【朝礼の話㊾】カルペ・ディエム(今を生きる)
2026.10.31

ほうき草@ルーチェ・ガーデン

 

◇今できることをすること◇

 おはようございます。今月のテーマ「責任―今できること」についてお話しします。「責任」の基本的意味は、レスポンスすること、何らかの呼びかけや働きかけに対して応答する(応える)ことだと高校生には説明できますが、もし仮に小学生に「責任ってどういうこと?」と訊かれたら、「今できることをすることだよ」と答えても、あながち間違ってはいないと思います。

 

◇カルペ・ディエム◇

 「今を生きる」という言葉があります。遡るとこの言葉はもともと古代ローマの詩の一節「カルペ・ディエム」というラテン語の言葉から来ていると言われます。「ディエム」は英語の「デイ」に通じる言葉で、「今日一日を大切に生きよ」という意味です。

 詩の文脈からすると「人は未来を知ることはできない。だから明日のことを気にし過ぎるな。今日できることに力を注げ」という気持ちが込められています。

 

◇人生は逆算できるのか◇

 先週の読書週間の機会に私は今年8月に出版された『人生は逆算できるのか』というタイトルの新書(*1)を読みました。この本が書かれた背景には世の中の変化が激しく、以前にも増して「逆算しにくくなっている」状況があります。もちろん逆算して目標や計画を立て、それに基づいて行動することは重要なことです。

 でも同時に計算しきれないことや計画通りに行かないことも多くあります。人生を直線のように考えるのではなく、その時々で自分が感じることを大切にして螺旋状に今を生きていく感覚も大切ではないか、人生はプロジェクトではないと筆者は言っています。

 

◇今の取り組みが未来を作っていく◇

 計画通りに行かないことは必ずしも悪いことではないと私は思います。筆者も言うように、予想もしてなかった方向に進んだからこそ、出会える人や風景もあります。実際、私も振り返るとそんなことがたくさんあります。

 例えば、先週、3年生の時に担任した人たちのクラス会がありました。1年生2年生の時はほぼ接点がなく、思いがけず3年生の時にいきなり担任をしたんですが、結果的に「とてもいい出会いだったな」と感じています。

 また、その時は、これが何の意味があるだろうと思ってしていたことが、あとあとの人生で深い意味を持ってくることもあります。未来は予測不能です。

 そういう意味でも「今を生きる」「今できることを取りあえず、しっかりやっておく」ということが未来を作っていくのだと私は考えていますが、皆さんはどうでしょう。

*1 勅使川原 真衣『人生は逆算できるのか』(2026.8 筑摩プリマ新書)

校長 村手元樹

*2026.10.29 全校朝礼