2022年3月|聖カピタニオ女子高等学校|校長ブログ

「2022年03月」の記事

令和3年度卒業証書授与式

 穏やかな日差しの中、昨日第57回卒業証書授与式を行うことができました。

 昨年度に続き、新型コロナウイルス感染拡大防止配慮のもと、卒業生、ご家族、本校教職員のみでの挙行となりました。今回は一人一人に証書を手渡すことができ、マスク越しではありましたが、そのまなざしから笑顔が感じられました。卒業生の皆さん卒業おめでとうございます。あらためてここに式辞を紹介します。

 

令和3年度卒業証書授与式 学校長式辞               2022.3.2

 

 ひと雨ごとに、春の訪れ、暖かさを感じる今日この頃となりました。校庭の桜の木々も少しずつ、でも確実に花をつける準備をしています。

 令和3年度 聖カピタニオ女子高等学校 第57回卒業証書授与式を挙行するにあたり、まずもって新型コロナウイルスに際し、本日特別な式次第となったことをご容赦いただきたいと思います。

 保護者の皆さま、ご家族の皆さまにおかれましては、お嬢様のご卒業をお祝い申しあげますとともに、ご入学以来、本校の教育方針に深いご理解とあたたかいご協力をいただき、あらためて感謝申しあげます。保護者の皆さまと共に歩ませていただいた3年間だったという思いがいたします。ありがとうございました。

そして、たったいま本校の卒業証書を手にした、卒業生の皆さん、

「卒業 おめでとうございます」。

行事など、一つひとつの思い出はとっても中身が濃いのに、振り返ってみると本当にあっという間だったなと思います。

 皆さんが1年生だったちょうどこの時期、卒業式の合同練習を終えたその翌日、卒業式当日から、新型コロナウイルスにより、約3か月の休校。いったんは収まりかけたように見えた感染状況もさらに大きな波となり、学校生活の大きな楽しみの一つである修学旅行は、延期は試みたものの実施することができませんでした。そんな折、振り替えの日帰り研修旅行から帰ってきたある生徒が「校長先生、この旅行を認めてくださってありがとうございました。」と言いに来てくれました。様々な制約がある中、先生方の導きのおかげで、生徒の皆さんが確実に成長していることを実感でき、本当にうれしく思いました。

 また、英語コースの皆さんは、さあこれからホストファミリーやバディたちとコミュニケーションがはかれるという時期に、予定を2週間早めて、オーストラリアから緊急帰国となりました。さぞ残念であったろうと思いますが、学校に到着したバスから降りてくる皆さんの元気よく無事な姿を見て、心からありがたく思いました。

 ドクターと毎日のように連絡を取りながら、一つ一つの対応を考え、時差あるいは人数制限を加えた登校から、段階的に開校となったわけですが、朝元気よく登校し、皆さんが友人と嬉しそうに話している姿はとても印象に残っています。

 人間の本来の姿は、繋がって生きることにあると言われます。コロナによって途絶えた繋がりを、どうつむぎ、克服するかが問われていると思います。正解のない問いとともに、新しい時代を生きていくには、単に知識・技能を習得するだけではなく、自らいろいろな課題を見つけ、さらに習得した知識技能を活用して課題を解決する力が必要です。このコロナによって皆さんは、未知の課題などにしっかりと取り組み、工夫して対応する姿勢を身に付けたことと思います。マスク生活はまだまだ続きそうですが、皆さんが1年生のとき歌った、ラ・カリタやハレルヤが大きな声で合唱できる日が来ることを心待ちにしています。

 向かって左側の掛け軸、保護者の方々はお手元のパンフレットをご覧いただきますと、

「心の清い人びとは さいわいである その人たちは 神を見る」

という聖書のみ言葉があります。これは

「心の貧しい人びとは さいわいである 天の国は その人たちのものである」で始まる、いわゆる山上の垂訓として知られる、み言葉の一節です。清い心を持ち続けること、自分の心はまだまだ貧しいと気づくことは、容易なことではありません。実は、人の心は未熟であり、完成に向かって自らを常に省みることが必要であるといっているように、私には聞こえます。

 皆さんはもうすでに、これらのものの見方、考え方の基礎となる部分を、いずれも宗教、ウマニタスをはじめ、すべての教科、行事などを通してカピタニオで学んできました。様々な関わりの中で、自分を知り、相手を知る、自ら考え行動できる、そこには常に相手の立場を思いやり、察する気持ちがある。目標を掲げ、一つひとつのことを深く考え、実行する、粘り強くも柔軟な姿勢を身につけたことと思います。

 

 目の前に見えている物事の向こうにある、真(まこと)・善(よい行い)・美(美しい心)として表わされる、キリスト教の精神はまさにカピタニオの精神であり、一つひとつは目には見えないけれど、だからこそこれに気づくことはとても大切なことなのだと思います。

 

 皆さん、聖カピタニオ女子高等学校での生活はいかがでしたか。カピタニオは皆さんにとって「喜びの声が響き渡る学校」であったでしょうか。皆さんとともに歩むことができた喜びに感謝し、

最後に 創立者 聖バルトロメア・カピタニオのことばを送り、私の式辞といたします。

「私は 常に平和な心を保ち

         明るい笑顔と 優しいことば 優しい態度で

          人に接したいと思います」

 卒業生の皆さん ご卒業 おめでとうございます。

 

 

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