「2012年11月」の記事
第21回全日本高等学校女子サッカー選手権大会東海予選
11月17日(土)12時、雨の降りしきる中、とこはグリーンフィールドGで、田中監督率いる三重高校と対戦した。お互いがけん制し合うような静かな立ち上がり。そんな中、前半12分、パスミスからボールを奪われ、ミドルシュートを打たれる。これがDFの足に当たり、ふわりと浮いたボールはポストに当たり、ゴールに吸い込まれた。ミスがあったとは言え、アンラッキーなゴールに一同は静まりかえる。ただ、失点した時間帯が早く、まだ時間があることと、半年間苦しんできた経験が選手達を奮い立たせる。すると、前半26分に個人技からかなみが同点ゴール。このゴールにはラッキーが含まれていた・・・。県の予選から好調を持続するかなみのゴールにベンチも応援席も湧いた。勢いそのままに前半31分、左サイドのしおりから逆サイドにクロスが入る。ゴール前でフリーのかなみが丁寧に押し込み、逆転ゴール。ゴールへの嗅覚はもう見事としか言わざるを得ない。そのまま2対1で前半を折り返す。後半は大きいボールに頼り、ポゼッション率が落ち、攻め込まれるシーンも増えたが、何とか2対1で逃げ切り、4年連続の4回目の全国出場を決めた。正直、今回の全日本高等学校女子サッカー選手権大会出場には格別な思いがある。今年から男子同様に夏はインターハイ、冬は選手権と全国出場のチャンスは2回に増えた。ところが、本校はインターハイの県予選で敗れた。それにより、チームは早い時期から冬の選手権に目標が切り替わり、じっくりとチームを熟成することができた。とは言え、チーム内は常にけが人、病人が付きまとう。不安だらけの半年間であったが、今振り返ると夏の遠征がすべてだったように思う。理不尽な要求にも選手達は前向きに取り組んだ。本当に負けや失敗、困難は人間を大きく成長させる要因となることを痛感した年でもあった。“失敗は成功のもと” 古い言葉だが、こんなポジティブな言葉はない。
11月18日(日)9時30分、準決勝の常葉学園橘戦。開始早々に失点するが、ももかの個人技から得点し、1対1の同点。ところが、得点後にすぐに失点を許してしまい、結局1対6で敗れた。続く、3位決定戦の磐田東戦は試合前からGKが負傷し、DFも熱発し、ダウン。満身創痍でのスタートとなり、不安だらけの中、ゲームが始まった。ところが開始2分にかなみが先制ゴールを決める。喜びもつかの間、サイドからのクロスに対応が遅れ、同点ゴールを許す。今度はしおりがDFの背後を抜け、勝ち越しゴールで2対1とするも、コーナーから失点し、2対2の同点で折り返す。後半もドタバタし、落ち着かないゲーム展開であったが、選手が踏ん張り、2対2のまま延長戦へ。しかし、延長後半5分にミドルが決まり、2対3で敗れた。1日2試合でフル出場の選手は160分間戦った。これは選手を責められない。層の薄さと言ってしまえばそれまでだが、試合日程にも一石を投じる結果となった。
4位という結果での全国出場となったが、色々な方からメールや電話を頂いた。気に掛けてくれるたくさんの人達に幸せを感じた。本当にありがとうございました。ただ、ここまでは過去のチームと結果は同じであることを忘れてはならない。
チームはすでに次の山に挑戦する準備に入っている。
決勝戦
11月3日(土)にウェーブスタジアム刈谷で高校女子サッカー選手権大会の3決・決勝が行われた。決勝戦の相手は永遠のライバル旭丘高校。立ち上がりから徹底した守備に得点が奪えず、接戦には滅法強い旭丘だけに嫌な流れかと思い始めた矢先に、かなみが個人技から先制ゴールを奪う。これで何かに解放されたかのように、かなみ、あづさ、ともなと得点し、4対0で折り返す。後半に入っても勢いは衰えず、ともな、まきえ、しおり、あづさが追加点。守備陣も安定感を見せ、強力攻撃陣を見事に完封。出来過ぎの感は否めないが、結局8対0で、愛知県高校女子サッカー選手権大会、8年連続8回目の優勝を飾った。やったね(^^)/
この試合に先立って高校選抜(各高校から2?3名選抜し、監督は安城中野、菊里福留)と刈谷商工会議所青年部(YEG)の方々とのエキシビジョンマッチが行われた。刈谷サッカーの聖地『ウェーブスタジアム刈谷』のピッチコンディションは養生明けで最高の状態。稲垣さんを始めとする刈谷YEGの方々のご協力に、高校生も教員も満足のいく1日となった事を本当に感謝します。「サッカーの街刈谷」に高校チームが早く誕生する事を期待していますし、今後とも女子サッカーを盛り上げる一翼を担ってほしいと思います。また、高校の先生方だけの運営も非常に頼もしく感じました。流石です。これも感謝!感謝!
この優勝でようやく、三重高校への挑戦権を得た。椙山女学園を破ってインターハイに出場したチームに愛知県の代表として精一杯チャレンジしたい。そして、これまで培ってきたものをすべて装備し、次の山を昇り切りたい。