「2014年07月」の記事
一学期を終えて
早いもので、もう終業式を迎えました。一応の区切りはあるものの、先生方、生徒たちは部活動、補習、学園祭の準備と、これからも活動は続きます。
特に受験生諸君にはこの夏を制してほしいなと思います。
終業式でのお話と、生徒たちへ向けたお手紙を紹介します。
「平成26年度一学期終業式」
毎年のように思ってきたことなのでしょうが、今年の夏は、とりわけ暑さが厳しく感じられますね。季節の変わり目があるのかないのか、気候の変化に体を合わせるのがやっとという人も多いと思います。また先日の台風がもたらした局地的な災害など、予想だにしなかったことが起こっています。私たちを守り、包んでくれ、時に癒してくれる、素晴らしい大自然の営み。一方備えをしっかりしていても予想をはるかに上回る大自然の力には、人間の無力さを感じます。
この4月からを振り返ってみると、悲しい、痛ましい事件ばかりが目に浮かびます。修学旅行中の多くの高校生らが犠牲になった旅客船セウォル号の沈没事故、脱法ドラッグを吸引しながらの自動車事故、ここで犠牲になった人びとはなぜ命を落とさなければならなかったのでしょうか。一瞬にして、あるいは恐怖に震えながら犠牲になった人びとやご遺族の方々の人生を思うとき、激しい憤りと怒りすら覚えます。これらは管理者、運転者それぞれが、正しく考え、人を思う行動をとってさえいれば、防ぐことのできた事故だと思います。
さて皆さんは、入学式・始業式、創立記念み言葉の祭儀、球技大会、修養会と、色々な行事を通して、自分との関わり、友人との関わり、大切な事を学んできました。一つひとつを思い起こすと、色々な事がよみがえってきますね。皆さんの心のうちにもそれぞれ、準備の段階から「あんなこと、こんなこと、色々あったな」と、その時々で辛く苦しいことがあったとしても、乗り越えられた喜びがあると思います。特に懸命に取り組んだことはなおさらですよね。きっと中身は濃いものであったでしょう。
一学期の初めに、「美しいものを美しいと感じる感覚、新しいものや未知なものに触れたときの感激、思いやり、憐れみ、愛情などのさまざまな形の感情がひとたび呼び覚まされると、次はその対象となるものについてもっとよく知りたいと思うようになる。そのようにして見つけ出した知識は、しっかりと身につく。」学習についてもまさに同じことが言える。ということをお話ししました。
約6週間の夏休み、新聞報道など社会問題にも目を向け、自分なりの考えを持ち、時間管理、健康管理に十分注意して元気よく9月を迎えましょう。
いつも、「喜びの声が響き渡る学校」でありたいと願っています。
「生徒の皆さんへ」
「ありの、ままの、…」というフレーズがあちらこちらで聞かれます。残念ながら観ていないのでその映画の話はさておき、松下幸之助さんの「素直な心になるために」から次の言葉を紹介します。
「素直な心になれば、こだわらずかたよらず、物事をありのままに見ることができる。」
松下さんは「素直な心」を「美しく磨きあげられた無色透明なガラス」にたとえて話しています。私たちは、自分なりの知識や学問、自分の欲望なり利害得失、一つの主義、思想など、さまざまな色ガラスを通して物事を見、考えている場合があります。お互いに素直な心を養い高め、物事をありのままに見ることができるようにつとめたいものです。また、素直な心で見れば、その判断は、過ちのない適切な判断となってくるでしょう。
一学期終業式での聖書のみ言葉も目について語っていました。英語の方がより分かりやすいので、英語表記も合わせて載せておきます。
「あなたの体のともし火は目である。目が澄んでいれば、あなたの全身が明るいが、濁っていれば、体も暗い。」
Your eyes are like a lamp for the body.? When your eyes are sound, your whole body is full of light; but when your eyes are no good, your whole body will be in darkness.?? (Luke 11.34)
あふれる情報の中で、必要なものを見極め、すぐさま公正な判断を求められることが多くなっています。素直な心を持ち、物事をありのままに、冷静にとらえる目を養いましょう。
この夏休み、携帯などではなく、印刷された書物を読んだり、新聞報道によく目を通し、ぜひ、各々が自分なりの感想や考えを持っていただくことを願っています。2学期には、有意義な夏休みを過ごしました、と笑顔で挨拶が交わせることを楽しみにしています。