2016年3月|聖カピタニオ女子高等学校|校長ブログ

「2016年03月」の記事

ご卒業おめでとうございます

第51回卒業生が巣立ち早十日。当日は天候にも恵まれ、感謝のうちに卒業証書授与式を行うことができました。ご来賓の皆さま、保護者、ご家族の皆さまご臨席賜り本当にありがとうございました。証書を渡したときの卒業生一人ひとりの笑顔がとても印象的でした。卒業生の皆さん卒業おめでとう、皆さんとの出会いに感謝します。カピタニオに来てくれてありがとう。

「平成27年度卒業証書授与式 式辞」 2016.3.2

 ひと雨ごとに、春の訪れ、暖かさを感じる今日この頃となりました。校庭の桜の木々も少しずつ、でも確実に花をつける準備をしています。

 今日のよき日に、平成27年度 聖カピタニオ女子高等学校 第51回卒業証書授与式を挙行するにあたり、ご来賓の方々におかれましては、公私ともにお忙しい中ご臨席を賜り、心より感謝申しあげます。ありがとうございます。

 また、保護者の皆さま、ご家族の皆さまにおかれましても、お嬢様のご卒業をお祝い申しあげますとともに、ご入学以来、本校の教育方針に深いご理解とあたたかいご協力をいただき、あらためて感謝申し上げます。保護者の皆さまと共に歩ませていただいた3年間だったという思いがいたします。ありがとうございました。

 そして、たったいま本校の卒業証書を手にした、卒業生の皆さん、

   「卒業 おめでとうございます」。

 行事など、一つひとつの思い出はとっても中身が濃いのに、振り返ってみると本当にあっという間だったなと思います。私ごとですが、皆さんを迎えて初めての入学式学校長式辞。あれこれ考えたのちキング牧師のI have a dream.を話そうと選んだのが、ついこの間のようです。みなさん覚えていますか。「私には夢がある。いつの日か、私の幼い子供たちが、肌の色ではなく、人格の中身によって、見かけではなく、その人の内面によって、評価されるような国に住めるようになることだ」と言う言葉。

 キング牧師は私たちに、どんな時でも夢を持ち続けることの大切さ、と同時に、人種、性別に関係なく誰もが幸福を追求する権利があることを教えてくれています。

 向かって左の掛け軸は、山上の垂訓として知られる、マタイによる福音書5章8節の「心の清い人びとは、さいわいである、その人たちは神を見る。」というみ言葉です。そして9節は「平和を実現する人びとは、さいわいである、その人たちは神の子と呼ばれる。」と続きます。8節の彼らは神を見る、they will see Godに続いて、9節ではGod will call them his children.神様がその人たちを御自身の子と呼んでくださるということ。平和を実現することはまさに極めて重要な、崇高なことであると読み取ることができます。

 今手元に「平和を実現する人は幸い」という戦後70年日本カトリック司教団からのメッセージがあります。その中の一節を紹介します。皆さん目を閉じて、想像して聞いてください。

 今、世界を見渡せば、各地で軍事的な対立やテロの悲劇が繰り返されています。国家間、民族間の対立、宗教の名を借りた紛争が激しくなり、対話を不可能と感じさせるような状況が世界各地に広がっています。その中で数多くの人々、特に女性や子ども、少数民族や宗教的マイノリティーの人々のいのちが脅かされ、実際にいのちが奪われています。この世界は、結局のところ、力がものをいう世界なのかと疑わざるをえないような危機的状況に直面しています。人間性を尊重する理性はどこへ行ってしまったのでしょうか。暴力を押さえ込むために新たな暴力を用いるようなやり方を繰り返していては、人類全体が破滅に向かうだけです。とあります。それでは目を開けてください。

 平和を実現するためにわたしたちにはどんなことができるでしょうか。世界の貧困や環境の問題、格差の問題をまずよく知り、取り組むこと。そしてわたしたち一人ひとりが問題に対する無関心を乗り越え、自分の生活を変えること。忍耐をもって平和と相互理解のための地道な努力を積み重ねることです。

 ますますグローバル化する社会の中で、自国の伝統・文化に立脚し、異文化を尊重し受け入れる広いこころ、自立した人間として、他者と協働しながら未来を切り開いていく力がますます必要とされています。人間力と言い換えてもいいでしょう。

 皆さんはもうすでに、これらの基礎となる部分を、いずれも宗教、ウマニタスをはじめ、すべての教科、行事などを通してカピタニオで学んできました。様々な関わりの中で、自分を知り、相手を知る、自ら考え行動できる、そこには常に相手の立場を思いやり、察する気持ちがある。目標を掲げ、一つひとつのことを深く考え、実行する、粘り強くも柔軟な姿勢を身につけたことと思います。

 目の前に見えている物事の向こうにある、真(まこと)・善(よい行い)・美(美しい心)として表わされる、キリスト教の精神はまさにカピタニオの精神であり、一つひとつは目には見えないけれど、だからこそこれに気づくことはとても大切なことなのだと思います。

 皆さん、聖カピタニオ女子高等学校での生活はいかがでしたか。カピタニオは皆さんにとって「喜びの声が響き渡る学校」であったでしょうか。皆さんとともに歩むことができた喜びに感謝し、

 最後に 創立者 聖バルトロメア・カピタニオのことばを送り、私の式辞といたします。

    「私は 常に平和な心を保ち

         明るい笑顔と 優しいことば 優しい態度で

            人に接したいと思います」

 卒業生の皆さん ご卒業 おめでとうございます。

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