2014年3月|聖カピタニオ女子高等学校|校長ブログ

「2014年03月」の記事

おかげさまの1年間

修業式を終え今年度も残りわずかとなりました。部活に補習にと有意義な春休みを過ごすため生徒たちは今日も頑張っています。

そんな中、今日お昼頃イタリア研修旅行への出発です、旅行の安全と実り多い研修となることを祈り、期待しています。

先日の修業式でお話したことを紹介します。

おはようございます。ひと雨ごとに春の訪れを感じる頃となりました。この3学期は、特に寒暖差が激しく、暖かかったりぐっと冷え込んだりと、気候の変化に合わせるのに苦労した人もいるでしょう。まだまだ油断できませんが、でも確実に、もう春はそこまで来ています、

 先ほど各クラスの室長さんたちが話してくれたように、この一年も色々な事がありました。私個人としても今までとは違った立場で一つひとつのことを迎えてまいりました。

 ソチオリンピック、パラリンピックでは私ども一観客の立場からすれば、メダルの有無、色とは別に、様々な感動をいただきました。4年という長さを考えると、そのステージはほんの一瞬かもしれませんが、私たちの目には映らないところで、彼らがただひたむきに努力した日々が感動の涙を誘ったのではないかと思います。インタビューに応える選手たちは口々に感謝の言葉を喜びを持って表わしていました。

さて、一学期始業式の中でお話したことを振り返ってみましょう。

一つは「どんなものにも雑なものはない」ということでした。自分の意識や、注意が働けば、ひとつひとつ大切なものであることがわかります。自分の都合や、好き嫌いではなく、それぞれの事柄をしっかり見つめ、耳を傾けてみる。そうすれば、その対象が、はっきりと見えてくる。そしてこのことは人と人との関係にも当てはまる、ということです。

どうでしょう、自分を大切にし、相手を思いやり、様々な関わりを大切にする中で、その瞬間、そのひと時をしっかり生きることができましたか。年度の初めに掲げた自分の目標が実現するよう、最大限の努力をしてきましたか。他の人との比較ではなく、自分自身の成長を評価してみましょう。

 もうひとつは卒業式にも触れましたが、

「喜びの声が響き渡る学校」でした。

 ありがとう、という感謝、さまざまな行事での笑顔、頑張ったね、という声掛け、などなど。

 学校生活の主役は、言うまでもなく皆さん一人ひとりです。先ほどのオリンピック選手同様、それぞれが、必要な時に、最高のパフォーマンスができるよう、日頃の準備を怠らないようにしましょう。「○○のチームで背番号10番をつけてプレイをする」、と少年のころ掲げた夢をかなえた選手もいました。具体的な夢を実現するために、一歩一歩、今できることを精一杯していく、これこそが夢のあと押しになります。

50周年も、年度も一つの節目です。この春休みに、学習はもちろん、生活全般を振り返り、新しい年度に備えていただくことを願っています。

 聖書の一節を紹介しお話を終わります。

 「心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。また隣人を自分のように愛しなさい。」

‘Love the Lord your God with all your heart, with all your soul, with all your strength, and with all your mind’; and ‘Love your neighbor as you love yourself.’?? (Luke 10-27)

ページの先頭へ戻る

ご卒業おめでとうございます

平成26年3月1日 本校49回目の卒業証書授与式を迎えました。

授与式にて、担任の先生方が呼名、私は証書の名前に目を遣り、一人ひとりに証書を手渡しながら、小声でおめでとうと言うと、「ありがとうございます」と笑顔で返してくれました。うれしくもあり、さみしくもあり、頼もしくもある一瞬でした。以下に式辞を掲載いたします。ご一読いただければ幸いです。

平成25年度卒業証書授与式 式辞

今年の冬は例年にも増して寒さが厳しく感じられましたが、ひと雨ごとに春の訪れ、暖かさを感じる今日この頃となりました。校庭の桜の木々も少しずつ、でも確実に花をつける準備をしています。

今日のよき日に、平成25年度 聖カピタニオ女子高等学校 第49回卒業証書授与式を挙行するにあたり、ご来賓の方々におかれましては、公私ともにお忙しい中ご臨席を賜り、心より感謝申しあげます。ありがとうございます。

また、保護者の皆さま、ご家族の皆さまにおかれましても、お嬢様のご卒業をお祝い申しあげますとともに、ご入学以来、本校の教育方針に深いご理解とあたたかいご協力をいただき、あらためて感謝申し上げます。お嬢様を預からせていただいたというより、保護者の皆さまと共に歩ませていただいた3年間だったという思いがいたします。ありがとうございました。

そして、たったいま本校の卒業証書を手にした、卒業生の皆さん、

「卒業 おめでとうございます」。

ちょうど今から3年前の平成23年3月、皆さんが中学校を卒業して間もないころ、東日本が未曾有の震災に見舞われました。地震、津波、発電所の爆発に起因する放射能漏れなどにより、肉親との突然の別れを余儀なくされ、家屋、地域も壊滅的な被害を受けました。復興も思うように進まず、長期にわたる避難生活で、いまもなお苦しみ、心のケア、心のよりどころを必要としている人々がたくさんいます。そんな中、皆さんの後輩たち、生徒会新執行部はこの「震災被災地の今」を検証し、「自分たちにできることは何か」を学園祭のテーマに選んでくれました。

最近よく耳にするグローバル人材では、英語運用能力に加えて、コミュニケーション能力、自国の文化に誇りを持ちつつ、異文化を尊重し受け入れる広いこころがますます必要とされています。

皆さんはもうすでに、これらの基礎となる部分を、いずれも宗教、ウマニタスをはじめ、すべての教科、行事などを通してカピタニオで学んできました。様々な関わりの中で、自分を知り、相手を知る、自ら考え行動できる、そこには常に相手の立場を思いやり、察する気持ちがある。目標を掲げ、一つひとつのことを深く考え、実行する、粘り強くも柔軟な姿勢を身につけたことと思います。

創立50周年記念講演では、ノートルダム清心学園理事長のシスター渡辺和子先生から、「置かれた場所で咲く」ことをお聴きしました。置かれた場所、置かれた立場、ひょっとしたら、それぞれは自らが望んだものでないかもしれませんが、その置かれた環境で自らが主人公となり、自分しか咲かせることができない花を、喜びを持って精いっぱい咲かせる。咲かせ続けることができないときは、根を張り足元を固めればよい。それで周りの人をも笑顔にできる。と、人として生きていく上で、とても大切なことを教えていただいたと深く感銘を受けました。

また、3年間を通じ、目に見えないもの、見えないことこそとても重要であることも学びました。向かって左側の掛け軸、ご来賓、保護者の方々はお手元のパンフレットをご覧いただきますと、

「心の清い人びとは 幸いである その人たちは 神を見る」

という聖書のみ言葉があります。これは

「心の貧しい人びとは 幸いである 天の国は その人たちのものである」で始まるいわゆる山上の垂訓として知られる、み言葉の一節です。清い心を持ち続けること、自分の心はまだまだ貧しいと気づくことは、容易なことではありません。実は、人の心は未熟であり、完成に向かって自らを常に省みることが必要であるといっているように、私には聞こえます。

目の前に見えている物事の向こうにある、真(まこと)・善(よい行い)・美(美しい心)として表わされる、キリスト教の精神はまさにカピタニオの精神であり、一つひとつは目には見えないけれど、だからこそこれに気づくことはとても大切なことなのだと思います。

皆さん、聖カピタニオ女子高等学校での生活はいかがでしたか。カピタニオは皆さんにとって「喜びの声が響き渡る学校」であったでしょうか。皆さんとともに歩むことができた喜びに感謝し、

最後に 創立者 聖バルトロメア・カピタニオのことばを送り、私の式辞といたします。

   「私は 常に平和な心を保ち

         明るい笑顔と 優しいことば 優しい態度で

          人に接したいと思います」

卒業生の皆さん ご卒業 おめでとうございます。

ページの先頭へ戻る