朝礼の話㊶「初詣に思う」
2026.01.16


◇伊勢神宮へ初詣◇

おはようございます。1月のテーマは「希望―歩み出す」、希望を持って新しい年を歩み出すという意味だと思います。私は今年久しぶりに「初詣」なるものに行きました。しかも伊勢神宮に行く機会に恵まれました。殊勝な心掛けというより、「たまたま」と言ったほうがいいかもしれません。家族が正月に帰省する機会にどこか近場で小旅行をということで、たまたま宿が空いていた大晦日の鳥羽に行き、ここまで来たのに、「お伊勢さん」を参らないのはいかがなものかということになりました。(ある意味、「ご縁」と言えなくもありません。)案の上、参拝者でにぎわい、すし詰め状態の長い行列に並び、何とか参拝ができました。その際一番感じたのは「日本人ってこんなに信心深いのかな」ということです。

 

◇日本人と信仰心◇

12月に南山大学の高大連携講座があり、2年生で受けた方もいると思いますが、私も受講しました。その中で総合政策学部の山田望先生がちょうど「日本人は、いつから『無宗教』となったのか?」という興味深い講義をされていました。それによると、もともと信仰する心を強く持っていたのが、明治政府の宗教政策によって変化を余儀なくされたという歴史的背景があるということでした。

しかし、そうした心を無くした訳ではない、信じるものがあれば信じたい、その気持ちが今の生活の中にも様々な形で残っているというお話でした。また「科学と宗教」というお話もされ、科学では解決できない、「人間や人生の不条理」が宗教の課題であるとおっしゃっていました。

 

◇心を整える機会◇

確かに今も多くの人々が各地で初詣に行き、感謝と祈りを捧げます。七夕には短冊に願い事を書きます。結婚式では何らかの神仏に誓いを立てますし、お葬式では亡くなった方の冥福を祈ります。直近では豆まきや恵方巻で幸せを祈ったりします。現在のように科学的な時代にあっては、いわゆる「御利益」というよりは、「感謝」や「祈り」、「願い」とか「誓い」とか、そういう心持ち、心向きを表わして、そこから新たに歩みだす機会、心を整え、気持ちを整理する機会となっていると思います。私たちは、想像力によって、目に見えない、人智を越えたものと繋がることで、支えられたり、心を豊かにしながら生きているのも事実です。そのことを大切にしたいと私は考えています。

ちなみに伊勢神宮には昔から「おみくじ」がないことを今回知りました。「お伊勢参り」は参拝すること自体が「大吉」だからだそうです。

校長 村手元樹

*2026.1.15 全校朝礼