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健康に関する意思決定と行動選択 ―令和4年度夏休み出校日のご報告―
秋来ぬと目にはさやかに見えねども・・・
残暑お見舞い申し上げます。8月18日、出校日でした。登校時間はあいにく激しい雨に見舞われ、午後からは晴れるという天候でした。昨今の不安定な気候、猛暑による熱中症の危険に加えて、新型コロナウイルスも高止まりが続くという状況で、健康には細心の注意が必要だと思い、朝の放送で生徒の皆さんに次のような話をしました。(一部補った部分もあります)
◇NHKラジオ高校講座「保健」を聞く◇
おはようございます。雨の中、登校お疲れ様でした。
夏休みもあと2週間となりました。2学期のスタートを良い形で迎えられるように有意義に過ごしてください。
修業式でも言いましたが、まずは一番大切なこと、引き続き体調管理には十分気をつけて過ごすことです。先日たまたまNHKラジオの高校講座の保健の授業を耳にしたのですが、その日のテーマが「健康に関する意思決定と行動選択」でした。講師は大学の先生で、聞き役がタレントの壇蜜さんでした。健康に関する正しい情報を踏まえて、何に気を付けてどう過ごすかを自ら考え、行動を選択すること。そういう意味では毎日が保健の勉強だなと改めて思ったわけです。
◇「運動」「栄養」「休養」「時間管理」◇
昔から夏バテという言葉があるように、高温多湿の夏はもともと体調をくずしやすいので、保健の授業で習うように、「適度な運動」「栄養」「休養および睡眠」「規則正しい生活および時間管理」を心掛けることが大切です。そういう意思決定と行動選択が感染症対策や熱中症対策にもなります。またそれが日々の活動を充実させることにも繋がってくると思います。
◇私の夏休みの過ごし方◇
私自身も夏休みをそんなふうに過ごしています。「規則正しい生活」「無理をしない」が目標です。早寝早起き。睡眠をしっかり取る。朝日を浴びる。(人間は思う以上に生物です。太陽とともに起き、太陽とともに休むというのが体にいいのは自然の摂理なのかもしれません)朝食を食べる。文部科学省も「早寝早起き朝ごはん」を推奨していて、就寝リズムや朝食摂取が学力とも関係しているデータを公表していますよ。
水分をこまめに取る。できるだけ野菜を食べる。仕事の合間に適度な休憩を入れる。頭が疲れたら私はよくチョコレートを食べます。疲れが癒やされる、集中力を高める、脳を活性化するなどさまざまな効果があると言われています。また幸せホルモンと言われるセロトニンの分泌を促すので、心なしか幸せな気分になります。もちろん食べ過ぎはよくないので、量には気を付けています。
◇無理をしない◇
無理をしないということですが、昔だと庭に雑草が生えていると今日やってしまおうと炎天下で何時間も草取りをしてくらくらとしていましたが、最近は本当に危険なことだと思い、リスクをおかして1時間より30分で2日間やればいいのではないかという考え方になってきました。少し頭がよくなってきたんですね。
「無理をしない」ということは「努力を惜しむ」ことではなく、要するに「理屈に合った、合理的な努力をする」ということです。時間管理をして計画的に持続的に行った方が結果的に効率がいいことが多いです。いわゆる「サステナブル」です。
草取りに限らず仕事や勉強も同じ。健康に気を付けながら、さまざまな活動をできるだけ無理せずサステナブルに楽しく進めてください。
校長 村手元樹
アンテナと引き出し ―令和4年度一学期終業式のご報告―
7月20日、一学期の終業式を行いました。今年度は新型コロナウイルス感染症および熱中症対策のため、オンラインでの終業式になりました。終業式のあと、これもオンラインではありましたが、サッカー部のインターハイ出場壮行会をして、全校でサッカー部へエールを送りました。以下は、終業式で話した生徒たちへのメッセージです。お読みください。
◇夏休みに望むこと◇
おはようございます。皆さん、一学期お疲れさまでした。いよいよ夏休みが始まります。夏休みに際して皆さんに望むことが2つあります。先ず第一に健康に気をつけて過ごすこと。感染症対策、熱中症対策はもちろん、規則正しい生活を心がけ、心の健康にも気をつけてください。二点目。夏休みは普段より時間的余裕が生まれると思うので、視野を広げて普段できないような、勉強の機会にしてほしいと思います。そこで今日のお話のキーワードは「アンテナと引き出し」です。「アンテナを張る」という慣用句は国語辞典では「情報を集める手段を講ずる」と説明されています。「引き出し」は比喩的に「臨機応変に活用できる、隠れ持った多様な知識や豊かな経験」という意味で使っています。
◇「熱意を示す」とはどれだけ考え、準備してきたかを示すこと◇
3年生の方は本格的な受験シーズンを迎えます。毎年秋ごろ、小論文指導や面接練習をする際、この方はもう少し早く夏休みくらいから準備をしておくとよかったのになと感じる場合がよくあります。たとえば、私は国語が担当なので、日本文学の学科の人とよく面接練習をします。そのとき、「興味のある作家は?」と質問して「夏目漱石です」という答えが返ってきたとします。次に「一番印象深い作品は何ですか?」「はい、『こころ』です。」『こころ』について一通り聞いた後、「では漱石で他に好きな作品は?」「はい、ありません」「では『こころ』の他に漱石でどんな本を読みましたか?」「はい、読んでません。」ハキハキとは答えてくれるのですが、どうでしょう? 推薦入試では熱意を示すことが大切だと言いますが、熱意というのは「はい、とにかく頑張ります」というテンションの高さではないと思います。熱意を示すとは、日頃からその分野についてどれほど真剣に考え、どれほど準備してきたかということだと思います。こうした準備は受験直前ではなかなかできませんね。
◇進路についてもアンテナを張って探ってみよう◇
1,2年生の皆さんも、いろいろなところに幅広くアンテナを張って、自分の引き出しをたくさん増やしてもらいたいと思います。いろいろな本を読んだり、いろいろな人の話を聞いたり、進路についてじっくり考えるのもいいかもしれません。進路もただ頭の中だけで考えていてもなかなか答えは出てきません。アンテナを張って探ってみる必要があります。たとえば卒業した皆さんの先輩の一人の例を紹介します。その人は法学部か経済学部か経営学部かどこに行くか迷っていたそうです。そこでどうしたかというと一週間ずつその学部を志望したつもりになりきってみたそうです。「今週は法学部週間」と決めたらまず友達とかにも「私、法学部に行こうと思うんだ」と宣言し、家族とか先生にも「私、法学部を目指します」とか言うと、感想とかアドバイスとか返ってきます。「法学部に行った知合いいるよ」とか「法学部なら何々大学がいいんじゃない」とか。自分でネットでいろいろ調べたり、図書館に行って法学に関する入門書を読んでみたり。で、翌週は「経済学部週間」。友達に「私、やっぱり経済学部にしようと思うだよね」「え、変わったの?」とかいうやり取りで始まるわけです。そうやってアンテナを張っていろいろ動いてみると、見えなかったことがたくさん見えてきます。「思っていたイメージとは違った」とか「こっちの方が自分に合ってる」とか「こんな興味深い研究分野もあるんだ」とか。なかなか面白い試みだなと思ったことを記憶しています。
◇夏休みは自分の世界を広げるチャンス◇
というわけで皆さん、アンテナを張って引き出しをたくさん作ってください。有意義な夏休みになるよう祈っています。ありがとうございました。