ボレロのように ―令和7年度3学期始業式―
2026.01.09

葉牡丹、花言葉は「祝福」@カピタニオ・ガーデン


 

令和8年1月7日(水)、3学期の始業式を行ないました。始業式で生徒の皆さんに話した内容を紹介します。

 

始業式の話

 

◇年を越す感覚について◇

新年明けましておめでとうございます。

2026年(令和8年)が始まりました。新年、新しい年と言いますが、12月31日と1月1日はそんなに変わらないなという感覚もあります。年越し感がそんなにないというか。皆さんは、12月31日の年を越す瞬間は何をしていますか? 「もう寝てます、朝起きたら新年になっています」という人もいるでしょう。

ちなみに私は普段は11時ごろには寝てしまいますが、この時だけは起きているようにしています。「東急ジルベスターコンサート」の生中継をテレビで見る習慣が30年近く続いています。「ジルベスター」はドイツ語で「大晦日」という意味だそうです。クラシック音楽でカウントダウンするのが恒例で、皆に知られているようなお馴染みの曲を毎年選んで、午前0時にぴったり終わるようにオーケストラが演奏します。

 

◇ラヴェルのボレロ◇

今回の曲目はあの有名な、ラヴェルの「ボレロ」でした。聞いたことのない人はいないと思います。私も大好きな曲です。15分ぐらいの曲ですが、最初から最後まで同じリズムを刻み、2種類だけの旋律が延々と繰り返されます。最初は耳を澄まさないと聞き取れないぐらいの小さな音で始まりますが、徐々にいろいろな楽器が参入して、なだらかな坂を登っていくように勢いを少しずつ増していきます。1曲全体がクレッシェンドになっているのです。それで「世界一長いクレッシェンド」と言われています。最後は爆発的に盛り上がって一気に終わって、クラッカー、パーンパーン、という感じで、気づいたら年が明けているんですね。

 

◇こぞ今年貫く棒のごときもの◇

高浜虚子という人の俳句で「こぞ今年貫く棒のごときもの」という有名な句があります。「こぞ」は去年のこと。「去年と今年は一般の棒のように繋がっていて、今年も去年と変わらない志で生きていく」という決意を詠んだ句と解釈されています。こんなふうに年をまたいでも時間は同じように流れていると言えます。

 

◇継続とアップデート◇

しかし一方で、人は物理的には平坦な、のっぺりとした時間の流れに人為的に区切りを入れながら、気持ちを切り替えて新たにしようとします。「一年の計は元旦にあり」というように、年の初めに「去年はこうだったけど、今年はもう少しここをこうしてみようかな。」という具合に計画を立てます。継続も大切にしながら、こうした区切りを境目として何か少しでも変化を加えていけるといいと思います。

ボレロの曲のように、自分のリズム、自分のペース、自分の持ち味を持続しながら、楽器が徐々に加わっていくように、新しい味を少しずつ加えていく、そんな生き方ができるといいなと私は思っています。

ということで、昨年の成果を踏まえながらも、新たな目標を立てて、寒さ厳しき折、体調管理にも十分気をつけながら、三学期を始めて行きましょう。

校長 村手元樹