より高く飛ぶためにはより低く身を屈めなければならない。 ―令和4年度3学期始業式―
2023.01.13

まんりょう  感謝坂の頂上付近に生えるマンリョウ(万両)

新年明けましておめでとうございます。

 2学期の始業式は第七波の最中で放送による始業式となりましたが、3学期の始業式も第八波のため、放送による始業式となりました。始業式で生徒の皆さんにした話を紹介します。

◇卯年(うどし・うさぎどし)◇

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

令和5年(2023年)は卯年です。卯年に因んだお話を二つしたいと思います。まず卯年は兎の特徴から飛躍の年、向上の年、成長の年とされます。

「飛ぶ」と一言で言ってもいろいろなスタイルがあります。兎は鳥とか飛行機のように羽根や翼を使って空を飛ぶのではなく、いわゆる「跳(は)ねる」、「跳躍」すること、足で地面を蹴って空中に跳び上がります。跳躍という漢字には両方、足偏が付いています。その意味で兎の跳び方は人間に近い飛び方と言えます。

飛ぶというと一見華やかですが、飛ぶには結構な脚力が必要です。大地に足をしっかり付け、踏ん張って重力に逆らって跳ね上がるわけですから。

出典は定かではありませんが、よく引用される格言があります。「より高く飛ぶためにはより低く身を屈(かが)めなければならない。(より低く身を屈めた者がより高く飛ぶことができる。)」という言葉です。飛ぶことの陰には地道な努力や忍耐があるという側面も忘れずに飛躍の年にしたいものです。

◇干支の本来の意味◇

もう一つ、卯年に因んでお話しします。干支(えと)は、音読みすると「かんし」と読み、本来十干十二支(じっかん・じゅうにし)を合わせて干支と言います。今は一般的に「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」というふうに十二年で一回りをする十二支を指すことが多いのですが、もう一つ「甲乙丙丁戌己庚辛壬癸」というふうに十年で一回りする十干というものがあります。

十二支の方は今年、四番目の卯年ですが、十干の方は今年、十番目の「癸(き)」の年、訓読みすると「癸(みずのと)」の年になります。従って今年の干支を正確に言うと「癸卯(みずのと・う)」の年ということになります。十干十二支の組み合わせは全部で60通りです。一見10×12で120通りと思いがちですが、10と12の最小公倍数で60通りとなるそうです。(どうしてそうなるか後ほど考えてみてください。)

というわけで、卯年は12年後に再びやってきますが、次の「癸卯(みずのと・う)」の年は60年後ということになります。暦が一回りする、還暦という言葉はここから来ているんですね。

◇1963年は何の年か?◇

さて、今年と同じ「癸卯」の年は60年前にもあったわけですが、それは1963年です。ここで問題です。1963年と言えば、何があった年でしょう? 分かりますか? そうです。我らが聖カピタニオ女子高校が創立した年です。

ということで今年2023年、おかげさまで聖カピタニオ女子高等学校は創立60周年を迎えます。皆さん、ご愛顧ありがとうございます。改めて時代の重みを感じますね。

ちなみに現1年生の方は60回生です。年が59週した後、60年目の最初に入ってきたということです。皆さんが一年間を過ごすとまるまる60年が経ち(六十周し)、我が校も今年新たな最初の一年を踏み出します。学校の発展は在校生・卒業生の皆さんの飛躍、向上にかかっています。皆さんの母校のために今年もともに頑張りましょう。

校長 村手元樹