自発的に行動ができるようになったと思う。初めのころは単にツアーに参加しているような気持ちでみんなについて歩いていたが、旅の途中からシスターたちが私たちをもてなしてくださる様子を見て、本校の生徒だからこのように温かくもてなしてもらえていることに気づかされ、自分の受身的な態度を改め始めた。そして、すべては偶然ではないことに気づかされた。
- 世界遺産を自分の目で見たくて、この研修に参加した。最初に見た時はすごく感動した。しかし、資料集に載っていない場所を見ると感動が薄れる自分がいた。また、観光地には物乞いがいたり、ごみがたくさん落ちていたりした。そのような情景は資料集には載っていない。資料集の写真だけでは知れない全体の姿が見れて良かった。先生が言っていた「現地に行ってみないとわからない」という言葉は本当だと思った。。修道院を訪れたり、サン・ピエトロ寺院で行なわれたミサに参加でき、普通では体験できないことを体験させてもらった。絵画はほとんどキリスト教に関するもので、一つの作品に大勢の人たちが関わり、その作品を今も大切に守っている人たちがいたことを知り、キリスト教が人々の生活に根付いており、信じられていたことを実感させられた。反対に、教会を見るにつれて日本の木造建築の凄さが感じられた。
- 宗教の時間、聖カピタニオのことを学んだりしたが、実際にイタリアに来てカピタニオの凄さとか、キリスト教の教え「人のために何かを進んでする」ことが人間を幸せにするということに気づけた。ローベレの街を歩いていると、カピタニオもこの道を歩いていたと思うと、カピタニオが身近に感じられた。カピタニオはいつも人のために動き、生涯をささげる生き方をしていたことが不思議に感じられた。学校の教室に掛けてあるカピタニオ以外の絵を見ることができてよかった。カピタニオが有名なのに驚いた。カピタニオの生家も見られ、本校に入学できて本当に良かったと思った。カピタニオの生き方を現地で聞いて、彼女の生き方に少しでも近づきたいと思った。
- 本校に入学して初めてシスターに出会い、シスターはキリストを熱狂的に信じている信者だと思っていた。ところがイタリアに来て大勢のシスターを見たり、一緒に生活をしてシスターに対するイメージが変わった。シスターたちはキリストから学んだことを人々に伝えている人であることに気づかされた。シスターたちに触れ合ううちに、シスターたちは相手を思いやる心が大きく、相手の必要性に応え自然に体が動いていたのに感動した。学校で祈りの時間は面倒だと思っていたが、教会へ行って心を合わせて祈ったり、祈っている人を見て「祈る」ことにすごく意味があることに気づかされた。この研修でキリスト教に興味を持つことができた。
- 私は聖カピタニオの生誕地ローベレの街が好きだ。ゆったりとした時間が流れ、空気も都会とは違っていた。景色がきれいで、ぜいたくな旅を過ごしていると思った。イタリアの各地を巡り、その土地の自然や人々のにぎやかな様子に出会い、様々なイタリアを知ることができた。
各自の思いを1時間以上分かち合い、お互いに心を豊かにさせる時間となりました。その思いをみなさんにお伝えするのに限界がありますが、 参加した生徒たちにとって大切な宝物になったことは確かだと思います。私自身にとっても、生徒たちから教えられることの多かった有意義な旅でした。
5月14日(月)の創立記念日に、生徒たちによるイタリア研修の報告がありますので、ぜひお越しください。