日々思うこと|聖カピタニオ女子高等学校|校長ブログ

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お世話になりました

「新しい朝がきた 希望の朝だ 喜びに胸を拡げ 青空仰げ…」

懐かしいラジオ体操の歌です。昨日をもって永年勤めさせていただいた聖カピタニオ女子高等学校を退職しました。感謝の言葉はつくせませんが、ローベレに投稿させていただいた文を掲載いたします。

 大学四年の秋、学校案内と求人票を受け取ったことが聖カピタニオとの最初の出会いでした。女子校、カトリック校とは全くなじみがなかったのですが、面接試験の際、当時の理事長シスタージュゼッピーナから「本校の生徒は自信を持てない子が多い、ですが無限の可能性を持っています。このかけがえのない生徒たちの能力を引き出し伸ばすことに協力してもらえませんか」との言葉に、ぜひこのシスターの下で勤めたいと思い、以来40年の月日が経ちました。

 学習活動はもとより、さまざまな体験を通して成長を期するよう、カピタニオは、行事を大切にしてきました。

 就任当時は、一年生で能登での臨海学校、二年生では乗鞍で林間学校、そして三年生の六月には一週間の北海道修学旅行と、大自然の中での集団生活は、友情を育み、絆を深めました。

 行事と言えば、耐寒訓練、マラソンテストがあり、身体も、頭もその持久力が求められました。就職指導を担当していたころは、ほぼ六割以上の生徒が希望をしていたので、一般常識テストを繰り返し、面接指導をしたりしながら、生徒一人一人に合う企業を模索しました。

 英語科の教員であったためか、ニュージーランド、アイルランド、イタリア、インド、オーストラリアと様々な国々を訪れ、生徒とともに、現地の人々の温かさに触れたり異文化体験をすることができました。自分自身もホストファミリーとの生活を楽しみ、貴重な体験をすることができました。

 授業では、黒板一面には書ききれないほどの長い英文を解釈するとき、その説明にうなずいてくれたりすると妙にうれしく思うこともありました。

 校長になってからは、聖カピタニオの「私は常に平和な心を保ち 明るい笑顔と優しいことば 優しい態度で人に接したいと思います」というお言葉を心に留め、相手の喜びが、自分の喜びであることから、喜びの声が響き渡る学校を目指してきました。悩んだ時には、カピタニオだったらどうするんだろうと、自問しました。そんな私にとってシスタージュゼッピーナと、前事務長のシスター竹田は、聖カピタニオと聖ジェローザのようで、いつも心の支えとなりました。

 中学の頃からなりたいと思っていた憧れの職業に就き、長く携わることができて、私は本当に幸せ者だと思います。出会った方々、全ての事柄に心より感謝申しあげます。ありがとうございました。      小池芳樹

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令和3年度修業式

                                      私こと

昨日(令和4年3月末日)をもちまして、永年勤めさせていただいた聖カピタニオ女子高等学校を退職いたしました。関わっていただきました多くの方々、本当にありがとうございました。ただただ感謝です。

皆さんにお伝えしたいことは修業式のお話にまとめましたのでここに掲載させていただきます。

令和3年度 修業式 校長のお話              2022.3.18

 今年度も新型コロナウイルスの影響を受けながらのスタートとなりました。ローベレでも書きましたが、感染状況はよく波にたとえられます。上昇したり収まったり、さざ波だったり、手の付けられないような逆巻く波もあります。  特にこの一年間は大波、小波様々な波を経験しました。いろいろな制約の中でどのようにふるまえばよいのか、私たちは対応の仕方を少しずつ学んで来ました。

 ただワクチンにしても薬にしても、それが万能ということはありません。今の状況では、やはり感染拡大のリスクはゼロではなく、社会全体が、この新型コロナウイルス感染症とともに生きていく、いわゆるwith coronaです。マスクの着用、こまめな手洗い、social distanceなど各々一人ひとりの責任ある行動が大切です。

 またSDGsをはじめ、世界全体が一丸となって、地球環境の改善に取り組もうとしているまさにこのときに、一部の国々では極めて独善的な争いが起きています。この春休みを利用して、新聞、報道などにおおいに関心を持ち、興味をもった事柄をさらに調べ、自分なりの考えを深めていただきたいと思います。

 先日皆さんの何人かとお話をする機会があり、そんな中で思い出したことがあります。「雑用という仕事はない」「無駄なものはない」というお話です。

 その仕事を雑なものにするかそうでないかは、自分の都合やとらえ方で決まります。雑に考えれば雑事になってしまう。そこで費やした時間はそれこそ無駄なものとなってしまう。共通して言えることは、どんなものにも雑なもの、無駄なものはないということです。自分の意識が、注意が働けばみんなそれぞれ、ひとつひとつ大切なものであることがわかります。自分の都合や、必要、不必要、好き嫌いではなく、それぞれの事柄をしっかり見つめ、耳を傾けてみましょう。そうすれば、その対象が、はっきりと見えてきます。

 一つ一つの事柄は一見無駄なように見えても、実はそうではないことが良くあります。どちらかというと後になってから気づくことが多いのですが、ああこれはあの時の出会いが、経験があったから今があるんだとか、今こうしてできているんだとか。いつもとは違った方法で何かに取り組んだ時、たとえ失敗したとしても、そのことから学ぶことはきっとあると思います。

 そしてこのことは人と人との関係にも当てはまるような気がします。

久しぶりに聖書の一節を紹介します。

「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。だれでも、求める者は受け、探す者は見つけ、門をたたく者には開かれる。」というものです。

 待っていれば誰かが何かをしてくれる、欲しいものは与えてもらえるということではありません。またただやみくもに求め、探し、門をたたいても、手に入れられないでしょう。何度も何度も自問自答し、自分の感じたことや考えたことを自分自身でさらに深めていく。人から簡単に与えられたものではなく、自らが深めた学問、思いは、本当の意味で自分のものになるということです。自らが主体的に求めるから受け、探すから見つかり、新しい世界への門をたたくから自分の目の前に開けるのです。

 皆さん一人ひとり、この一年間の取り組みはいかがだったでしょうか、そして新たな気付きを得ることができましたか。振り返りながら様々な事を思い直し、しっかり準備をして新たな年度を迎えましょう。

これでお話を終わります。

 

ここまで長文をお読みいただきありがとうございました。

最後に大好きな山口百恵さんの「さよならの向こう側」から一節。

  Thank you for your kindness,

   Thank you for your tenderness,

    Thank you for your smile,

  Thank you for your love,

   Thank you for your everything,

    instead of Saying Good-bye .

ありがとうございました。    小池芳樹

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令和3年度卒業証書授与式

 穏やかな日差しの中、昨日第57回卒業証書授与式を行うことができました。

 昨年度に続き、新型コロナウイルス感染拡大防止配慮のもと、卒業生、ご家族、本校教職員のみでの挙行となりました。今回は一人一人に証書を手渡すことができ、マスク越しではありましたが、そのまなざしから笑顔が感じられました。卒業生の皆さん卒業おめでとうございます。あらためてここに式辞を紹介します。

 

令和3年度卒業証書授与式 学校長式辞               2022.3.2

 

 ひと雨ごとに、春の訪れ、暖かさを感じる今日この頃となりました。校庭の桜の木々も少しずつ、でも確実に花をつける準備をしています。

 令和3年度 聖カピタニオ女子高等学校 第57回卒業証書授与式を挙行するにあたり、まずもって新型コロナウイルスに際し、本日特別な式次第となったことをご容赦いただきたいと思います。

 保護者の皆さま、ご家族の皆さまにおかれましては、お嬢様のご卒業をお祝い申しあげますとともに、ご入学以来、本校の教育方針に深いご理解とあたたかいご協力をいただき、あらためて感謝申しあげます。保護者の皆さまと共に歩ませていただいた3年間だったという思いがいたします。ありがとうございました。

そして、たったいま本校の卒業証書を手にした、卒業生の皆さん、

「卒業 おめでとうございます」。

行事など、一つひとつの思い出はとっても中身が濃いのに、振り返ってみると本当にあっという間だったなと思います。

 皆さんが1年生だったちょうどこの時期、卒業式の合同練習を終えたその翌日、卒業式当日から、新型コロナウイルスにより、約3か月の休校。いったんは収まりかけたように見えた感染状況もさらに大きな波となり、学校生活の大きな楽しみの一つである修学旅行は、延期は試みたものの実施することができませんでした。そんな折、振り替えの日帰り研修旅行から帰ってきたある生徒が「校長先生、この旅行を認めてくださってありがとうございました。」と言いに来てくれました。様々な制約がある中、先生方の導きのおかげで、生徒の皆さんが確実に成長していることを実感でき、本当にうれしく思いました。

 また、英語コースの皆さんは、さあこれからホストファミリーやバディたちとコミュニケーションがはかれるという時期に、予定を2週間早めて、オーストラリアから緊急帰国となりました。さぞ残念であったろうと思いますが、学校に到着したバスから降りてくる皆さんの元気よく無事な姿を見て、心からありがたく思いました。

 ドクターと毎日のように連絡を取りながら、一つ一つの対応を考え、時差あるいは人数制限を加えた登校から、段階的に開校となったわけですが、朝元気よく登校し、皆さんが友人と嬉しそうに話している姿はとても印象に残っています。

 人間の本来の姿は、繋がって生きることにあると言われます。コロナによって途絶えた繋がりを、どうつむぎ、克服するかが問われていると思います。正解のない問いとともに、新しい時代を生きていくには、単に知識・技能を習得するだけではなく、自らいろいろな課題を見つけ、さらに習得した知識技能を活用して課題を解決する力が必要です。このコロナによって皆さんは、未知の課題などにしっかりと取り組み、工夫して対応する姿勢を身に付けたことと思います。マスク生活はまだまだ続きそうですが、皆さんが1年生のとき歌った、ラ・カリタやハレルヤが大きな声で合唱できる日が来ることを心待ちにしています。

 向かって左側の掛け軸、保護者の方々はお手元のパンフレットをご覧いただきますと、

「心の清い人びとは さいわいである その人たちは 神を見る」

という聖書のみ言葉があります。これは

「心の貧しい人びとは さいわいである 天の国は その人たちのものである」で始まる、いわゆる山上の垂訓として知られる、み言葉の一節です。清い心を持ち続けること、自分の心はまだまだ貧しいと気づくことは、容易なことではありません。実は、人の心は未熟であり、完成に向かって自らを常に省みることが必要であるといっているように、私には聞こえます。

 皆さんはもうすでに、これらのものの見方、考え方の基礎となる部分を、いずれも宗教、ウマニタスをはじめ、すべての教科、行事などを通してカピタニオで学んできました。様々な関わりの中で、自分を知り、相手を知る、自ら考え行動できる、そこには常に相手の立場を思いやり、察する気持ちがある。目標を掲げ、一つひとつのことを深く考え、実行する、粘り強くも柔軟な姿勢を身につけたことと思います。

 

 目の前に見えている物事の向こうにある、真(まこと)・善(よい行い)・美(美しい心)として表わされる、キリスト教の精神はまさにカピタニオの精神であり、一つひとつは目には見えないけれど、だからこそこれに気づくことはとても大切なことなのだと思います。

 

 皆さん、聖カピタニオ女子高等学校での生活はいかがでしたか。カピタニオは皆さんにとって「喜びの声が響き渡る学校」であったでしょうか。皆さんとともに歩むことができた喜びに感謝し、

最後に 創立者 聖バルトロメア・カピタニオのことばを送り、私の式辞といたします。

「私は 常に平和な心を保ち

         明るい笑顔と 優しいことば 優しい態度で

          人に接したいと思います」

 卒業生の皆さん ご卒業 おめでとうございます。

 

 

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令和3年度3学期始業式

皆様 新年あけましておめでとうございます

昨年12月23日、フィリップ神父様の司式によるミサ、生徒たちの素晴らしい演奏とともに2学期を締めくくりました。コロナウイルス感染防止のこともあり、なかなか学校の様子を直接見ていただく機会には恵まれませんが、常日頃よりお世話になっております皆様には心より感謝申しあげます。

今日1月7日、3学期始業式でお話ししたことを掲載いたします。

穏やかな日差しとともに明けた元旦には、去年の反省を生かし、今年はどのような年にしようかなどと、皆さん一人一人が誓い、計画を立てたことと思います。また、今日家を出る時、あるいは教室で着席したとき、さあやるぞと言う気持ちがわいてきたことと思います。

3年生は卒業まで2か月、1・2年生は進級まで3か月を切りました。入学の時あるいは年度当初に立てた目標、計画は順調に達成しつつありますか。

竹は節があるからこそ高くそびえ、なおかつしなやかさをも併せ持つといわれます。ぜひ一つ一つの節目を大切にしていただきたいと思います。

そろそろ恒例になってきましたが、干支の話題から、昨年はウシの話をしました。牛は古くから酪農や農業で人間を助けてくれた大切な動物でした。大変な農作業を最後まで手伝ってくれる働きぶりから、丑年は「我慢(耐える)」、「これから発展する前触れ(芽が出る)」というような年になるといわれていて、先を急がず目の前のことを着実に進めることが将来の成功につながっていくとのことでした。皆さんいかがだったでしょうか。

さて今年の干支であるトラ。十干十二支では壬寅(みずのえとら)と言って、例えば「みずのえ」は女偏を付けると妊娠の妊となり、女性のお腹に子供を宿すことから「生まれる」という意味があります。「とら」はもともとサンズイを付けた「演技、演出の演」が由来と言われ「人の前に立つ」、また「演」と同じ読みの「延長の延」から「延ばす・成長する」という意味を持っています。この二つの組み合わせである「みずのえとら」には、「新しく立ち上がること」や「生まれたものが成長すること」といった意味があるようです。

辛いことが多かった過去を一つ一つ見直し、大きな希望をもって新しく生まれ、成長する、そんな一年になるといいですね。

沖縄では9日にも「まん延防止等重点措置」が発出されそうです。常に言ってきたことですが、新型コロナウイルスは正しく恐れることが肝要です。今またオミクロンという変異株が猛威を振るい始めましたが、ウイルスが入るのは目や鼻や口であって手や足の皮膚とかからは感染しませんので、ウイルスが顔の粘膜に触れるのを避けることが大切です。触れたものにウイルスがついていて、それが手を介して伝達され、その手を口に持っていくなどで感染リスクが高まります。触っただけで感染するわけではありません。だから手洗いが重要になってくるのです。自分のものでないものをさわった後、食事の前後はしっかりと手洗いをしましょう。またオミクロン株は感染力が強いとも報道されています。どうやら、鼻やのどの上の方にウイルスが多くいるらしく、大声を出したり、咳をすることで、周囲にウイルスが広がりやすいとのこと。ぜひこのことを心に留めて、黙食にも心掛けてください。もう一つ、自己免疫力を高めることもとっても大切です。規則的な食事と睡眠、適度な運動を心掛け、どんなことにも喜び感謝し、3学期も心も体も健康で有意義な生活を送りましょう。

 

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第58回創立記念日にあたり すべての方々に感謝 2021.5.14

 風薫る5月、新緑の芽吹きがまばゆいばかりの今日、幼き聖マリア女子学園 聖カピタニオ女子高等学校の第58回創立記念日を、皆さまとともに迎えることができ、学校長として、ひとこと感謝の言葉を述べさせていただきます。

 昨年度のこの時期は、新型コロナウイルスの影響による休校措置をとっており、皆でお祝いをすることがかないませんでした。いまだウイルスが猛威を振るっている中ではありますが、感染防止対策を十分に行い、みことばの祭儀、聖バルトロメア・カピタニオの生涯をつづった「愛の詩」を通じて全校生徒とともに、聖カピタニオの徳を讃えることができたことは感謝に堪えません。誠にありがとうございます。

 遠くイタリアから運ばれてきた小さな種、それは聖バルトロメア・カピタニオの真心のこもった一粒の麦でした。この瀬戸の地に落ち、地域の皆さまの温かいご支援、歴代の校長先生をはじめとする教職員の方々、今や10,000名に届く卒業生の皆さん、保護者の方々、そしていつも微笑んで、共に歩んでくださったシスター方、諸先輩方のおかげで、根を下ろし、実を結び、また新しい種へと聖カピタニオの意思は受け継がれています。

 一口に58年と申しますが、文字通り何もないところから耕し始めるわけですので、それは想像をはるかに越えるものであったと思います。様々な苦難を乗り越え、ただただカピタニオのご遺志を継ぎ、カトリックの愛に基づいた女子教育を広めよう、目の前の生徒、一人ひとりを大切にしようという、本校に携わってこられた諸先輩方の情熱と献身的なご努力のおかげで「今」があることを強く感じております。

 そして、今ここにいる全校生徒の皆さん、皆さんこそ、その一粒の新しい麦なのです。先輩方が築いてくださった伝統にさらに磨きをかけ、カピタニオファミリーの一員として、「喜びと感謝の歌声を、学校中に響き渡らせ」、より大きく羽ばたきましょう。

 みことばの祭儀の中、心の中で唱えたお祈りと歌声、ヴァイオリン、ピアノによる「聖歌 天の集いは」での入祭、クラリネット、フルート、ピアノによる「The Power of Your Love」の閉祭では、素晴らしい演奏に聞き入りました。

 今日の創立記念式典は、先生方、そして生徒の皆さんの協力なくしては決して開くことができなかったと思います。おかげさまで皆さん一人ひとりの気持ちが響き渡る良い記念日となりました。

 また、これまでの多くの方々のご努力、ご厚意に深く感謝申しあげ、私の挨拶とさせていただきます。

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