Sr.ジュゼッピーナの話
2026.05.19

創立者、聖バルトロメア・カピタニオへの献花


◇第63回創立記念日◇

令和8年5月14日(木)、昨日の雨も上がり、お天気にも恵まれ、今年もさわやかな若葉の季節に創立記念日を行うことができました。み言葉の祭儀を行なった後、昨年12月に行なったインド体験学習旅行の報告を参加者が行ないました。本校の設立母体である修道会の多くのシスター方が現在もインドで活動をされており、その様子や姉妹校の様子、現在のインドの状況などを全校で共有しました。そののち、1年生が各出身中学校に、2年生3年生の有志が各施設に日ごろの感謝の気持ちを込めて、お花を届けました。以下、式典で述べた私の挨拶を掲載します。

 

挨拶

まずは保護者の皆様、カピタニオゆかりの皆様、本日はお忙しい中、ご参加いただき、ありがとうございました。こうして皆様とご一緒に創立記念のお祝いができることをとても嬉しく思います。

 

◇ラ・カリタについて◇

さて生徒の皆さん、素敵な歌でこのお祝いに花を添えてくださり、ありがとうございました。特にラ・カリタの全校合唱、本当に素晴らしかったです。何よりのお祝いになりました。というのは、この「ラ・カリタ」という曲は、カピタニオの歴史と深く関わる曲だからです。

「ラ・カリタ」は、ご存知のように、本校のルーツであるイタリアを代表する作曲家ロッシーニの手によるもので、「カリタ」はイタリア語で「愛」、歌詞も「神様の愛のみもとで、友となった私たちも慰め励まし合いながらともに生きていきましょう」という本校の根本精神を表す歌です。ちなみに「カリタ」はラテン語だと「カリタス」なり、この「カリタス・ホーム」は「愛の家」という意味で、当時の在校生が命名したと聞いています。「ラ・カリタ」は最初、当時の合唱部の生徒たちがコンクールの発表曲として挑戦し、それが全校合唱へと繋がって定着し、45年以上歌い継がれています。

 

◇歴史を感じる日◇

創立記念日は、一言で言うと「歴史を感じる日」だと私は思います。歴史は出来事の歴史というより、人の歴史です。多くの人の存在や思いが積み重なって、今があるんだなという感覚です。そういう、過去と繋がりを想像する力が人生を豊かにすると思います。今が今としてしか存在しないのは随分味気ない気がします。

 

◇シスター・ジュゼッピーナについて◇

毎年、この場で、人物列伝というか、この学校を作ってきた人たちの話をしていますが、今日はシスター・ジュゼッピーナというイタリア人のシスターのことを少しだけ紹介したいと思います。本校は65年くらい前にイタリアの幼き聖マリア修道会から二人のシスターが派遣されて63年前に創立しました。創立2年後に、シスター・ジュゼッピーナが来日し、その後、校長、理事長などをされて、それから神様の御元に召されるまで38年間、異国の地で、日本の人々のたちのために力を尽くしてくださいました。

「清い心・責任・奉仕」「一粒の麦」という聖カピタニオの生き方を表す言葉がありますが、シスター自身もそれを実践し、私たちに伝えてくれました。小さな体に大きな情熱を持って、自分のことよりまず人のことを考え、包み込むような笑顔と優しさで生徒たち、教職員の心の支えてなっていました。私自身、若い頃、壁にぶつかることも多く、そんな時に手を握って「先生、希望を持って」という言葉をいつも掛けてもらいました。

 

◇奉仕活動での思い出◇

シスターとの思い出で記憶に一番残っているのは、12月の奉仕活動の時のことです。シスター・ジュゼッピーナがそれぞれの施設に行って、施設へのお礼と生徒への励ましをしたい、でも車の運転をされない、ということで私が運転手を務めることになりました。係の先生からは、「もちろん全部回れるはずもないし、シスターも大変だから、午前中ぐらいにいくつか回る感じでいいよ」と仰せつかったわけです。まだ私も20代で理事長先生をお乗せするので緊張しました。

「行く場所は村手先生に任せます。でもできるだけ回ってお礼を言いたいし、生徒たちにも声をかけたいです」と言われ、午前中ひと段落ついて、一応シスターに「これで終わりでよろしいですか?」と尋ねたら「私は午後も大丈夫ですが、村手先生はどうですか。お疲れでしょう。」と問われ、「はい」とも言えず、「シスター、午後も回りましょう」と言い、休憩をはさんで午後もいくつか回りました。

2時を過ぎて、だいたいどの施設もそろそろ片付けにかかる時間なので、「シスター、これで終わりでよろしいですか?」と尋ねたら「村手先生は、どうですか?」とまた訊かれ、「回りましょう、シスター。時間が許す限り。」という感じで、ご自分のことより他者への心配りや感謝の心を大切にする、シスターの熱意に感化されて、いつの間にか未熟な私もそのような心持ちになっていたわけなんです。

 

◇もう心は日本人です◇

そんなシスター・ジュゼッピーナがある時、修道会の総会に出るために、イタリアに一時帰国されたことがありました。その時、修道会の総長(マドレ)からお話があって「もうシスターも日本が長いですね。イタリアにもたくさんカピタニオの学校がありますから、そろそろ戻ってきませんか?」と誘われたが、断ったそうです。「私はもう心は日本人ですから」と。ちなみにシスターの好物は梅干しでした。心も味覚も日本を愛し、親しんでくれていたんですね。

このようなシスター方の思いがあってこの学校があるんだということを心に留めていただければ幸いです。本日は本当にありがとうございました。

校長 村手元樹


今年も同窓会マリエッタ会からお祝いの花をいただきました。