「2011年07月」の記事
なでしこ世界一
滋賀のビジネスホテルの一室でなでしこジャパンの世界一を見届けた。最後まで諦めない強い心、最後まで走り続ける体力、最後まで自分たちのサッカーを貫く信念がこの快挙というか奇跡を生んだ。男女を通じてFIFA主催の試合の決勝の舞台で、2度リードされ、追いついての優勝は初めてのことらしい。日本に限らず、世界中に感動を与えたのも当然のことなのかもしれない。1人で観戦していたこともあるが、世界一になった瞬間からしばらく涙が止まることはなかった。正確には追いつく度に感動していたのだが…。
本校がサッカー部を立ち上げたのは22年前。愛知県では春日井商業、愛知女子(現啓明学館)に次いで3番目のチーム創設であった。ある日、赴任2年目の若手教員がボールもゴールも部員もいない状況で女子サッカー部を立ち上げたいと前校長(故大野寛二校長)に申し出た。当時はJリーグもなく、男子サッカーも低迷というか、マイナーな感のあるスポーツであった時代に女子がサッカーをするとは笑止千万である。なのに、校長はあなたがやりたいのならどうぞとサッカー同好会が立ち上がる。今でこそ女子サッカーの認知度は上がったが、当時はどこに行っても、どこで話をしても女子がサッカー?!ふ?んと言った感じであったのは今でも強く記憶に残る。澤が強い偏見の中でサッカーを続けていたのは安易に想像がつく。女子サッカーの不遇の時代が続いた。当然と言えば当然である。男子サッカーもそうであったように…。今回のなでしこの活躍は今まで女子を指導してきた指導者、関係者、選手、保護者にとっても喜ばしい事である。世界一を勝ち取った選手達には女子サッカー普及の観点からも敬意を払いたい。選手達の待遇や施設などの環境面が今後改善されることを強く望むし、これからも1人のサポーターとして女子サッカーの底辺を支えていきたい。そして、近い将来、なでしこジャパンの一員として世界一を目指す選手を輩出できたらなお嬉しい。
時期はずれの台風で予定は狂ったが、決戦まではあと3日となった。注目度も昨年までとは違うだろうが、色々な思いを胸に、色々な人の応援を背に全力で戦うことを誓う。