叩けよ、さらば開かれん ―令和4年度3学期修業式―
2023.03.24

雪柳

 今年も雪柳が咲きました。青い空と白い校舎によくマッチします。

◇修業式のようす◇

 3月17日(金)修業式を行いました。修業式ではマスクをしながらでありましたが、久々に聖歌「鹿のように」と「校歌」のすばらしい合唱がカリタスホームに響き渡りました。また1年生普通コース(1年英語コースはオーストラリア留学中)と2年生の各クラスの室長が、クラスの1年をふりかえった反省・感想および新年度への抱負を述べました。

 修業式後には、今年度いっぱいで退任される先生方の挨拶がありました。在校生への温かいメッセージ、ありがとうございました。2年生はその後、入学式の歌の練習をしました。コロナ禍でなかなか歌を歌えない状況であったとは思えない予想以上の出来映えに驚きました。新3年生が入学式に参列して新入生を迎えるのもコロナ禍以前の2019年以来となります。

 以下は修業式で在校生の皆さんに伝えた私の話です。

◇一年間お疲れさまでした◇

今日は二つほど皆さんに言いたいことがあります。

一つ目は「一年間本当にお疲れ様でした」ということです。一年間学校に通うということはそんなに当たり前のことではないと思います。暑い日も寒い日も晴の日も雨の日も朝早く起きて、電車やバスに揺られ、坂道を登り、授業を一日受けて帰るというのは楽なことではありません。日々ちょっとした面倒なことや辛いこともあります。そういうことを乗り越えながら、よくここまで来ました。今日家に帰ったら、自分へのご褒美にプリンでも食べてください。高校生にとって休息も大事な仕事なので、春休みにしっかり英気を養ってほしいと思います。

◇卒業した先輩たちから後輩たちへのメッセージ◇

二つ目に言いたいことは、「今年度の反省を踏まえて、よりよい高校生活になるように新たな一年に向かって踏み出しください」ということです。今週月曜日のキャリアガイダンスで今年卒業した先輩たちがお話しに来てくれました。単に「合格体験談」というより、高校時代をどう過ごしたかという話でもあったかと思います。ぜひ自分の今の高校生活を再点検し、来年度をどう過ごすのかを考える参考にしてください。

今回の先輩たちの話の中で、印象に残った共通点をお話しします。一点目は、みんな確かなビジョンを持っていることです。ビジョンは「将来を見通す力」という意味です。高校生活をどう過ごすのかを広いスパン(時間の幅)で見るということです。二点目は、具体的な計画性と実践です。1年間ぐらいの長期的なビジョンを毎日のスモールステップの計画性に反映させ、実践することです。例えば一人の先輩は「長期」「中期」「短期」というように目標を設定したそうです。「長期」は志望校への合格。「中期」は何年生の何月までにこういう力をつける、とか、英検何級に合格するなど。「短期」は一日英単語200個覚えるなどの具体的な目標。つまり広めの展望を持って細かく計画するということです。

三点目は進路選択に際して情報収集をしっかりしていること。インターネットなどを通して綿密に調べると同時に、オープンキャンパスに参加したり、模擬授業を受けたりする。自分の目で見て、雰囲気を肌で感じることで、モチベーションもアップしたと言います。

◇叩けよ、さらば開かれん◇

先輩たちの話を聞いていてある聖書の言葉が思い浮かびました。「叩けよ、さらば開かれん」という言葉です。チャンスの扉は目の前にたくさんあります。既に単語集も持っているし、スタサプもあるし、質問があれば先生もいます。あとはその扉を叩くかどうかです。

もう一つ先輩たちが生き生きと話していたのを見て、受験勉強は辛いことも多いと思いますが、全体的に楽しかったんじゃないかなと感じました。受験勉強をそれなりに楽しんでいたんじゃないかなと。つらい経験だったら、自分の後輩たちにあんなに生き生きと話さないと思うんですね。私は常々、勉強は「楽しい」ものでなく、「楽しくする」ものだと思っています。自分なりの工夫を凝らして頑張って続けているうちに楽しさが生まれてくる。要するに頑張って勉強したあとに食べるプリンはすごく美味しいということです。

よい春休みをお過ごしください。

校長 村手元樹