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内から湧き上がる喜び
毎年恒例で行われている待降節中の奉仕活動が、12月6日、7日に実施されました。
今年のキーワードは、「HAPPINESS」です。
キーワードは、聖バルトロメア・カピタニオの生き方から毎年選んでいます。
聖女は、いつも相手の幸せを望み、今自分ができることに愛を込めて行動していた方です。
生徒たちもこの2日間、聖女の生き方から学び、相手の幸せを祈りながら奉仕させていただいたと思います。
生徒たちを受け入れてくださった施設の方々に、心より感謝申し上げます。
奉仕活動をさせて頂くということより、生徒たちは学校生活で気付かない自分に気づかされた2日間になったと思います。
そのことを次の生徒が感想に述べていたので紹介します。
*初めての障害者施設での奉仕活動は、慣れない事ばかりで本当に大変でした。
でも慣れない作業をして、改めて学ぶことがたくさんあったので、とても強くなれた気がします。
障害者の方を見て、本当に彼らは純粋な方なんだと思いました。
彼らに関わることによって自分の心の汚さを見透かされているような気がして、自分の心のエゴに気づかされました。
そういったことがあって改めて心から彼らに向き合うことができたのかもしれません。
大変で辛いと思うこともあったけれど、それ以上に学ばされることが多くて自分の成長に意味のあった2日間だったと思います。(1年生)
奉仕活動が終わり、今度は音楽会。クラスの一人ひとりの参加が問われる行事だからこそ、クラス内での話し合いが行われ、ここでも自分のエゴと向き合う時間になったようです。その成果が本番の音楽会で発揮され、クラス皆の心が一つになりました。
21日は、クリスマス会。刈谷教会の主任司祭フィリップ様に、司式をしていただきました。神父様から、次のようにクリスマスの意味をお話してくださいました。
「私の名前の意味は、馬を愛する男です。日本で29回目のクリスマスを祝います。心は日本人ですが、体はインド人です。」
とみんなを笑わせる自己紹介をなさった後、神父様の体験を話してくださいました。
「息子が不良になり、そのことを悩んでいた母親が私の所に相談をしにきました。
母親の話を聞きながら、息子と縁を切ったつもりで息子と関わりなさいと話しました。縁を切るためには愛が必要です。
愛は、信頼、与える、赦すことです。人を背負う必要はありません。クリスマスは、神が人間になったことを祝います。
神の独り子は、私と同じように生き、私と共に成長してくださいました。
そのイエスのように、息子を背負うのではなく、お互いに支え合うことが大切です。
自分の足で歩き、お互いに支え合うと、そこに幸せが生まれます。幸せな家庭が生まれます。
自分の幸せは自分のものではなく、家族みんなのものです。クリスマスは家族でお祝いします。」
という内容で、生徒たちと言うより保護者向けの内容でした。
卒業生の保護者が、
「行事担当の先生が、日常生活から離れ神様と向き合う時間、自分と向き合う時間になったと思いますと言ってくださったように、そんな時間を持つことができました。」
と感想を述べてくださいました。
12月に行なわれた行事に一つひとつ取り組みながら、クリスマスの意味である
「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。」(ヨハネ福音書3章16a節)
のみ言葉のように、自分がどれだけ神様から大切にされている存在かに気づき喜びが内から湧き上がってきます。
それがクリスマスの喜びです。
今年1年いろいろお世話になりました。
以前に比べブログの回数が減り心苦しいのですが、できるだけ生徒たちの様子をお知らせいたします。
新しい年が皆様にとって良い年でありますように、お祈り申し上げます。
2017年の締めくくり
12月に入り待降節を迎え、奉仕活動、音楽会、クリスマス会と、行事を通じて主のご降誕の心の準備をしてきました。
2日間行った奉仕活動の今年のキーワードは、「LUCE~灯~」でした。
キーワードを意識して行った奉仕活動の感想を抜粋して紹介します。
☆
*今回のテーマは、緊張して話せない私に、優しく暖かく話しかけてくれた施設の方や障害を持った方に、ピッタリのテーマじゃないかと思いました。
「障害」という言葉に偏見を持つ方が多いと思います。しかし、障害を持った方たちは、みんな心が広く温かい人たちばかりでした。
内職の時もやり方が分からない私たちに必死に教えてくれてとても助かりました。テーマである“灯”を実感することができました。(障がい者施設)
*「人生の大先輩の方々なので敬意を払ってください。」と施設の方に言われ、昨年とは違う心持で活動できました。
私の持っているLUCE~灯~が奉仕先の方々と共有することができ、そしてまた、その灯が大きくなって自分に返ってきたような気がします。
昨年はぼやっとしていた「奉仕」の意味が少しわかった活動をすることができ、私たちが奉仕活動をさせて頂いたことで、利用者さん、スタッフさんが喜んで、そして灯を分かち合えていたら嬉しいです。(ディサービス施設)
*幼稚園の1日が終わり帰る時も、温かい飲み物とお菓子を頂いて、愛の火を灯しに来たのに、逆に火を灯して頂き本当に心が温かくなる2日間でした。
私はお掃除をして少しでも幼稚園のお役に立てたと思うと、灯を灯せたのかなと思いました。
この奉仕活動で良い経験ができたので、たくさんの人に灯を灯せる人になりたいと思いました。(幼稚園)
*頼まれたことをやっていくうちに、気づくことも増えました。「もっとこうしたら?」と考えながら活動をしました。
相手の気持ちを想像しながら、心を込めて相手の心を大切にするということは、お互いの心に温かい「灯」が灯る関係作りができることが、奉仕活動の一番大切で楽しくやりがいなのだと思いました。(幼稚園)
*今回は今までとは違い掃除ではなく、お年寄りの方とコニュニケーションを取る機会を多く取らせていただきました。
核家族化が進む今、私たち若者にとって多くのお年寄りとお話させていただいたことは、新鮮で私自身にとってとても良い経験になりました。
お年寄りの中には認知症や耳の遠い方、病気により自分で話すことができない方もいらっしゃいました。
その方々との会話のキャッチ―ボールは簡単にできたわけではないのですが、時折り見せてくださる笑顔が心温まるものでした。
私は皆さんからLUCE“灯”を頂いた高校生活最後の奉仕活動でした。(老人福祉施設)
*この施設は児童館のような場所で、親子がたくさん遊びに来ていました。
私は当日まで「子どもにどう接したらいいのだろう」とか「どうしたら喜んでもらえるのだろう」とかたくさん考え事をしていましたが、実際に子供と目線を合わせて笑顔でいるだけで子どもたちは喜んでくれました。
今回のキーワードのLUCE“灯”とは「笑顔でいること」ではないかと私は思いました。
どんな時でも笑顔でいれば、周りも明るくなる、つまり灯だと思います。その事に気づかせてくれたのは、奉仕活動です。(子育て支援)
*私は特別支援学校で奉仕活動をさせてもらいました。
行く前はうまくできるのか緊張していましたが、実際活動を行い同じ授業を受けたり、いろいろな作業を協力してやっていくうちに、私は緊張感よりも楽しさの方が大きくなってきたし、生徒たちの表情もだんだんほぐれてきました。
先生方も今まで見たことのないほど生徒たちが私に話しかけたり、作業も協力してできているのを見て、先生が「あなたがあの子を受け入れていることが、あの子も分かってあなたを受け入れている。」とおっしゃっってくださいました。
それを聞いて、心の灯は目には見えないけれど、相手の灯を感じることによって、お互いに心を開くことができるのではないかと奉仕活動をして気づきました。(特別支援学校)
☆
2日間の奉仕活動を通して、授業では得ることができない貴重な経験をしたことを、生徒たちの感想文から感じました。
人は人との関わりから気づき、成長していきます。
IT機器が人間関係を希薄にさせている現在、お互いの心を豊かにするのはやはり人と人が顔を合わせて関わりを持ち、「あなたは大切な人ですよ。」というメッセージを伝えあうことだと思います。
イエス・キリストの誕生の意味は、私たち一人ひとりが神様の目には尊く大切な存在であることを教えるためでした。
宗教の授業で私にとってのクリスマスの意味を考えてきましたが、一人の生徒が次のような感想を書いていました。
「“神様”という言葉を、一つのプレゼント、愛情、喜びと言う言葉で表していて、周りの人や自分に神様が訪れてくれます。お互いを大切にし合う、支え合うクリスマスが、物をもらうより心が温まり、人生で最も濃く素敵なクリスマスになると思います。」
奉仕活動やクリスマス会を通じて、生徒たちは生きる目的や互いに尊敬し合う関係について考える機会を与えられたと思います。
今年を踏まえ新しい年を迎える心の準備ができたことでしょう。
新しい年、皆様にとって良い年になりますようにお祈り申し上げます。
繋がりは喜びを大きく!
行事が目白押しの2学期は、音楽会とクリスマス会で終了しました。
12月20日の音楽会には、準備期間1週間の間(特に集中した期間)で各クラス一生懸命に取り組んだ結果を披露しました。
この準備期間中、クラス内では皆の心が一つにならず、話し合いが行われ分裂の危機に陥ったクラスなどもあり本番が危ぶまれましたが、さすが生徒たち、本番は美しい歌声を聞かせてくださいました。
審査員長の田口先生からの高評で、次の3点についてお話してくださいました。
「まず、各パートで1つの言葉になるように音作りをすること。伴奏者は、歌を盛り上げるように弾く。指揮者は、パートのバランスを保ちながら、歌とピアノを合わせる役目があること」。
周りの人の声に耳を傾けながら自分の声を出すことの大切さ。それに気づくことが、共に生きる喜びを大きくしていくことでしょう。
12月22日は本校のクリスマス会でした。
あいにくの小雨模様でしたが、保護者、卒業生がたくさん来てくださってイエス・キリストの誕生をお祝いすることができました。
今年のミサの司式をしていただいたのは、刈谷教会の主任フィリップ神父様です。神父様がミサの中でお話してくださったことを要約すると、
「朝、刈谷のファミマでバナナを1本買ってきました。このバナナとクリスマスは、繋がっています。フィリピンの農園で作られたバナナは、トラックで運ばれ船に乗せられ日本に来ました。
日本に送られてきたバナナが日本人に食べられるのではなく、インド人の私が食べるとは農園の人もバナナ自身も思ってもいなかったでしょう(笑)。
オバマ大統領の言葉『人々は繋がって生きている。繋がらないと生きていけない。』と言っていました。
クリスマスは、バナナの話のように繋がっています。馬小屋に羊飼いと天使がやってきて、幼子イエスを拝みました。だから、羊飼い、天使はイエスと繋がっています。
クリスマスは、どんな状況でも私たちはイエスと繋がっていることを教えてくれます。皆さんは学校と繋がっているから、友達とも繋がっています。
人間は繋がっていることによって大きな喜びを感じ、そこに愛が生まれます。
まずは家庭で、家庭に喜びがあれば地域にその喜びが伝わり、地域が喜べば日本中が喜び、世界中に喜びが伝わります。」
と、ユーモアたっぷりにお話をしながら、クリスマスのメッセージを伝えてくださいました。
今年も社会に目を向けると、喜ばしいこと悲しいことが多々ありました。
神父様のお話のように、ある地域、国に起きたことは世界中に伝わり、人々は繋がりを持ちます。その結果、喜びは2倍に、哀しみは1/2になったのではないでしょうか。
神様は「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」(マタイ福音書28章20節)ということを、幼子イエス・キリストの誕生のしるしを通して、私たちに教えてくださいました。
来年もいろいろなことが起きると思いますが、いつも私たちと共にいてくださる神様を信じて希望を持って生きていきたいと思います。
今年もいろいろお世話になりました。良いお年をお迎えください!
思いを歌に込めて
12月20日(火)に、音楽会が行なわれました。各クラスが9月から選曲、アレンジとすべて自分たちの手で趣向をこらし作り上げた作品です。この時期は、4月から行事に取り組んできて、クラスの輪が徐々に出来上がりまとまってくる頃です。音楽会を迎えるまでにいろいろ問題を乗り越えてきただけあって、どのクラスも当日は澄んだ歌声のコーラスが聞けました。1年生からクラスが上がるにしたがって、歌声の透明感とクラスの一体感がでてきて、さすがに3年生の透明感は素晴らしかったです。世界でたった一つの作品を発表する音楽会でした。
12月22日10時から、クリスマスミサが本校のカリタスホームで行なわれました。「Christmas」は、Christ(キリスト)をmas(祝う)という2つの言葉で作られています。神は人間を愛するあまり神の御ひとり子イエス・キリストを、私たちに与えてくださいました。それは、人間と同じ姿になり、自分も人間と同じ苦しみを味わい、人間の代わりに罪の償いをすることを神は望まれました。私たち人類一人ひとりは、神から愛されている存在です。
本校で行われたクリスマスミサの司式をしてくださったのは、刈谷教会のフィリップ神父様でした。神父様はユーモアを持って私たちに「小学3年生の女の子が担任の先生に、クリスマスプレゼントを贈りました。そのプレゼントは小さな籠で、その中に人の目には見えず触れることができないけれど、一人ぼっちの時に慰めを与え、傷ついた時に癒しを与える女の子の愛が入っていました。イエス・キリストも馬小屋の中でお生まれになり、人生という籠の中で私たちの心を温め、癒してくださる方です。」という趣旨のお話をしてくださいました。心が温まり幸せな気分になれたひと時を、全校生徒、教職員、保護者の方々と共有できました。
ミサの中で歌った聖歌と最後のハレルヤコーラスは、カリタスホームの中にいる人々の心に響きわたり、それが世界の平和を祈る私たちの祈りとなって天に届いたように思いました。
今年は、3月11日に予測もしていなかった東日本大震災、そして9月の台風12号と、これまで人間が築きあげてきたものが、一瞬のうちに奪い去られてしまいました。自然の前で人間は無力であることを思い知らされた1年でした。しかし、この災害によって私たちの心に眠っていた愛が目覚め、災害の傷跡を癒し始めた1年にもなりました。やはり愛は、人間らしく生きるために必要なものですね。
今年1年、たくさんの方々の支えと励まし、協力によって無事終えることができることを感謝申し上げます。来年も皆様にとって希望のある良い年になりますようにお祈りいたします。